みなさんどうも、こんにちは!
僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。
いきなりですが、みなさんはストレスが溜まっていないでしょうか?
プライベートや仕事での人間関係はもちろんのこと、スマホやPCを開けば数多くの有象無象の情報がこれでもかと言わんばかりに洪水のように押し寄せてきます。
そんな現代社会の荒波を上手く渡っていくひとつの方法。
ストレス解消方法。
ということで、本日は数々あるストレス解消法の中でもやはりこのチャンネルが取り扱うトピックでもあるランニングに焦点を当て、どうすればこの生きづらいストレス社会を良い感じで乗り越えていけるのか、そのヒントやノウハウを「英雄的な努力」と評された日本人研究者たちの話とともに共有したいと思います。
また、ブログの最後にはストレスに関連した対人恐怖症・社交不安・人間関係に由来する全般的な生きづらさで苦しんいる方に参考になる知見も具体例をあげて解説しました。
このブログを最後まで見ると、現代のストレス社会という荒波に立ち向かうひとつの武器が手に入る。この武器が何を意味しているのかは、動画を最後まで見ると納得できるかなと思います。
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目次
【人間vs動物】ストレスとは?
⇒ストレスとは外部からの刺激に対する体の反応である
これはストレスという概念の生みの親と言われているノーベル賞候補者として10回も名前が挙がった生理学者ハンス・セリエ博士の定義。
ということで、ハンス・セリエ博士の定義したストレスの範囲は広すぎる。よって、ほぼすべてがストレスとなり得る。
が、実際に博士が発見したストレスの概念はマウスの実験によって。
ちなみにストレスについて面白い話を一つ共有すると、我々が考えるストレスと実際の動物実験でのストレスは別物である可能性です。
よく様々な研究でネズミやラットなどの動物が実験に使われます。
包み隠さず具体的に言います。
日常的な監禁によるストレス。要するに、ネズミやラットを身動きできないほど小さな容器に閉じ込めるなど。ちなみに容器には、やっと息ができるだけの小さな穴しか開いていなかったりなどの環境。
もしくは狭い場所に複数匹一緒に閉じ込める。
足場がほとんどないような場所で溺れそうになるまで、無理やり泳がせる。
よくニュースなどで
ストレスがうつ病になることが研究で明らかに!
などと騒ぎ立てられていますが、多くの人が「ストレスがたまる」と言う場合に経験していることが、はたして実験動物にストレスを与えた方法と同じくらい苛酷なのか?人間のストレスと動物のストレスが果たして同じ土俵の上で語られても良いのか?という示唆に富む発言をする研究者も存在します。
この話をあえて出したのは、ストレスというものをより深く考えるきっかけになる話だと思ったからです。
ストレスというものを定義したのは科学者ですが、科学のものさし上でのストレスは実は想像以上に苛酷なのかもしれません。
では、そんなストレス。なぜランニングを行えばストレス解消におすすめなのか?
というか、なぜ走ることがストレス解消に一番重要な「楽しい」という気持ちに繋がるのか?
【ストレス解消の本質】移動する動物としての人間とランニング
いきなりですが、みんさんは1日1万4千歩と聞いてどう思うでしょうか?
実は平均的な幼児は1時間に2368歩歩くということが研究で判明しており、よって1日換算で約1万4千歩。
この事実を知れば、なぜ小さな子が1日12時間の睡眠を必要としているかも理解できると思います。
その運動量の多さ。また赤ちゃんもひたすら這い這いをして、とてつもない持久力を発揮します。
幼児の発達に関する研究で百本以上の論文を書き、9000回以上も論文が引用されている子どもの歩行に関する第一人者、グリニッジビレッジのアドルフ博士の答えはこう。
赤ちゃんは移動すること自体を楽しんでいるのです
人間の移動手段であるウォーキングやランニングのひとつの本質。
アリからゾウに至るまで、ある動物が一定の距離を移動するのに必要なエネルギー量を解明する変数は脚の長さです。
上記の発言は以下の書籍p201から引用。
これはこちらの名著、運動しても痩せないにはなぜか?代謝の最新科学が示すそれでも運動すべき理由の著者であるデューク大学のハーマン・ポンツァー博士の言葉です。
この一回聞いただけでは何を言っているのかわからない言葉の意味は単純で、つまり人間の脚は他の動物と比べて、比率的にめちゃくちゃ長い。ということは脚が長い方が効率的に移動できるじゃん!
という事実からもDNA的に移動の楽しみが埋め込まれているのは合理的と言えるのではないかと僕は考えています。
人類は移動することを楽しめる唯一の動物(かもしれない)
でないとマラソンという苛酷な競技がなぜあんなに世界中の人々を惹きつけるのか説明がつきません。
現在の常識のように、ウォーキングやランニングがダイエットなどのしんどい行為の延長線上に位置づけられていることこそ、実は間違いなのかもしれない。
ということで、現代のストレス社会において、ランニングという行為の奥底に眠っている楽しみに今一度目を向けると効果的にストレスを解消できる可能性がある。
【ラブホルモン】オキシトシンとランニング
また、最新の知見としては、実はオキシトシンというホルモンでもランニングというストレスと向き合う行為が説明できるかもしれないのです。
オキシトシンと聞いてピンとこない方が多いと思いますが、このホルモンの別名が、ラブホルモン。愛情に関するホルモンなのです。
このラブホルモンであるオキシトシンは誰かを抱きしめたときに脳から分泌されるため、「抱擁ホルモン」とも呼ばれています。
このホルモンの働きこそ、人とのつながりを強くする。人と人がお互いに助け合うことに関係するホルモン。
人類の二足歩行を研究しているダートマス大学のジェレミー・デシルヴァ博士の言葉を借りれば、
人間の性質の最もミステリアスな側面。つまり利他的に行動する能力は危険な世界で生きる二足歩行動物の脆弱さから生まれたのだと言えよう。われわれにとって生き延びることは戦いだった。
人とのつながりを求め、協力して行動することは二本の足で大地を歩き始めたときから人類が採用した最強の生存戦略である。
また、博士はこうも指摘しています。
完全に利己的に振舞う傾向があり、群れの仲間に対して非寛容なあまりに攻撃的なサルにとって二足歩行は絶滅への道となったことだろう。
この世で唯一、二本の足で移動する人類という生物種がここまで生き延びれたのは、実は助け合いの精神、優しさを持っていたから。我々の祖先が見つけ出した生物として淘汰されないため、生き残るために、二足歩行というとてつもない制約を払いのける生存戦略上の武器。それが優しさであり、助け合うことなのです。その武器のひとつが何を隠そうオキシトシン。そう、ラブホルモン。
これは否定しようとしても、DNAに刻み込まれているもの。
と聞いて、オキシトシンは人間以外でも持っているのではないか?と難癖をつけたくなる方もいると思うので、より俯瞰的な見方ができるこのトピックに関するおすすめ資料は以下に載せておきます。
【進化生物学】優しくなる進化を解説した書籍たち
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どれも結構、難しいですがなかなか考えさせられる……実際にハーバード大学のリチャード・ランガム博士はトマス・ホッブズ派(人間は生来利己的だ)とジャン=ジャック・ルソー派(人間は生来善良だ)に分かれる派閥のことについて言及している。僕はこれらの観点から「性善説(孟子)」は実は進化生物学で語れるんじゃないかと密かに考えています。孟子は本当は教育の大切さを説くために提唱したようですが。
ということで、ながながとすみません。では、本題です。
実は最新の知見ではこのオキシトシンによってもランニングが語れる可能性もあるのです。
【早稲田大学】巡るプラズマオキシトシンレベルは高強度インターバル運動によって引き上げられ男性における身体中を駆ける
それがこちらの研究。
この研究はデンマークと早稲田大学の合同研究チームが行ったもので日本語のプレスリリースも存在するので、そちらを読めばかなりわかりやすくまとまっているので超おすすめです。
『巡るプラズマオキシトシンレベルは高強度インターバル運動によって引き上げられ男性における身体中を駆ける:Circulating Plasma Oxytocin Level Is Elevated by High-Intensity Interval Exercise in Men』
↓元論文↓
↓【日本語】プレスリリース↓
そしてこの研究こそ「英雄的な努力である」と著名なスポーツジャーナリストに言わしめるくらい興味深いもの。
まずはこの研究のメインの結果をお伝えします。
それがこう。
全身を循環する血中オキシトシン濃度が高強度インターバル運動によって増加する
つまり、きつい運動を行うと血中のオキシトシン濃度が上がるのです。
これが何を意味しているのか?
実はオキシトシンはいろいろな効果を及ぼすホルモンなのですが、先ほど挙げた人と人とのつながりを強化する以外にこんなものもあるのです。
スタンフォード大学でストレスを研究している専門家の言葉を借りれば
オキシトシンには、もうひとつ驚くべき効果がある。「ラブホルモン」とも呼ばれるオキシトシンは心臓血管の健康にも効果的なのである。
つまり、オキシトシンは人間関係を促進するホルモンという機能以外にも、なんと、心臓の細胞の再生や血管のごく小さな損傷の修復にも役立つ機能も兼ね備えているのです。
ちなみに大前提を共有するのを忘れていましたが、オキシトシンというホルモンは今回のトピックであるストレスに関連するホルモンでもあります。つまり、ストレスに上手く対処できるようにするホルモン、そのひとつがオキシトシン。
よって、太古の我々のように常に食うか食われるかというストレスに晒されていたり、この研究のようにストレスフルな運動をしたりするとそのストレスに対処しようとして働く生物に備わった、プロセスなのです。
よって、実はストレスを感じたときにもオキシトシンが分泌されるのです。
そしてこの事実も実際のラットを使った研究で明らかにされており、これが面白いのですが、この実験用ラットにストレスを与えたところ、オキシトシンの効果で心臓がダメージから守られていたことがわかりました。
ところが、オキシトシンの分泌を抑える薬品をラットに投与したところ、薬のせいでオキシトシンが機能しないため、ストレスによって心臓がダメージを負ったのです。
という、ストレス対処ホルモンであるオキシトシンは仲間意識を円滑にして協力関係を促進し、人類が生き残る可能性をアップさせるだけでなく、心臓や血管にもプラスに働く。
という観点からこの研究の意義を見ようとすると、研究者たちのこの言葉がピッタリだと僕は思います。
”Exercise is medicine(運動は薬である)”を考える上で重要なエビデンスとなります。
またこの研究のもうひとつの超興味深い発見はマニアックになるので、この元論文とともに以下で補足しておきます。
★日本人×デンマークの合同研究チームの研究のもうひとつの発見★
「主に、オキシトシンは脳で作られ、血中に放出されると考えられています。しかしながら、本研究では、高強度インターバル運動によって増加した血中オキシトシン濃度が、脳のオキシトシン放出と関連しなかったことも報告しました(プレスリリースから引用)」
血中のオキシトシン濃度が上がったのは別に脳からガンガンオキシトシンが出ているのではないという結果(←面白い!!)
↓【日本語】プレスリリース↓
ちなみになぜやり手ジャーナリストがこの研究を「英雄的な努力」と評しているのかは、おそらくこの研究のために新しく開発された計測手法にあると僕は考えています。このことも同じく以下で補足しておきます。
日本人×デンマークの合同研究チームの研究を「英雄的な努力(a heroic effort)」と評しているスポーツジャーナリストのブログ
↓オキシトシンとランニングに迫ったおすすめ記事↓
このブログの中にオキシトシンの最新知見を含め、有益な情報が論文ベースで載っています。超おすすめ!
↓オキシトシンは汗にも含まれている!↓
★このジャーナリストが書いたスポーツ科学のおすすめ名著★
また最新の知見によると、なんと汗にもオキシトシンが含まれており、オキシトシンは運動中の皮膚でも生成されるているかもしれないとのこと。
このように運動中に様々な臓器から分泌される物質をエクサカイン(exerkines)と呼びます。
このエクサカインのエクサとはまさしくエクササイズのエクサからきており、カインは「作動物質」動きの働き自体に関する物質を意味する言葉からきています。
この分野は激アツの超面白い分野であり、もし動作指導ではなく、トレーニングがなぜ能力アップにつながるのか?など運動生理学的視点を勉強したいトレーニングの専門家や医師、研究者を目指す学生は、最近出たネイチャー誌の「なぜ運動は良いのか?細胞の中のあくなき答えの探究」という記事は本当におすすめです。
★トレーニングはなぜ能力アップにつながるのか?に関する有益な記事★
Why is exercise good for you? Scientists are finding answers in our cells
『なぜ運動は良いのか?細胞の中のあくなき答えの探究』(←僕の意訳です!)
↓ネイチャー誌↓
↓【日本語版】natureダイジェスト2024年8月号↓
初学者におすすめ記事。特に大学生におすすめ!この記事の中に「エクサカイン(exerkines)」などわかりやすく解説されています。個人的に良いなと思ったのが、さまざまな分野のトップ研究者の話から多角的に細胞生物学と運動の関連性が知れるところ(超良い)!あと、やっぱりアスリート研究者が多い。僕もそうですが、「(才能がない中で)どうすれば速くなれるのか?」などを考えるといきつくのは結局、同じなのかもしれません笑。
以上、オキシトシン、ホルモンという側面からなぜランニングがストレス解消におすすめされるかの説明しました。ちなみに今後の課題として、研究者たちはオキシトシンを分泌させる運動強度や時間を特定し、より負荷のかからない運動などを見つけようとしています。
【3ステップ】生きづらさや対人恐怖症、社交不安を改善する具体的な方法
では最後にいわゆる人間関係に由来する生きづらさや対人恐怖症、社交不安を持っている方々に向けて本質的なコミュニケーション能力をアップさせる運動プログラムをご提案したいと思います。
まずはカラダを軽く動かすことからはじめ、運動の習慣を作る。ここは無理する必要はありません。概要欄にヒントになるであろう関連動画(画像⑬関連動画)を載せておきます。
ある程度、運動することに慣れてきたら、思い切ってスポーツジムに入会する。
スポーツジムなどでよく行われている集団プログラム、エアロビやヨガ、キックボクシングなどに参加して汗を流す。
このステップ③に参加することを最終目標にステップバイステップで無理のない範囲で様々なことに挑戦することをおすすめします。人間、具体的な目標があれば結構、がんばれます。
そして、最終目標であるステップ③、スポーツジムの集団プログラム参加にあたり一番重要なのは、
周りと仲良くする必要は一切ないということ
ここが重要。
他人に気を使う必要もなく、誰かとしゃべったりする必要も一切ありません。黙々とカラダを動かしてください。最も重要なのは集団の中で一緒に身体を動かすという体験自体にあるからです。
最初は緊張すると思いますが、参加回数が増えるごとに人に対する恐怖や集団でいることの恐怖が少しずつ緩和していくと考えられます。
なぜなら、今までの話を聞いていたらわかるように、人間のDNAに刻み込まれた人と人を繋げる物質、特に運動することで作動するエクサカインをガンガン分泌させられるからです。
↓うつ病などより重度な対人関係ストレスで悩んでいる方は以下の動画がおすすめ↓
↓【文章で読む!】文字起こしブログ↓
ちなみにこのエクサカインはオキシトシン以外にも数多くあり、そのすべてがお互いに影響を及ぼし合っている。専門用語で「臓器間のクロストーク」と呼ばれる生理学的作用に基づいているため、DNAに刻まれた人間が持っているそもそもの社交性をブーストしてくれます。
という意味でも、ひとりで行う運動自体も大切ですが、集団でカラダを動かすことも「対人」という問題に関して特におすすめなのです。
より詳しい話が知りたい方は随時、一次資料を載せているのでチェックしてみてください。おすすめです。
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