みなさんどうも、こんにちは!
僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。
本日は、一部の人たちには耳が痛いと思われる結構ぶっこんだ内容を話していきたいと思います。
まず最初に断っておきますが、もし何か物申したいときは動画を最後まで見てから意見や批判をしてください。批判自体は全然OKです。
しかし、人の話はさいごまでしっかり聞く(お願いします!)
という僕を含め出来ている人が結構少ない社会人としての当たり前を是非、今一度思い出してください。
と、なぜ僕がここまで予防線を張り巡らすかにはわけがあり、それが今回取り上げようと思っているトピックがこんなものだからです。
ランニングテクニック・ランニングノウハウは果たしてそこまで重要なのか?
様々な方、特にランニングコーチの方が提供している速くなる、楽に走れる系のノウハウに今回はぶっこんで行こうかなと思っているため、あえて変な前置きをしました。
と言っても、コーチやランニングテクニック情報を発信する方の気分を害するような一方的な感情論ではないですし、僕はランニングテクニック系のノウハウは個人的には素晴らしいと本気で思っています。
ただ、事実と真実の切り分けは物事を理解するときには大切になるので、その点も共有しながら、みなさんに新しい視点を提供でき、少しでも学びになればこの動画の価値があるのかなと思います。
ということでこのブログを最後まで見ると、ランニングの常識である様々な楽に走れる、速く走れる系のテクニックはほんとうのところはどうなのか?というランニングの大前提を深ぼる興味深い話が知れる。
今からの話は誰かを批判する類のものではありません。
こういう考え方・捉え方もあるのか~程度に聞き流して頂ければ幸いです。ちなみに過去の焼き直し動画ではないのでその点はご安心ください。
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目次
【走り方研究】ランニングのバイオメカニクス(生体力学)とランニングエコノミーの関係性
2024年3月にその名も「スポーツメディシン」
日本語で「スポーツ医学」というド直球なタイトルの学術誌にこのような面白い研究結果が報告されました。
それこそランニングテクニックに関するもの。
まずは何が面白いのか、その結果・結論からお知らせします。
ランニングバイオメカニクスは、それ単体で考慮した場合、ランニングエコノミーの個人間のバリエーションの4~12%を説明することができる
このランニングバイオメカニクスとは一体何なのか?というと着地の初期から中期、後期、それぞれの関節、足首、膝、股関節の関節可動域、ピーク時の垂直床反力、力学的な働きのような仕事量の関数、筋電図の活動などのことです。
と聞いて難しく考える必要はありません。
これはつまり、よく言われる
接地はこうしろ!足の角度はどうこう!
などのYouTube上で再生回数を取れるランニングテクニック系の話でランニングを語ろうとすると、それ単体ではランニングの効率性、ランニングエコノミーという観点で見ると、4~12%という数値で説明できるということです。
もう少し厳密に言うと、それぞれ速い人と遅い人の差をランニングテクニックで語ろうとすると4~12%がこのカラダの動かし方であるランニングバイオメカニクスに関係していると言えるということ。
つまり、世間一般に楽に走る、効率的に走るとはすなわランニングエコノミーが高い走り方であるはず。が、しかし、そのランニングエコノミーに寄与するランニングバイオメカニクスと呼ばれる、走り方のテクニックやノウハウが関係しているのは4~12%程度。
もう一度言います。
という中々の事実が数値ベースで、しかも、何が余計考えさせられるのかというと、それこそこの研究はひとつの数少ない被験者から得られたデータからはじき出された結果ではなく、複数の研究を集めて、ガッツリ統計処理をかけてはじき出された信頼性が高いとされるシステマティックレビューとメタ分析の結果なのです。
↓エビデンスレベルとは↓
実際にこのメタ分析は51の研究がピックアップされており、対象人数も1115人。結構闇深いことを言うと、基本的にこのようなスポーツ研究の被験者、つまり実験参加者数は10人~20人前後だったりするのがスタンダード。よって、数少ないサンプルから得られた結果に果たしてどれだけ信頼性があるのか?再現性があるのか?そのデメリットをカバーするのがこれらのシステマティックレビューやメタ分析なのです。
↓【真の科学的教養】なぜエビデンスや科学的根拠が大切なのか?↓
という背景をお伝えしつつ、重要なことももうひとつお伝えします。
今回のこの研究はあくまで相対的にエビデンスレベルが高いというだけのことで、この研究結果が全て正しい、この結果で全てのランニングが語れるというわけではないということ。その点はくれぐれもご留意ください。研究に限らず何事でもそうですが、どれだけそれらしくても盲信だけはやめてください。本当に危険です。研究ベースでこの事実が気になる方はこの研究の最後辺りにあるLimitations and Considerations「限界と考察」の項目をお読みください。
たったの4~12%程度だと、いや、違う。4~12%「も」だ
この数値だけを見て直観的に低いと決めつけてはダメ!4~12%程度ではなく4~12%も、かもしれないのです。
これはまさしくその通りで、二通りの考え方ができるのも事実です。
特にトップアスリートにとっては。
ほぼすべての競技において、トップレベルの選手の基礎能力の高さはほとんど同じである場合が多い。では、どこで優劣がつくのかというとまさしく、ランニングバイオメカニクスと呼ばれる体の動かし方もその主要な要因のひとつ。
よって、トップレベルのアスリートにとっては、4~12%「も」と言えるのです。
ある意味、伸びしろみたいな感じかなと僕は考えています。
なので、ここに焦点を当てるのは、とても合理的である可能性が高い。このたった1%を向上するだけで、秒差を競う相手に勝てる可能性がグッと近づくのです。
とここまで聞いてなるほどとなった方は、この話の「真相」、もしくは深い場所という意味で「深層」を理解できると思います。
このバイオメカニクスで語ろうと思えば、まさしくトップレベルの基礎的な能力を有している人間という前提が浮かび上がるのです。
ハイレベルのランナーは基礎となる心肺機能を含め有酸素能力、筋力、スピード持久力をある意味極限まで高めている。運動生理学的な基礎が出来上がっているからこそ、応用となるバイオメカニクスと呼ばれる体の動きで残りの余白を埋めていくのです。言葉を変えると、限界を超えていくのです。
もちろん例外は存在しますが、そこまでガッツリとした基礎が出来上がっていない可能性が高い。よって、もしランニングエコノミーの高い走り、効率的な走りを目指したいとなれば、バイオメカニクスと呼ばれるランニングテクニックなどのカラダの動かし方で語れる4~12%も大切かもしれませんが、もっとそれ以外に着目した方がよほど合理的ではないでしょうか?
というまさにランニングを教えている、テクニックを教える専門家やYouTuberのみなさんからしたら、耳を塞ぎたくなるような結果が2024年3月の「スポーツ医学」と呼ばれる比較的メジャーな学術誌から発表されたのです。
ちなみにこの僕の発言も恣意的に研究結果をあえて切り取ったので、実際はこの数値はもっと上振れする可能性が高い。つまり数値的に伸びしろはまだまだあるということは言及しておきます。あくまでランニングのバイオメカニクスと呼ばれる動作にだけに着目した数値が4~12%というもの。また、もうひとつの押さえておきたい大前提もおそらく存在すると僕は考えております。
The Relationship Between Running Biomechanics and Running Economy: A Systematic Review and Meta-Analysis of Observational Studies
↓元論文↓
最初に謝っておきます。本当にすみません。この情報は恣意的に切り取りました。というのも実は、これらの研究の対象者はほとんど全てガチのランナーや本気で走っている人を対象としていること。詳細は3.2 Study Characteristicsをご覧ください。
そう、一般の趣味ランナーを全般的にカバーしていないという意味で例外的なランナーを取り扱って出された結果の可能性が高い。ということで、この数値は果たしてどれくらいまで「普通のランナー」に一般化できるのか?という前提がすっぽ抜けています(というか、あえて踏み込まず……)。でも、動画ではあたかも一般ランナーにも適応できるかのごとく解説しているという……このように情報は、いとも簡単に恣意的に操作できるので、元論文を読まないとダメなのです。研究者や専門家の意見は(意識的に、無意識的に)結構こういう行為をしているため、僕は元論文や関連文献を読んだりしています笑(だからと言って、これ見よがしに揚げ足を取ったりは絶対にしないでください!僕は絶対にしません!)
などと偉そうなことを言っておいて、同じ行為をしているので人のことはとやかく言えません……まあ、こういう事実も頭の片隅に置いといてください!本当にすみません(泣)
とここまで聞くと、おそらく視聴者を含め、実際にランニングを教えている専門家のみなさんも、もやもやしていると思います。
大丈夫です。冒頭でも言いましたが、僕はランニングテクニックが無意味であるなんて一切思っていませんし、ランニングのテクニックを教える専門家の存在もかなり重要だと思っているからです。
なぜそう言えるのかも動画の後半でしっかりと説明するので、この研究結果と僕の一義的な解釈だけを切り抜いて、
ランニングテクニック、ランニングノウハウなんて無意味だ!
専門家は実は我々を騙している
などとは思わないでください。是非、僕の話を最後まで聞いてください。
【ランニングエコノミーとは?】エネルギーコストで語るランニングとその盲点
というのも、みなさんはこの研究の最も重要なキーワード。
走りの経済性と呼ばれるあまりピンとこないものですが、ランニングエコノミーとはズバリ、酸素の取り込み、呼吸という視点でどれくらい効率的にエネルギーを使っているか、エネルギー効率が優れているかを比べるものさし。イメージとして車の燃費性能みたいなものです。
ランニングエコノミーとはカラダに取り込む酸素摂取量をものさしに、ある速度に対して、どれだけ少ない酸素摂取量で走れるかを示す指標のこと。
ランニングエコノミーが優れているとは、言葉を変えれば、同じ速度で走っているのにも関わらず少ない酸素摂取量で走れている。これがエネルギーコストが低いとされ、効率的に走れているとされるのです。だからこそ、同じスピードなのに、ゼエハア言わず余裕を持って走れる、楽に走れると言えるのかもしれません。
↓今回参考にしたランニングエコノミーについてわかりやすく解説された書籍↓
>>42.195kmの科学マラソン「つま先着地」vs「かかと着地」
>>限界は何が決めるのか?持久系アスリートのための耐久力の科学
ここで重要なことは呼吸、酸素摂取量という「ものさし」と紐づいていることです。
効率的に走るという言葉は酸素摂取量だけで本当に語れるのか?という根本的な疑問も思い浮かぶのです。
なぜなら、たとえば効率的なランニングフォームというのは怪我を防ぐという視点で語れたり、エネルギーコストだけに着目するべきものでもないかもしれないからです。
と言っても、怪我に関しては要因が多すぎて、怪我のリスクが減るのは本当にフォームをメインで語れるのか?フォームというよりもその他の要因のほうが大きいのではないか?というのが僕が様々な論文を読んでいて思っている感想です。
こちらの動画の概要欄でも研究ベースで指摘したのですが、特に、距離との関連性のほうが大きい要因であり、ランニングフォームでこの怪我のリスクをどこまで低くできるのかは正直、僕は懐疑的です。
★怪我のリスクの主な要因は「距離」??を示唆する研究★
What are the Differences in Injury Proportions Between Different Populations of Runners? A Systematic Review and Meta-Analysis
初心者ランナーが距離を踏みすぎるとダメな根拠となる信頼性の高い研究。ランニングに伴う怪我の発生率は、U字型の曲線をたどる。つまり、怪我をする確率が最も高いのは、走行距離を急激に増やす初心者と、激しい競争をする俊足のランナーおよびウルトラマラソンランナーであり、これらの両極端の間に位置するふつうのランナーははるかに怪我をしにくいとのこと(ハーバード大学教授いわく)。
つまり、初心者ランナーや中級者ランナーが怪我を減らすにはトレーニングの原理原則である、漸進性の原則に則って慎重に距離を増やしていくのが、最も効率的に怪我のリスクを減らせる可能性が高く、怪我を前提としたランニングフォーム、怪我のしないフォームによって怪我のリスクと向き合うよりは、生活習慣を含め怪我をさせない、怪我をしない環境づくりに着目ほうが長く楽しくランニングを続けていけると僕は思います。
あくまで、怪我のリスクに関する主要なファクター、要因は何なのかを見極め、その問題解決手段はどこまで効果的なのか?という話。
もちろん、怪我のしにくいランニングフォームというアプローチ方法によって怪我のリスクを減らすのはありですし、僕はそれを否定しているわけではありません。が、その問題に対するアプローチ方法は本当に効果的に怪我のリスクを減らしているのか?その他の要因にアプローチしたほうがもっと快適に楽しく走っていけるのではないか?ということを僕は指摘したいだけです。
なぜなら、このメタ分析と呼ばれる信頼性がある程度高いとされる研究で判明したバイオメカニクスと呼ばれるカラダの動かし方のノウハウやテクニックが単体でランニングエコノミーと呼ばれる走りの効率性に与える影響は4~12%程度だから。
この結果から類推するに、一般の趣味ランナーがランニングフォーム、カラダの動かし方であるランニングバイオメカニクスにアプローチして、果たしてそこまで劇的に速くなったり、効果的に怪我を予防できるものなのか?という素朴な疑問が思い浮かばいなでしょうか?
4~12%という厳然たる数値。これは個人個人のランニングを観察するときの比率的にあまりにも低すぎるのではないかと。みなさんはどう感じるでしょうか?
もちろん、これは個人的な感想に近い類推でしかないので、その点はご留意ください。
という諸々の話は現場でこそ専門家は重々理解しているはずです。当たり前ですがテクニックだけで速くなる、楽に走れるわけはないと。基礎となる走り込みの重要性を。
仮にランニングにおいて基礎と応用という区分があれば、おそらくランニングテクニックであるバイオメカニクスの部分はより応用に近いものだと僕はこのメタ分析を読んでいてふと思ってしまいました。もちろんあくまで僕個人の感想です。
【事実と真実】ランニングテクニック系のノウハウが必要な理由
では、ここで事実と真実の話をしたいと思います。
真実とは、その事実に対しての個人個人の解釈のこと。
ここをごちゃまぜにして、事実と真実を切り分けられないため、多くの方は事実ではなく、真実を語ろうとする。だからこそいろいろと誤解が生じる。
そして、この研究の数値は事実です。
ということで、事実ベース、統計上の数値ベースではランニングバイオメカニクス的には恐らく楽に走る、効率的に走ることに関してそこまで大きな影響を与えなさそう。
が、ここからある意味この動画で一番伝えたいこと。
この事実と真実はどこまでイコールで結ばれるのか?というものです。別に小難しい話をしたいわけではありません。
僕が言いたのは、ランニングテクニック・ランニングノウハウの真実はまた別のところにあるということ。
言葉を変えれば、数値はどうであれ、ランニングテクニックは大切であり、それをメインに打ち出すのは素晴らしいということです。
なぜならモチベーション、やる気などの数値に現れない目に見えないもののほうが大切だから。正直、これは統計の数値よりもはるかに大切であると僕は考えています。
そうなのです。研究などはあくまで目に見える形、数値として計測できるものしか扱えないのです。関係者や科学を盲信している方から怒られるかもしれませんが、科学は全くもって万能ではないのです。
数値という事実以外の測れない真実こそが個々人の経験や気持ちであり、それをないがしろにするのはあまりよろしくない。
ということでも、数値で低い値がはじき出されたとしても、目に見えない部分、目で測れない余白の部分においてランニングフォームに焦点を当てるアプローチは大正解だと僕は思っているのです。
よって、この研究を通して僕が改めて感じたことは、事実を事実として受け入れ、自分の考え方や数値だけに固執せず、できるだけフラットに幅広い視野で考えられたらベスト、という著者たちが全く意図していないなぞの感想だったりするのです。ちなみに著者たちが論文中で意図している余白の部分は別のものだったりすのですが。
というある意味、著者たちから怒られそうな的外れな感想を僕は持っていますが、今回のこのバイオメカニクスの研究で判明したのはもっと面白い事実。
実は全体的な数値以外にもランニングエコノミーが比較的良好な走り方は、足をぶん回すピッチ走法であるや、効率的に走るには腱や筋肉の「硬さ」が実は重要だったりと、そういった興味深い知見も述べられているのでおすすめです。
↓ランニング革命 もっと速く、長く、ずっと怪我なく走るための方法↓
また、かなり昔に扱ったランニングフォームの闇に迫ったこちらの動画でやり玉に上げられていた僕が大好きな「ポーズメソッド」と呼ばれるガチの研究者が作ったランニングテクニックに関しても、ピリッと辛口で指摘されていたりもします。この論文は動画や書籍などで声高に叫ばれる「科学的」とされるランニングバイオメカニクスの事実を知れて結構面白いです。
Specifically, modifying certain components of running technique (e.g., Pose® running or changing footstrike) has been shown to not change RE, or even worsen it.
↓日本語に訳すとこんな感じ↓
特に、(フォアフット走法を重視するポーズ®ランニングや踵着地を変化させるなどの)ランニングテクニックの特定の要素を変更・修正しても、ランニングエコノミー値は変化しないことが示されている、それどころか悪くなった。
つまり、着地どうこうのカラダの動かし方に焦点を当てたテクニックで動きを改善しても、結果ランニングエコノミーに変化はなく、かえって悪くなる場合もある。
う~ん、個人的には大好きな考え方ですが、現実はなかなか厳しいらしい。。。
最後にひとつ注意ですが、これらの知識をもって
お前は間違っている!俺の方が正しい!
とマウントを取ることだけは絶対にやめてください。知識は相手の立場に立つために使うものであり、相手を気遣ったり、助けたりするために使うもの。自分自身のしょうもないプライドや自尊心のために使うのは愚の骨頂、一番最悪の恥ずべき知識の使い方であるということはここで明言しておきます。
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