
みなさんどうも、こんにちは!
僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。
正月の風物詩。箱根駅伝。

みなさんも一度は耳にしたことはないでしょうか?
出場するシード校以外の代表校を決める箱根駅伝予選会の存在を。

そんな2019年の10月に行われた箱根駅伝予選会。この予選会でなんと26年ぶりに、箱根駅伝への出場を果たした大学が存在します。
その大学こそ、本日紹介する本。超効率的「ベストな1歩」が記録を伸ばす!最高の走り方の著者、弘山勉(ひろやまつとむ)さんが監督を務める大学。筑波大学。
「筑波大学箱根駅伝復活プロジェクト」の立役者である弘山監督が教える市民ランナーにとっての
最高の走り方とは?
弘山監督はまずは常識を疑えと問題提起します。
たとえば、みなさんも一度は聞いたことがあるこんな常識。
弘山監督はこう言っています。
最初から真下につくものではない
「えっ」と思いますが、本来、前方で着地しないように、つまりブレーキをかけてしまわないように、この「着地は真下に」という常識が広まりました。
しかし、これを誤解して、真下に着地しようとするあまり、自ら腰の動きに制限をかけてストライドを狭めてしまうケースが見られるとのこと。
実際、足が地面に触れる瞬間(接地)は前でつき、その後、軸脚に体重を乗せる(乗り込み動作)局面で真下になります。
つまり着地の最初の段階、地面にはじめて触れる着地は前方となるのです。
だからこそ、弘山監督は「最初から真下につくものではない」と言っているのです。

また、走るときは「骨盤は前傾させろ」という常識も聞いたことはないでしょうか。

これにも注意が必要です。
骨盤前傾を意識し過ぎるあまり、反り腰気味に固定させてしまうケースがありますが、実際のランニングでは前傾させない局面もあります。
もし骨盤を固めて走っていると、股関節を効果的に使えていないフォームになり、脚の動きに制限がかかってしまったり、腰痛の原因となることもあり、非効率的な1歩になってしまうのです。

だからこそ、そんな従来の常識を今一度リセットして、「正しい姿勢」に立ち返りましょうとアドバイスをくれます。
また「背筋を伸ばせとかそういう話か」と思われるかもしれませんが、基本は何回確認してもし過ぎることはありません。
「正しい姿勢」と聞くと、背すじをピンと伸ばして「気を付け」をするようなイメージを抱く人もいますが、実際はそこまで力を入れる必要はないとのこと。

適度な筋の緊張を保ちながら自然にまっすぐ立つイメージです。
背骨を伸ばして腹圧が掛かっていれば、骨盤が自然に立っているニュートラルの状態になります。
最高の走り方【ランニングフォームの最適解】

では、もっと具体的に最高の走り方を定義してみましょう。
最高の走り方が出来るランナー。それはやはりあの人物でしょう。
それがこの伝説的なマラソン選手。
フルマラソン2時間切りプロジェクトを達成し、東京オリンピックでも金メダルを取ったエリウド・キプチョゲ選手。
キプチョゲ選手のランニングフォーム。
適度な脛骨角度と前傾姿勢、乗り込み動作の巧みさから生み出される股関節とアキレス腱反射を使った2段式のバネ。このバネのタイミングがピッタリと合って、カラダがブレることなく1歩でグンと進む。

これこそが最高の走り方です。
【ランニングの専門家が考えられない】つま先着地VSかかと着地
しかし、残念ながらこのような例外的な選手は市民ランナーにとって参考になる可能性が低いため、ここでは、キプチョゲ選手とは反対に良くみなさんが陥ってしまう非効率的なフォームを確認しておきましょう。
市民ランナーにとっての非効率なランニングフォームとは?
それは着地の乗り込み時に重心が遅れたフォームです。
着地の局面は、地面に足が触れる瞬間の「接地」と、軸脚に体重を乗せて力をためる瞬間の「乗り込み」の2つに分けられます。
ランニングの着地とは厳密には重心との位置関係と距離間で決まります。着地時に重心が離れていればヒールストライクになり、重心が真下付近で、乗り込みが同時になればフォアフットになります。つまり、接地とは足先でコントロールするのではなく、動きのなかで自然に決まるものなのです。
弘山監督はこう言っています。
一番いけないのは、重心が遅れているのに、強引にフォアフットで接地しようとすること。すねの筋肉に大きな負担がかかり、故障につながります
さらにこのようにも指摘します。
乗り込み時に重心が遅れたりすると、大きなロスが生まれます。重要なのは、すねの脛骨が足関節より前にあること。そして、沈み込んだとき、頭・両ひじ・骨盤・両ひざが一直線にそろうことです。
とくにサブ3達成まであと数分、3時間一桁台まで迫っているようなランナーに多い特徴としては、「着地のタイミングのずれだ」と弘山監督は指摘します。
接地~乗り込みの重心とタイミングにわずかにずれがあるだけで、数分のロスにつながります。
キーワードは股関節です。弘山監督はこう言っています。
接地方法を修正するうえで重視しなければならないことは、走動作への股関節の貢献度を高めることです。
より具体的には、ツイストランジウォークやジャンプ系の運動など、股関節の機能を高めるエクササイズやドリルをしつつ、膝下で走るような小さなフォームではなく、股関節を使えるようなフォームを意識してみましょう。これでサブ3達成が近づきます!
マラソン初心者によくありがちな膝下で走るちょこちょこ走りについては伝説のコーチも指摘しています。
【ジョギングの生みの親】リディアードのランニングトレーニング

ところで、みなさんはランニングフォームのゴールというものを考えたことがあるでしょうか?

えっ、ランニングフォームのゴール?どういうこと?
と思いますが、弘山監督はこう言っています。
実はすべての動作のゴールは空中姿勢にある
ランニングにおいて、空中姿勢の形次第で次の動きが決まる。

なんと空中姿勢が接地区間の動きを決める関係にあるのです。
そのため、空中姿勢の形(フィニッシュ動作)をしっかりイメージすることが、ランニングの効率性を高める重要なポイントと言えるのです。
そんな空中姿勢で大事なのは、簡単です。リラックスすることです。
弘山監督のアドバイスはこうです。
そんな空中姿勢を作る前の段階。
地面を離れてジャンプする瞬間は、斜め60度を意識して進みます。
そうすると実際には45度で跳躍することになりますが、
なんとなくでもよいので、60度をイメージする
これが推進力のベクトルとして最適だそうです。
マラソンでのLT(乳酸性作業閾値)トレーニング
練習を積んだランナーのフルマラソンは、LT(乳酸性作業閾値)を少し超えて血中の乳酸が2~2.5mmol/lになる範囲で「ややきついが、調子がよければ長く続けられる」と感じる程度の強度で走ることになります。
また、乳酸値が4mmol/lになる強度を「OBLA」といい、この領域を超えていくほどに「頑張らないと長く持続できない」運動となります。

長距離トレーニングの目的は、このLTやOBLAの速度を上げていくこと。これらのランニング速度が上がれば、記録を伸ばせるのです。
マラソントレーニングで重要なのは1500mのタイム
だからこそ重要な指標が存在します。それが1500mのタイムです。
この距離、1500mは、「有酸素能力」を主に使って走る競技種目のうち最短の距離であり、かつ最短のスピードで走る距離と言えます。
さらに1500mを走破できる平均速度が最大酸素摂取量(VO2MAX)の速度に等しいとされています。

つまり1500m走で発揮できる能力はランナーにとっての最大値であると考えてよいのです。
弘山監督はこう言っています。
この1500mの速度をレベルアップできれば、トレーニング次第でフルマラソンの記録も伸ばしやすくなる。

ではそんなランナーの基準となる1500mのタイムからわかること。
それがゴールタイムです。
それぞれの距離で、どれくらいのタイムまで走れるかという予測タイムがある程度正確に推測出来るのです。
そして、アスリート(鍛錬者)であれば、弘山監督の経験則から導き出した「プラス5秒の法則」というセオリーを適用できると言っています。
「プラス5秒の法則」とは、
一般ランナーの場合は鍛錬度の違いによって多少のバラツキがありますが、
たとえば、サブ3を目指すランナーであるなら、最低でも1500mを平均1キロ3:27ペース、3000mでは平均1キロ3:38ペース、5000mなら平均1キロ3:47ペース。10kmなら平均1キロ3:55ペース。15kmでは平均1キロ4:02ペース、ハーフマラソンなら平均1キロ4:08ペースとなります。翻って、このペースをクリア出来ないとサブ3の達成は難しいとも言えます。

現在の走力確認やそれぞれに必要な走力目標として、活用できるので、頭の片隅においておくと便利かもしれません。
その基準となるのが、1500mのタイムなのです。
そんな1500mのタイム。
サブ4を目指すランナーなら1500mを6:45、平均4:30ペースで走る走力が求められます。
サブ3を目指す人であるなら、最低でも1500mを5:10、平均1キロ3:27ペースで走る走力が求められます。
サブ2.5を目指すランナーなら1500mを4:34、平均3:03ペースで走る走力が必要であり、サブ3.5を目指すランナーなら1500mを6:00、平均4:00ペースで走る必要があります。
これらのペースをクリアできることで、目標達成の可能性が高まります。

ランナーにとってのパフォーマンスの最大値である1500mのタイム。

長い距離をひたすら走るのではなく、まずは1500mのタイムの向上を目指してトレーニングすると、効率的なトレーニングが出来るかもしれません。
では、そんな1500mのタイム向上を目指して、バシバシインターバルトレーニングをやって、スピードを底上げすればいいのでしょうか?
弘山監督はこう指摘します。
インターバルトレーニングでスピードそのものは底上げすることは出来ない。
弘山監督はこう続けます。
インターバルのようなスピード練習の目的は、スピードそのものを底上げすることではなく、現状持っているスピードを持続させること。
スピードそのものを底上げするメニューはレぺティションや90秒走、60秒走、40秒走、150m走などの全力トレーニングです。
スピードの底上げで1500mのタイムの向上を目指すなら、短い距離、短い時間を全力で走るトレーニングこそが必要なのです。
これによって解糖系と呼ばれる代謝回路を活性化することが出来ます。マラソンではこの解糖系で出せる乳酸値や乳酸の処理能力の向上も大切になってきます。
解糖系の代謝能力が未発達のランナーはジムなどにあるエアロバイクやスピンバイクを使っての高負荷のトレーニングで代用すると、足へのダメージが少なく解糖系への刺激を高め、実際のランニングに繋げることも可能です。
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まとめ
最高の走り方とは究極的にはキプチョゲ選手のようなバネのある走りです。
しかし、さすがにそれは難しいため、市民ランナーであれば、接地から乗り込み時に重心のタイミングを同期させるような股関節の機能の向上であったり、リラックスした空中姿勢であったりと、正しい基本姿勢から生み出されるランニングフォームこそが最高の走り方へと繋がります。
さらに1500mのスピードをいかに底上げするかという生理学的機能に基づいた考え方も合わせることで記録を伸ばす超効率的「ベストな1歩」が踏み出せます。
今回はあくまで自分の言葉で簡単にまとめただけなので、少しでも気になった方は本書をお取り下さい。
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