みなさんどうも、こんにちは!
僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。
これはイチロー選手の第一声です。
元メジャーリーガーのイチロー選手から1998年、アジア人初の100M走10秒00をマークした「アジアの風」こと伊東浩司選手、2003年世界陸上200m走で日本人初の銅メダルを獲得した末續慎吾選手。
これらの選手の共通点。
今回紹介するのは、小山裕史(こやまやすし)さんが開発した20世紀最後の発明・発見の一つ、21世紀のトレーニングとも呼ばれたトレーニング理論の解説書。
奇跡のトレーニング 初動負荷理論が世界を変えるです。
イチロー選手の筋トレ不要説。
なぜ筋トレが必要ないと言えるのか、理論の本質を出来るだけ分かりやすく解説します。
これを見ると、初動負荷理論と初動負荷トレーニングが分かる。
是非最後までお楽しみください。
初動負荷理論とは?
初動負荷理論とは一言で表すと「筋肉の美しい動かし方」です。
そして重要なのが、筋肉の美しい動かし方をマスターすると故障することもなくなるという事実です。
たとえばライオンやヒョウは急にダッシュやジャンプをしても肉離れも捻挫も起こしません。
しかし、人間は入念にアップを行っていたとしても故障してしまいます。
小山さんは指摘します。
それは
神経と筋肉の機能が高まっていないから逆に野生動物は神経と筋肉の機能が高まっているからこそ、怪我と無縁なのだ
ではいったい、神経と筋肉の機能が高まるとは具体的にどういうことなのか?
小山さんの言葉を借りると
「良い動き」とは動いて気持ちの良い動きであり、「良いトレーニング」とは、力を出しても、身体が硬くも痛くもならず、気持ちよく動けるトレーニングです
ここでのキーワードが「力を出しても身体が硬くも痛くもならず」というところです。
冒頭のイチロー選手の言葉を思い出してください。
イチロー選手ははじめて初動負荷トレーニングを行ったときに、「力を出したのに、力を出し続けたのに、身体が柔らかくなっている!!」と思わず叫びました。
そう、筋肉はバキバキに硬くなっています。だからこそ、選手達はこぞってストレッチや筋膜リリースなどでこの硬さを取ろうとするのです。
しかし、言ってしまえばそれは悪いトレーニングです。小山さんが目指す「良いトレーニング」つまり初動負荷トレーニングではがんばれば、がんばるほど身体が柔らかくなっていくのです。
想像してください。弾力のある柔らかい筋肉とカチカチになった硬い筋肉を。
もちろん前者の柔らかく弾力のある筋肉のほうです。
答えは反射を利用したスムーズな筋肉の収縮とその切り換えです。
初動負荷理論は筋肉と筋肉の連動や協調つまり、神経系の繋がりを構築、もしくは再構築するトレーニングです。
だからこそ、随意運動という意識的な運動ではなく、意識を極力持たない反射的運動の繰り返しによって神経系に正しい運動の仕方を学習させるというのが狙いです。
だからこそ狙った運動を再現できる専用のマシーントレーニングが最大の効果を発揮します。
そう、生理学に基づいいた筋肉の反射による神経系トレーニングこそ初動負荷トレーニングです。
初動負荷理論は共縮を防ぐ
筋肉が硬くなってしまう理由のひとつに共縮とよばれる状態があります。
筋肉には関節を伸ばす筋肉(伸筋)と曲げる筋肉(屈筋)があります。上手く運動しようとすれば、お互いがお互いを邪魔せずに、協調することが不可欠となります。
しかし、なかなか上手く協調することが出来ない。上手く運動をしようとすると無意識に身体は力むのです。簡単に言えば、身体や筋肉が緊張します。
この緊張はいわば、自動車の急発進と急バックを同時に行っているようなものなので上手く「発進出来ない、つまり動けない」ことに繋がるのです。
これを繰り返していると、「エンジン、各部位の故障」が連想できます。
筋肉同士のこのような状態を「共収縮」「共縮」と呼びます。
身体の歪み、良くない動きも、この「共縮」状態を作り、イップス、肩こり、腰の張り、横になってテレビを見ていると身体が固まっているなどの例も「共縮」です。「共縮」=「血行障害」もイメージできます。
共縮こそ運動の最大の敵なのです。
よく「速く走るためには故障はつきもの」と表現する方がいますが、小山さんは「それは大きな誤り」と指摘します。
むしろタイムが上がらないから故障するのです。
最初から共縮状態のために体重移動にブレーキをかけ、ロス動作を生むので速く走れず、そのロスは身体のストレスを増やして故障を作ります。
だからこそ共縮を防ぐ身体の使い方を学習することで、故障しづらくなり、尚且つタイムが劇的に向上するのです。その結果がアジアの風こと伊東選手やメダリストの末續選手なのです。
共縮とは漢字のごとく、共に縮むと書くように、共縮を防ぐには手足などの末端部をリラックスする必要があります。
この末端部のリラックスも初動負荷理論のひとつの根幹です。
小山さんはこう言っています。
トレーニングでは、身体根幹部の筋群を十分伸張させることが大切です。身体根幹部の筋群で力を発揮、その筋力から出た力をうまく使って手足などの末端部を動かせばよいのです。末端部に位置する腕や膝、ふくらはぎの筋肉はリラックスが必要で、できる限り余計な張力を発揮させたくありません。この動作形態が初動負荷理論の特徴です。
つまり、リラックスした状態の中で、体幹を伸ばす反射を使って自然な加速動作を生み出し、身体の中心部から末端の方へと、柔らかくしなやかに力を伝えるのが初動負荷理論の特徴なのです。
初動負荷トレーニングの特徴
末端部の筋肉を意識的に強く動かせば、せっかく身体の根幹部で作り出した力が生かされず、むしろ動きが硬くなり、加速度が制限されます。
だからこそ、初動負荷トレーニングとは「最初に負荷をかけて、動作初期の負荷強度を増す筋トレ」ではありません。
これだと一番厄介な運動の敵、共縮状態を引き起こします。
初動負荷トレーニングとはあくまで神経系トレーニングなのです。
動作初期に、適切な力や刺激を加えることで、筋紡錘という筋固有の感覚受容器に感知させ、反射を起こさせる。
その反射での筋肉の収縮速度に合わせて、マシンの負荷を徐々に減らしていくことで加速度を増し、その感覚を神経に覚えさせることで共縮を防ぐというトレーニングです。
簡単に言えば、人間にもともと備わっている運動反射を利用して、その自然で協調された動きを専用のマシンで繰り返すことで良い動き・美しい運動を引き出し、身体に馴染ませるということです。
初動負荷走法とは?
そして、この理論から生み出されたのが、初動負荷走法です。
そのすごさを小山さん自身でもこのように言っています。
土のグラウンド時代、ピンのついていない普通のシューズで、100mを10秒9台で走っています。ちなみに、これは20台の半ばを過ぎてからのことです
小山さんは「垂直軸」を作れ!とアドバイスをくれます。
垂直軸とは初動負荷理論の根幹の一つでもあります。
具体的には、股関節、膝関節、足首の関節、この3つが、垂直線をつくるような足の位置関係です。
この垂直軸こそ、人間の動きと力の中心となる考えと形態である
とまで小山さんは言っています。
また、垂直軸を作ることは、簡単そうで意外と難しいとも指摘します。なぜなら各関節の位置を把握し、骨盤の位置や傾きなども考慮に入れなければならないからです。
形だけを真似するのではなく、動作に繋げていくための軸。
それが垂直軸です。
だからこそ、この大切な垂直軸を作るのにきわめて有効なのが――21世紀のトレーニングである「初動負荷トレーニング」だと力説しています。
小山さんは、
この垂直軸が作れなかったり、崩れることによって身体は共縮状態を示します。そうなると乳酸などの疲労物質が必要以上に産生されるのです
と言っています。
だからこそイチロー選手、伊東選手、末續選手など初動負荷理論を使いこなした日本人が世界に驚きと感動を与えました。
垂直軸を作る走り方が初動負荷走法。
初動負荷走法とは、はじめに重心をスライドさせることで垂直軸が形成された上に交互に上体が乗り込む走り方です。だからこそパワーを使わずに、つまり地面を蹴らずに速く走れるのです。
ちなみに昔の飛脚の走力の秘密もここにあるかもしれません。
みなさんは知っていますか?
重心が移動する時に生まれる力は、想像以上に大きいと。
優れた重心移動とは、骨盤、股関節、肩関節が連鎖的に動く反射動作なのです。
反射動作。みなさんピンとくるはずです。
反射動作を利用するトレーニングこそが初動負荷トレーニングです。
実際にイチロー選手も30mダッシュを20回繰り返しても「乳酸が全然出る気配がなく、全く疲れません。今までの走りはなんだったんでしょう」と言うほどの効果がありました。
これが初動負荷走法の神髄です。
まとめ
初動負荷理論・初動負荷トレーニングとは、筋トレではありません。負荷をかけるのは筋肉ではなく神経の方です。マシーンを使い適切な動作を再現することでダイレクトに神経の働きを向上させる。それによって、パフォーマンスアップや怪我の予防に繋げるという画期的な試みなのです。
今回はあくまで自分の言葉で簡単にまとめただけなので、少しでも気になった方は本書をお取り下さい。
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