
みなさんどうも、こんにちは!
僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。
だからこそ、あなたの努力は報われるのか?そう問われた時によく耳にする法則。
それが一万時間の法則。
一万時間何かに努力し続けるとその分野ではある程度の結果を残せる、つまり高いスキルが身につくというもの。
この一万時間の法則の父と言っていいのが、フロリダ州立大学の心理学者、アンダース・エリクソン博士です。
ちなみに、この一万時間の法則という名称。実は彼がそのように呼んだことは一度もありません。

では、この「一万時間の法則」という言葉はどこから来たのでしょうか?

それはジャーナリストのマルコム・グラッドウェルの著書「天才!成功する人々の法則」という売れに売れたベストセラーからです。
このベストセラーの章のタイトルに「一万時間の法則」という言葉が登場し、その言葉だけが一人歩きして拡大解釈されるようになってしまったという経緯があります。
著名なコメンテーターであり、作家の勝間和代さんが翻訳している本であり、「一万時間の法則」という言葉を広めた海外のベストセラー。と言っても、すみません、僕は読んでいません。全く関係ないですが、著者のグラッドウェル氏はかなり良い人柄(思慮深い人)のようです。一万時間の法則に批判的な記事や書籍を書いたスポーツジャーナリスト、デイヴィッド・エプスタイン氏が結構ほめていた印象。ちなみに原題は“Outlines”
そして実際の研究からこのような面白い事実も判明しています。
それが
一万時間も必要ない
ということ。
実際にアスリートがエリートレベルに到達するまでに必要な練習時間は一万時間も要らないことが研究で判明したのです。
具体的には代表レベルになるには
フィールドホッケー平均4000時間
レスリング平均6000時間

なぜこんな少ない時間でエリートレベルまで到達することができるのか?
本日はそんな視点。努力の仕方という切り口で、ランニングを深ぼっていきたいと思います。このブログを最後まで見ると、ランニングだけでなく、全ての分野に必要な努力の仕方と成果の出し方、もしくはなぜ成果が出せないのかがわかる。

是非、最後の最後までご覧ください。
目次
一万時間の法則が機能しない悲しい現実【ランニングとジョギングとマラソン練習】
多くのランナーが行うジョギング。
一万時間の父と呼ばれたアンダース・エリクソン博士と同じ心理学者、ペンシルベニア大学のアンジェラ・ダックワース博士。彼女の趣味は学生時代から続けてきたランニング。

そんな彼女はすでにこの一万時間を突破しているとのこと。

では、彼女はマラソン大会で優勝したり、プロランナー並みの能力を獲得できたのでしょうか?

答えはノーです。彼女のランニングスキルや体力はそこまでの向上が見られません。一万時間も費やしているのに。
アンダース・エリクソン博士の指摘した真の一万時間の法則。それは一万時間という練習時間が重要ではなく、何をどのように行うのか?それこそが重要であるということ。
彼の言葉を借りるとdeliberate practice、日本語では「意図的な練習」つまり「意図を持った練習の枠組みが大切」というのが、本来の一万時間の法則で伝えたいことなのです。
まあ、そんなことは当たり前と言えば当たり前です。
一万時間の法則と学習環境の違い(親切か?意地悪か?)
実はここがキモで、優れた実績を残せる分野と残せない分野が存在するらしいのです。
優れた実績を残せる、これは言い換えると努力が報われやすい分野ということ。逆に実績を残せないというのは、努力が報われづらい分野ということです。
ここで重要となってくるのが学習環境。
これがとても興味深く、なんと「親切な学習環境か?」、「意地悪な学習環境か?」という視点で努力は語ることが出来るのです。
ちなみにこの「親切な学習環境」という言葉はれっきとした専門用語だったりします。この親切な学習環境の名付け親である心理学者のロビン・ホガース博士の指摘はこうです。
親切な学習環境というのは、同じパターンが繰り返し現れ、非常に正確なフィードバックが、通常はすぐに提供される環境
たとえば、ゴルフ、チェス、将棋、ピアノやバイオリンなどのことです。この領域で意図的な努力を続けると、努力は比較的報われやすいとのこと。

つまり言葉を変えれば才能が開花しやすい。
一方、その逆の環境。ルールが不明確か不完全で、繰り返し現れるパターンがあったりなかったりし、フィードバックはたいてい遅く不正確。まさしく私たちが生きている現代社会。言っていることがコロコロ変わる、同じことをしたとしても同じ結果が返ってこない。これが先程の心理学者ロビン・ホガース博士が言うもう一つの環境。

意地悪な学習環境です。
彼はこう指摘します。
意地悪さが最も強烈な学習環境では、経験により間違った学びが強化されていく
成功者が語る「運が良かった」という言葉こそ、この意地悪な学習環境を認識しているからこそ重みが出てくるのです。経験が成果に繋がらない、逆に経験豊富さが致命的なミスに繋がる事例は実は認識していないだけで枚挙にいとまがありません。気になる方は僕が最も尊敬しているジャーナリストのひとりであるデイビッド・エプスタインが書いたこちらのベストセラー「Range知識の幅が最強の武器になる」をお読みください。

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つまり、何が言いたいかというとこのホガース博士が言うところの意地悪な学習環境で努力を積んだとしても、つまり意図的な練習を一万時間の積んだとしても成功する確率や再現性はそこまで高くないのです。
マラソンやランニングは一万時間の法則が当てはまる分野なのか?

では、ランニングという行為はどちらの環境に属するのでしょうか?

ここが重要となります。
おそらく前者。つまり比較的優しい学習環境なのではないかと思われます。
その理由として、ランニングやマラソンは究極的にはひとりで行うものであり、しかも基本的にタイムを狙う競技です。よって、他のスポーツのように他者という不確定な要素の影響が少なく、ロビン・ホガース博士が言うように「同じパターンが繰り返し現れ、非常に正確なフィードバックが、通常はすぐに提供される環境」
ということで、ランニングやマラソンという競技は一万時間の法則が適用される可能性の高い比較的珍しい競技であるかもしれないのです。

ちなみに、先程もお話したようにただなんとなく走るのではなく、エリクソン博士がアドバイスする意図的な練習を行うという前提に立った上でのことです。
この意図的な練習をもう少し補足すると、意図的な練習とは次にあげる4つの条件をクリアする練習のことに他なりません。
②完全な集中と努力
③すみやかで有益なフィードバック
④たゆまぬ反省と改良
この4つが上手く機能する、もしくは機能させることがスポーツに限らずすべての分野で重要となってきます。
おすすめマラソントレーニング・ランニングには自主練が大切
そして、ひとつ面白い事実もあります。それはなんとひとりで行う練習、自主練の重要性です。
偉大なバスケットボール選手、ケヴィン・デュラントはこう言っています。

練習時間の7割は、テクニックを磨くためにひとりで練習する。一つ一つのテクニックをしっかり調整したいから
また音楽家の場合も同様に、グループやほかの音楽家と練習するよりも、ひとりで練習する時間が多い人ほど、スキルの上達が早いことが研究でわかっているとのこと。
よって、偉大なランナーである瀬古利彦さんが昔、もくもくとひとりで走り込んでいたような練習方法は実は意図的な練習という文脈においてはかなり効果的であると言えるのかもしれません。
プロアスリートから学ぶトレーニング方法の具体例(フリースロー)
では、具体的なプロアスリートが実際に行っていたトレーニング方法を参考にして、どのような練習が効果的なのか見ていきたいと思います。
プロバスケットボール選手のシャキール・オニール。彼の苦手としていたのはフリースロー。


だからこそ、彼の行った練習方法。
それがフリースローのラインからひたすらシュートするというもの。どこでも見られるオーソドックスな練習スタイル。
この練習方法を目の当たりにした心理学者のビヨーク博士はこう指摘します。
オニールはフリースローのラインからひたすら練習するのではなく、その一歩手前と一歩後ろから練習して、必要な調整能力を身につけるべきだ
このような幅のある練習こそが意図的な練習には必要であり、この調整能力を身につけると、たとえ意地悪な学習環境でも最適な学びができるという意味を込めて「望ましい困難」とビヨーク博士は命名しているくらいです。

ランニングでもこのような幅を持たした調整能力を身につけることが上達への近道なのかもしれません。

と言われても、あまりピンとこないと思います。
【意図的な練習方法】ランニングではどのようにトレーニングすればよいのか?
フリースローでの一歩前と一歩後ろからの練習とはランニングにあてはめるとどんな練習なのか?
バリエーション豊かな練習であることは理解できます。

ここからは僕がこの話を聞いて思いついた教科書通りではない斬新なアイデアをご紹介します。
それが「ランニング足袋」と「一本下駄」でのランニングです。
↓日本製ランニング足袋『無敵』↓
↓ザ・古武術式ランニング『一本下駄』↓

通常練習に加え、このふたつをうまく活用するとビヨーク博士が指摘する幅のある調整能力を身につけられるのではないか?とふっ思いました。

あくまでパッと思いついたアイデアです。
【国際陸上競技連盟(IAAF)の警告】スポーツの早期教育・早期トレーニングは危険!?
努力の報い方。それが親切な環境での意図的な練習。
このふたつのキーワードからトレーニングは早ければ早いほど効果的であると言われ、水泳やゴルフ、フィギュアスケート、はたまた楽器などの早期教育が重要と言われるのです。
が、しかし、たとえば、こんな報告もあります。
それが国際陸上競技連盟(IAAF)が出した報告です。その報告ではこう指摘されています。
短距離走において、早い時期に過酷で特化した練習を行うと、スピード定常(頭打ち)状態に陥り、スピードの養成が阻害されることがある
そして、最終的にはこのように警告されています。
あまりにも早い時期に、あるスポーツに特化した練習ばかりを行うと、基礎運動能力の発達を阻害し、スピード定常状態に陥りやすい
子どもの頃にオリンピック選手を目指して、ひたすら過酷な練習ばかりやらせると、結果的にスピードの頭打ちが早い段階で来て、そこから抜け出せなくなるという結構恐ろしい指摘です。

これが国際陸上競技連盟(IAAF)から出たというのも興味深い点でもあります。
さらに2011年に、デンマークのアスリート243人について行われた研究では、早い時期の専門化は不要であり、むしろ最終段階への成長の妨げになると結論づけられたりと、幼いときからの専門特化はかえって足を引っ張る可能性が大きいと示唆されたりもしています。
まずは一部の例外が取り上げられ、それがあたかも万人に適用できるかのごとく受け取られていることが挙げられます。たとえば、タイガーウッズ選手のように。
タイガーウッズの幼少期について見過ごされがちな事実がある。生後六ヶ月のときに、家の中を歩き回る父親の手の上でバランスをとって立つことができたというのだ。六ヶ月といえば、普通に立つだけでもやっとという時期である(スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?アスリートの科学p98)
もうひとつはビジネスです。早期教育はお金になるという側面も見過ごしてはいけません。
まとめ
ということで、現在の様々な研究結果を総合して考えると、実は早期教育というのは早い段階で専門に特化するのではなく、幅広い選択肢を経験してからの専門特化が能力を伸ばす重要なプロセスであること。
また、問題が曖昧で、明確なルールがない「意地悪な」世界では、「幅(レンジ)」を持つことこそが人生を生産的に生きるための術であること。

これはランニングなど親切な学習環境においても言えそうです。
今回は努力の仕方をしっかりとした研究者やジャーナリストが書いた三冊の本(画像⑪グリット、画像⑫超一流になるのは才能か努力か、画像⑤Range)から紐解きました。三冊すべてがベストセラーということもあり、とても示唆深くおもしろいので、是非、読んでみてください。
タイトルは超うさんくさい!
が、しかし、自己啓発というジャンルの中で、最も怪しくない類の本。つまり、〇〇カウンセラーや○○スペシャリストという怪しげな肩書ではなくしっかりとした現役の学者(研究者)が書いたベストセラー。この本も、エリクソン博士の書いた書籍と同様にRANGE知識の「幅」が最強の武器になる、と併せて読むと多角的な視点が手に入り知識がアップデートされます。
↓ちなみに僕のオリジナル電子書籍では彼女のグリット研究の元論文も紹介しています↓
世界一走りたくなるワンステップ科学から紐解くランニング
「一万時間の法則の父」こと、フロリダ州立大学の心理学教授が書いた名著。この本を読んでから上記のRANGE知識の「幅」が最強の武器になるを読むと、内容がアップデートされます。批判も多々ありますが、僕がこの本を読んで感じたのは一種の希望みたいな感覚です。言い訳として「才能」という言葉を使い勝ちですが、良い意味でも悪い意味でもそこで自分の考えを止めてはいけないと思いました。誰も教えてくれない「努力の仕方」がわかるおすすめ本です!
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