みなさんどうも、こんにちは!
僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。
それが人類で初めてフルマラソンを2時間を切ったエウリド・キプチョゲ選手。
そんなキプチョゲ選手の腕に取り付けられたこの白い機器。
さらに、こちらの選手は東京オリンピック、トライアスロンで金メダルを獲ったノルウェーのクリストファー・ブルーマンフェルト選手。
このトライアスロンのトップ選手の腕にもキプチョゲ選手と同じ機器がついています。
さらにこの特殊なインソール。
まだ日本に来ていない驚くべきランナーのための最新スポーツガジェットを紹介したいと思います。是非最後までご覧ください。
目次
おすすめマラソングッズ!?血糖値を測れるリブレセンス
この機器の名前はリブレセンス(Libre Sense)。
このリブレセンスが測っているのは、血糖値です。
もともと、このリブレという商品は糖尿病患者のために開発・運用されている医療機器。この開発元の会社Abbot社(アボット)がアスリート用に発売したのが、このリブレセンスです。
この動画で指摘した通り、オリンピックで採用されているマラソンやトライアスロンなどの距離であれば、そのほとんど、数値にして、エネルギーの約97%を糖質に頼っていることが研究でわかっています。
【東海大学と國學院大学】箱根駅伝で起きた最大の悲劇【マラソン×糖質】
そうです。レース中の97%が糖質頼り。
もちろんこれは高強度で運動し続けることを前提としているので、一般の市民ランナーには当てはまらないかもしれませんが、1秒を削りだすことに命を掛けているプロランナーやプロアスリートたちにおいては血糖値管理はキーワードとなり得るのです。
キプチョゲ選手はこう言っています。
血糖値の管理(リブレセンスの使用)は、トレーニングメニューを一変させる。血糖値とランニングパフォーマンスがどう関係しているかを学べ、僅かな変化がどのような大きな違いを生むかを知ることができる
さらにキプチョゲ選手が所属しているNNランニングチームのコーチ、パトリックサングもこう言います。
エネルギーシステムを理解することは、Gods sending神のみぞ知るものだった。それまでは血糖値を算出することなんて出来なかった
キプチョゲ選手のコーチであるパトリックが神のみぞ知ると謳う、血糖値を把握・管理出来ることで、
レース間でどれくらいの炭水化物を摂取すればその選手にとって最適なのか?その最も効率の良いタイミングを知ることが出来る
とNNランニングチーム、パフォーマンスディレクター、バレンティン・スゥロウも言っています。
血糖値を把握・管理することで、結果的にハイパフォーマンスを実現出来たり、エネルギー戦略に活かすことが出来る。
マラソンとは食べるスポーツである。
この言葉はギリシャのスパルタスロンやアメリカのバッドウォーター・ウルトラマラソン5位入賞などを誇るウルトラランナーでもある岩本能史(いわもとのぶみ)さんの言葉。
実際に2007年のベルリンマラソンで皇帝の愛称で親しまれたハイレ・ゲブレセラシエが2時間4分26秒、当時の世界記録を樹立したとき、彼は1時間当たり60~80gの糖質を摂取していました。
1時間当たり60~80gと言ってもあまりピンと来ないと思います。
しかし、これは相当な量です。
分かりやすいように例えると、一般的な角砂糖一個、小さじ一杯が約4gと呼ばれています。つまり角砂糖15~20個、小さじのスプーンで15~20杯です。この量を1時間おきに摂るのです。あくまでイメージしやすい砂糖に置き換えましたが、多少のズレがあったとしても相当な量であることがわかると思います。
ただし、1時間に摂取する炭水化物の量が90gを超えると、パフォーマンスに有害な影響を及ぼす可能性がある
バーミンガム大学のアスカー・ジューケンドラップ博士は糖質を多量に摂りすぎる危険性も指摘しています。
昔は知り得なかった「神のみぞ知る」血糖値をリアルタイムで把握、管理出来ることで、このギリギリのライン、いわば栄養のLT値(乳酸性作業閾値)のようなラインを把握し、攻めることが出来る。
これが最新の栄養補給戦略の在り方なのかもしれません。
さらに、この血糖値の数値を心拍数などと連動させることで、全体的な運動の閾値がより鮮明に把握出来たり、テレビでよく目にする有力選手のレース後半の失速の原因やその対処法などを解決するきっかけになる可能性もあります。
「血糖値管理」これが今後のスポーツ科学やスポーツ栄養学のトレンドになるかもしれません。
おすすめマラソングッズ!?スマートインソールNurvv Run(ナーブラン)
さて、次に紹介するのはこの機器。
その名もスマートインソールNurvv Run(ナーブラン)。
2021年Sports Industry AwardsのCutting Edge Awards、いわゆる最先端部門にもノミネートされた商品です。
このインソールの特徴。それは接地の可視化です。
これらの情報を全て可視化できます。
かなり難しいとされる着地動作の改善や自分の怪我のパターンを理解し、防ぐことも可能となる。それがこのNurvv Runの売りです。つまり怪我を予防し、ランニングエコノミーを向上させるインソールです。
さらに、このスマートインソールの特筆すべきところはコーチングの自動化です。
コーチングとは観察眼であると僕は思っています。観察眼にこそ、お金を払う。
通常は1回数千円~数万円という高いお金を払って専門家に動作分析をしてもらい、改善点を指摘してもらい修正していきますが、それを、ITを使うことで誰でも正確に尚且つ手軽に出来るのです。もちろんそれ専用のコーチングアプリも付属しています。
それまでは技術として、蓄積しなければならなかった観察眼がITを使うことで手に入る。
IT技術の発達で仕事がなくなる。そう言われて久しいですが、その波がなんとコーチングという属人的スキルの高いサービス業界にまで波及してきた、という驚きを僕はこの商品から感じました。
日本では未発売ですが、今後、日本の市場にも登場するかもしれません。もちろん全て英語ですが、ある程度語学に自信があれば個人輸入は可能だと思います。
ランニングでパワーを測れるインソールガジェット
そして、このスマートインソールで僕が最も素晴らしいと思ったポイント。
それはパワーが測れることです。
みなさんはパワーと聞いても、あまりピンとこないと思います。
しかし、パワーという尺度、つまりワット数、日本語で仕事率。それこそ、現在最も信頼のおける数値のひとつなのです。
もし最高のパフォーマンスを発揮したいのなら、3つのP、出力、心拍、認識に焦点を当てるべきである。それぞれの英語の頭文字、Power、Pulse、Perceptionを取って3つのP、出力、心拍、認識。これが近年のトレンドとでも言える言葉です。
心拍数、Pulseはランニングでもメジャーな数値です。
認識とは、いろいろな意味合いがありますが、僕がこの動画で説明しているプラセボ効果、フィラデルフィア・セブンティシクサーズのパフォーマンス研究所のディレクターであるデビッド・マーティン博士が「期待反応」「信念効果」と呼ぶもの、それが僕が考える認識、Perceptionです。
そして3つのPのひとつであるpower。このパワーがランニング界においてある程度、正確性を持って測定できるようになってきたのが、このスマートインソールのすごいところです。
実はすでにパワーを測ることの出来るデバイスはガーミンやStryd(ストライド)などから発売されています。
その理由は簡単です。力を測定するには力の作用点、つまり接地時の衝撃を受け止める場所。究極的には足裏にあるべきです。
しかし、これらのパワーメーターは靴紐、もしくは腰に取り付けます。圧力の掛かり具合、専門用語で言えば「ひずみ」がそんな場所で分かるとは到底思えません。
実際にこれらの企業はパワー計測に必要なひずみ計算ではなく、ペースや上下動、斜度などの情報を基準に独自のアルゴリズムから推定値を算出しています。
しかし、あくまで推測ですが、このスマートインソールならば、ひずみゲージをインソール内に搭載でき、かなり正確なパワーが算出出来る可能性があるのです。
そう言った意味でもこのスマートインソールは最先端を走っていると僕は感じます。
さいごに
さいごに、一番大切なものは数値では測れないという話をして終わりにしたいと思います。
これまで血糖値やワット数、いわゆる数値、データのことばかり言ってきましたが、データに固執してしまうと逆効果になることがある、そういう話です。
持久系競技コーチのクリステン・ディーフェンバッハが指導していたあるマスターズトライアスリート。彼は医者であり、なんでも数値化しないと気が済まない人でした。
そんな彼のパフォーマンスが急落していたので練習量を減らして休養を増やすようアドバイスすると、医師であるそのアスリートは「私の睡眠モニターやストレスの数値は、十分に眠っている、休息を取っていると示しているんだ!」と反論しました。
ディーフェンバッハは「機器の数値よりも、自分がどう感じているかを大切にすべきときもあるのです」と説得をしなければいけませんでした。
このエピソードが意味すること。それはいつの間にか我々はデータの奴隷となっているかもしれないということです。
ある時点の単一のバイオメーカーから有意義な情報を引き出そうとするのは無意味だ。私たちが脳を上回るバイオメーカーのシステムを持ち得るのは、遠い未来にあるだろう
こう指摘するのがハワイコナで行われるアイアンマントラアスロン世界選手権で年代別チャンピオンに輝いたシリコンバレーの経営者、「最強のデータオタク」でもあるサミ・インキネンです。
たとえば、2015年、オーストラリアのスポーツ科学者アンナ・ソーらは、トレーニング負荷とその反応に関する、ホルモンレベルから炎症マーカー、赤血球数、免疫系マーカー、心拍数など多岐にわたるテーマの研究論文を集めてメタ解析し、主観的な自己申告の値が、客観的な測定値よりも正確だったことを明らかにしました。
この結果が意味するものは驚くほど大きい
とアンナ・ソーは言います。
私は客観的尺度の値がこれほど一貫性がなく、主観的尺度の値がこれほど信頼できるとは思ってもいなかった
この言葉にある通り、数値化できない直感やなんとなくという感覚こそが最強の情報となりえるのです。だからこそ、僕は月に一度は何も付けずに自由気ままにトレーニングすることを習慣にしています。
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