みなさんどうも、こんにちは!
僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。
みなさんが一度でも聞いたことがあるこんな常識。
運動は脳にいい!運動すると頭が良くなる!
運動と脳の関係を解き明かしたことでアメリカでベストセラーとなり、ここ日本でも売れに売れた本「脳を鍛えるには運動しかない」の著者、ハーバード大学医学部で教鞭に立つ医学博士、ジョン・レイティ先生。
トレイルランナーでもあるそんな彼が提唱するのが、「野生を取り戻せ」です。
今回紹介する本はまさしくその名の通り人間の本来の姿を追った名著「GO WILD 野生のからだを取り戻せ 科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス」です。
メンタリストのダイゴさんを始め、既に様々なユーチューバーがこの書籍の解説動画を出していますが、今回は運動経験ほぼゼロからトライアスロン日本代表になった僕がアスリートに特化した解説をしたいと思います。
トライアスロン初心者だった元帰宅部がトライアスロン日本代表へ
常識を疑うことで新たな突破口が開かれる。是非、最後までお楽しみください。
目次
腸内細菌
ジョンレイティ先生は驚くべきことを言っています。
「カロリーは全て同じ」という栄養についての考え方は間違っている
栄養学の基礎の基礎となる「カロリー」、つまりエネルギーを測る単位。
おにぎりを一個食べると約179kcal、食パン一枚は約168kcal
これが体に吸収されエネルギーとなります。
これが実は間違っているとジョンレイティ先生は指摘します。
なんと人間はそのカロリーよりはるかに多くのエネルギー、数値にすれば従来のカロリーの10%以上のエネルギーを摂取出来るのです。
栄養士や栄養に携わる人が持っていない知識。
それが細菌の知識です。
ジョンレイティ先生は言っています。
わたしたちの体内には今現在、地球上に存在する人間の数より多くの微生物――大方は細菌――が棲んでいる。その細胞数はわたしたち自身の細胞の数をも上回っている。これほどの膨大な情報を自然が利用しないなどということがあるのだろうか?
そしてなんと、いくつかの研究から、体が利用できるカロリーは、消化器系に棲む細菌の種類に左右され、細菌はわたしたちが摂取できるエネルギー量を10%も多くしていることがわかりました。
今は飽食の時代ですが、人類はずっと昔から飢え、飢餓に苦しんできました。だからこそ、細菌を利用することで飢え死しない工夫をしてきました。
さらに実験で明らかになった事実として、肥満のマウスの腸内で見つかったある細菌を別のマウスに移すと、そのマウスも肥満になったり、食物からは摂取できないビタミン類を、特定の細菌が人間に与えてくれているという証拠も出てきました。
これが腸内細菌と人間の共生です。
現在の栄養学では細菌との共生という視点が抜け落ちており本来の栄養の姿は少し異なっているのかもしれません。
元を辿ればエネルギーを生み出すミトコンドリアも、もともとは細菌でした。
パフォーマンスを上げるには細菌との共生はひとつのキーワードとなりえます。
だからこそ、僕はそんな腸内細菌に注目して、回復力を高め、パフォーマンスを最大限に引き上げる方法、腸内コンディショニング仮説を考え出しました。
詳しくはこちら【山の神から得た速くなる最強方法】の動画をご覧ください。練習以外で強くなりたい、速くなりたいと願っている人にはおすすめです。
これまでないがしろにされてきた腸内細菌と仲良くすることでパフォーマンスを上げる。これがひとつの野生の体を取り戻す方法です。
低炭水化物食
次にキーワードとなるのが低炭水化物です。
1970年代後半にアーメラゴスは自らの論文「農業の起源における古病理学」において過去の栄養不良の原因は農業に起因していると指摘します。これはつまり、文明化によって食生活のバランスが崩れ、人間がしていた本来の食事から離れていくことで、様々な病気が蔓延したことを意味しています。
だからこそ、アーメゴラスは言っています。
本来の健康食に共通するのは次の二点だ
一点目が、低炭水化物。二点目がバラエティの豊かさ、であると。
実際に低炭水化物食・高脂肪食下で行われた実験で、ランニングの脂肪燃焼効率が上がったというデータもあります。
低炭水化物食については「運動オンチでも日本代表になれる方法」で詳しく解説しています。
事実として低炭水化物食が人間本来持っている野生の力を引き出してくれます。
【解説】糖質制限ダイエットが秘密!?伝説の飛脚の持久力の科学
マラソンと水分補給
マラソン大会で死亡する人の多くは、実は水分を取り過ぎているということを。
もっと言えば、水分を取り過ぎるからこそ、最悪の状況、突然死のきっかけになるということを。
福岡大学名誉教授の田中宏暁(たなかひろあき)博士はこう指摘します。
夏場や気温が高いレースはもちろん脱水に気を付けなければいけませんが、冬場のレースでは水分の摂りすぎはかえって危険な場合があります。マラソンでの突然死。その原因が低ナトリウム血症という水分の摂りすぎで誘発される場合が往々にしてあるからです
「水分を取らないと脱水症状になる」と心配している市民ランナーも多いと思いますが、実は水分を取り過ぎることで、低ナトリウム血症になり痙攣や意識障害が起こり、突然死に至ります。
大丈夫、だからナトリウムが入っているスポーツドリンクを飲んでるから!
そう豪語する人もいます。
しかし、ここに落とし穴があります。
スポーツドリンクに入っているナトリウム濃度は、生理食塩水に比べ5分の1と低すぎるため、意味がないという結論にアルモンドたちの研究では達しています。
さらに南アフリカの研究者ティム・ノークスは、この問題について広範な研究を行い、なんと彼が集めたデータは、「大量の水を飲め」というアドバイスが間違いだという結論に達しています。
ノークスの調査によると、マラソンでは往々にして、過度の脱水状態に陥っているランナーが勝つそうです。よって、長時間に渡る冬場の寒いレースでの水分の摂りすぎには注意が必要です。しかし気温が高い日のレースや夏場のレースではしっかりと水分補給してください。
ノークスの大発見。それは
人間はもともとそこまで水分を補給せずとも動ける体を持っている
という事実です。
アフリカのカラハリ砂漠に住む原住民のサン民族は、獲物を走って追いかけて捕まえるという人類最古の狩りの方法、持久狩猟をしています。
彼らは砂漠という過酷な場所で走り続けなければいけませんが、彼らの摂る一日の水分量は現代のランナーが30分ごとに飲むべきとされる量の水です。
言い換えると、カラハリ砂漠のサン民族は現代のランナーが30分ごとに飲むべきとされる量の水を飲めば、丸一日、灼熱の砂漠を走り続けることが出来るのです。
ほんの僅かな水分で砂漠を脱水にならずに駆け抜ける。それも丸一日。
ユタ大学のマウンテンランナー研究者のデヴィット・キャリアーはバソプレシンの働きを追うことによって、人間が走るように生まれついたことを理解しました。
これは砂漠という過酷な環境に適応したバソプレシンという水分を調整するホルモンのおかげであり、狩猟採集民族であったもともとの人類は水分に頼らない、頼れない状況で生きて、進化してきたことを物語っています。
走るために、水分補給をしなくてもよい体に人類は進化した。
もし人類が走り回って狩りをしている最中に水分休憩や脱水などでパフォーマンスが低下すれば、獲物を逃しかねません。獲物を逃せば飢え死にするかもしれない。だからこそ水分を体に貯めるバソプレシンの働きを極限まで高めた。
これが驚くべき人類が本来持っている野生の体なのです。
ランニングシューズは本当に必要?
野生動物はランニングシューズなんて履きません。
ジョンレイティ博士は裸足、ベアフットで走ることの重要性も示唆しています。
脳地図を見ると、足エリアは手エリアのすぐ隣にあります。これは手足が協調して空間の中でバランスを維持しながら、適切な場所へと誘導するためです。足は本来はもっと感受性が高く、手並の感受性に並ぶはずでした。
しかし、文明がそれを妨げました。文明とはつまり靴です
と指摘しています。
靴、ランニングシューズというわたしたちの文明には切っても切り離せないもの。
実はその靴こそが人間の本来持っている運動能力の足枷になっているかもしれない。
ジョンレイティ博士はこう切り込みます。
意図的でないとしても、工夫を凝らした、底が分厚く曲がらない靴は、足からは固有受容性感覚(自分の体やその動きの位置などを伝える感覚)を奪い、脳と神経回路からは数百万年にわたってわたしたちを指揮してきた情報収集力と情報処理能力を奪ったのだ
ここでランナーとケガは切っても切り離せない関係が出来上がる。しかし、ベアフットランニングにより、野生の体を取り戻す、もっと言えばケガをしにくい体をつくることが出来るのです。
ベアフットランニングに関して深く知りたい方は全世界で売れたベストセラー「BORN TO RUN走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の走る民族」をご覧ください。
【まとめ】GO WILD 野生のからだを取り戻せ 科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス
さいごにジョンレイティ先生はこう指摘します。
ストレスに対する免疫力を高め、回復力を養う――それこそが「野生を取り戻す」ことの神髄である
腸内細菌との共生、低炭水化物食、人類とバソプレシン、ベアフットランニング
野生というストレスと対峙してきた人類の進化。そんな進化に着目し、非常識を取り入れ回復力を高めパフォーマンスアップを図る。
それこそが野生を取り戻すことに他なりません。
今回はあくまで簡単にまとめただけなので、少しでも気になった方は本書をお取り下さい。
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