【1日1万歩は意味ない!?】ウォーキングの科学10歳若返る本当に効果的な歩き方

書籍紹介

みなさんどうも、こんにちは!

僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。

仕事をしたいが……そんな方へ|元帰宅部の本気
★読者様へのお願い★ 当事者(在宅でしか仕事が出来ない方)に届かないと意味がないので出来ましたら、この情報の拡散をお願い致します。 【依頼内容】 10分~20分程度の動画編集 【対象者】 在宅でしか仕事が出来ない方限定 ・家から出たくても出られない方(介護なども含む) ・対人恐怖症の方 ・うつ、適応障害等で長期...

いきなりですが、こちらのポップで可愛らしい表紙の本。

その名もウォーキングの科学。カラフルでとても優しい感じがします。

が、しかし、この本の本当の魅力は、そのギャップにあります。

どんなギャップかと言うと、パッと見ると読みやすそうでいて、実はその反対。内容がかなり奥深い。

正直、とても専門的です。なぜなら、実際の著者の論文を以下に貼ったので、よければ見てみてください。

読む必要はありません。パッと見るだけOKです。

↓能勢博教授がラストオーサー(最終著者)の論文↓

運動トレーニングによる暑熱馴化メカニズム:能動性皮膚血管拡張神経の役割

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/61/3/61_279/_pdf/-char/ja

※コメント※
抄録の初っ端の英単語からヤラれるとても奥深い論文。全編英語verなら読むのを諦めていたレベル。そんな「いかつい」レベル感の話が本書には入っています。active cutaneous vasodilator「能動性皮膚血管拡張神経」という専門用語なんて誰が聞いたことあるの(泣)あと、調べると信州大学は「暑熱順化」や「運動時の血圧調節(血流コントロール)」に関しては国内トップの研究機関ということがわかりました。出てくる情報が信州大学発ばっかり。知らなかった。
タイトルからしてかなり厳つい。

このレベル感の内容をこの本にぶち込んでいるのです。「そりゃ、難しくなっても仕方がない」という感じ。でも、内容は「超」がつくほど本当に素晴らしい。

本日はそんな運動生理学、ウォーキング研究の第一人者と言っても過言ではない、信州大学医学部の能勢博博士が書いたこちらの本。

「ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方」を紐解きたいと思います。

このブログを最後まで見れば、1日1万歩にはあまり意味がなく、本当に効果的なウォーキングのやり方とその裏に隠された超興味深い秘密がわかる。ブログの後半では、老若男女に関わらず運動後に行うと効果的に体力を向上できる「ある」ことについてエビデンスベースでお話します。

ウォーキングに限らず効果的なトレーニングを模索している方なら是非、最後までご覧ください。きっとヒントになるはずです。

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一日一万歩は意味ない!?ウォーキングの科学10歳若返る本当に効果的な歩き方

みなさんも一度は聞いたことがあるこの言葉。

一日一万歩、歩こう!

はたしてこれは本当に効果があるのでしょうか?

ここに一日一万歩歩いたグループと早歩きを取り入れたグループでの比較実験の結果があります。その結果はこうです。

(前後のグループが逆転していますが)早歩きを行ったグループでは、

ふとももの前の筋力13%↑
ふとももの後ろの筋力17%↑
最大酸素消費量が10%↑
これは、体力年齢で10歳若返ったことと同義です。

一方、1日1万歩歩いたグループでは、ほとんど体力は向上しませんでした。

また、早歩きを行ったグループでは、

収縮期血圧10mmHg↓
拡張期血圧5mmHg↓

この拡張期血圧の5mmHgの低下。これは今後5年間に心筋梗塞、脳出血など、循環器系疾患の発症を40%低下させるといわれているくらいの数値です。

一方、1日1万歩歩いたグループでは、顕著な血圧の低下は認められませんでした。

このような研究を含め10年余りで7000人以上の中高年者を対象に実験を行ってきたのが能勢博士なのです。

能勢博士が提案している早歩きを5ヶ月間行うと体力が最大20%向上、10歳以上若返った体力が得られ、生活習慣病が20%改善、うつや関節痛の症状も50%以上良くなる。さらにはがんの予防などを含めその効能は多岐にわたり、結果的に医療費を20%削減できることをエビデンスベースで実証しました。

では、そんな早歩きとは一体どんな歩き方なのか?

その名もインターバル速歩

が、安心してください。実際はこんないかつめの名前とは裏腹な運動です。

このインターバル速歩とは、本人がややきついと感じる早歩きと、ゆっくり歩きを3分間ずつ交互に繰り返すというウォーキング方法。それを1日5セット、週4日以上繰り返すというもの。

こう聞くと、かなり多くの時間を運動に割かなければいけないと思いがちですが、実際は1日に合計15分の早歩きでOK。

たったの15分。

ゆっくりのウォーキング15分を含めると30分程度で終了します。

しかも、連続して行う必要もなく、たとえば、朝10分、昼10分、夜10分とバラバラに実施してもよいとのこと。通勤や買い物などで取り入れることもできる手軽さがこのインターバル速歩の売りのひとつです。

1日に合計15分の早歩きと15分のゆっくりウォーキング、週換算でぞれぞれ合計1時間以上。これを5カ月間繰り返すと、先程上げた恩恵が得られるのです。

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本当に効果的なウォーキング方法「インターバル速歩」

では、このインターバル速歩で最も重要となるキーワード。

それが「歩くスピード」です。

具体的には息が弾み、10分間歩いていると少し汗ばむくらい 軽い会話ができるスピードとのこと。

狙う運動のしんどさ、つまり運動強度は個人の最大体力の70%以上。言い換えると最大酸素摂取量の70%以上。ちなみにゆっくりウォーキングは最大酸素摂取量の40%以下が目安です。

と聞くと、

軽く会話ができるレベルで70%以上の運動強度を再現できるのか?

と疑問を持たれるかもしれませんが、これはあくまで中高年の主に運動から遠ざかっている人を対象とした話です。よって、能勢博士はこうアドバイスをくれます。

早歩きでそのレベルに達しない方はジョギングやトレイルランニングでもよい

だからこそズバリ、こうも言っています。

要するに、個人の最高酸素消費量の70%以上の運動を週に60分以上実施すればよいのだ。したがって、テニスでも、バスケットボールなどの競技スポーツでもよい。運動の形態にはこだわらない。

これがインターバル速歩の根っことなる部分です。

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インターバル速歩のより技術的なテクニック【ウォーキングのノウハウ4つ】

①視線は25m程度前方に向ける
②背筋を伸ばした姿勢を保つ
③足の踏み出しはできるだけ「大股」になるように行い「踵から着地」する
④「腕を直角に曲げ前後に大きく振る」大股になりやすいから
※p98~になぜ上記が良いのかがその理由と共に載っています※

気になる方はサクッと本書に目を通してみてください。

能勢博士は大学の講義中に良くこう言うそうです。

勉強にしろ何にしろ、疲れたと思ったら迷わず休みなさい。そのうち、またやろうという気持ちになりますから。

これこそがインターバル速歩のキモ。

つまり、早歩きという「ややきつい運動」の後にゆっくり歩きをはさむだけで、ヒトは「自発的」に本来ならやらないきつい運動をする(できる)ようになる、というもの。

だからこそ、「インターバル」という緩急の付け方がウォーキングには必要。これが人間行動学上で能勢博士たちが見つけた極意です。

インターバル速歩で持久力・体力が向上するのか?効果的なウォーキングの理由

では、インターバル速歩などのややきつい運動でなぜ持久力が向上するのか?、つまりなぜ体力が向上するのか?運動生理学を使った超面白い切り口をひとつご紹介します。

みんさんはこう聞くとどう思うでしょうか?

血液量が増えることで体力が向上する

驚くことに、体にある血液の量自体が増えることでパフォーマンスが上がるのです。

なぜそんな摩訶不思議なことが起こるのか?

ハイパフォーマンスを引き出すには、体力の指標となる最大酸素摂取量を増やす必要があります。

全血液量の70%が静脈血管内の特に下半身に貯蔵されているので、運動するとふくらはぎなどの筋肉によって血液が重力に逆らって心臓にもどってきます。この量が多ければ多いほど、身体の隅々まで効率よく酸素を届けられ、パフォーマンスの向上につながります。

つまりたくさんの血液が身体の中を循環している方が、多くの酸素を運べるということです。

これが最大酸素摂取量の増加に繋がります。

誤解を恐れずにざっくりと言えば、容器が大きければたくさんの酸素を収納でき、容器が小さければあまり酸素を収納できないようなイメージです。その容器こそが血液量です。あくまでかなり乱暴な説明ですので、その点はご了承ください。

もちろん細胞での酸素利用速度なども関係していますが、単純に血液量が多くなればそれに伴ってパフォーマンスも上がるのです。ちなみに血液ドーピングと呼ばれる大会前に自分の血液を身体に戻すドーピング方法は赤血球の増加だけでなく、血液量自体の増加の影響もあると僕は考えています。これは意外と盲点のような気がします。以下に面白仮説を提案してみます※あくまでサクッと考えたエンタメ的な仮説です※

【血漿ドーピング仮説①】

①点滴で血漿量だけを増やす
②運動負荷をかける(暑い状況である程度高強度の運動が良い?)
③「ヘマトクリット値のバランスが崩れている+運動の刺激が入る」ことにより、身体が危機感を覚え、脾臓等が何かしら緩衝能?補完能?を発揮
④血漿量の多さも相まって、パフォーマンスがアップするかも?(おそらくしない笑)

※コメント※
これは仮説ではなく妄想的な考え(希望的観測)です。よって、以下が本当の仮説です。

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【血漿ドーピング仮説(ウォーターローディング仮説)②】

①暑い状況で高強度の有酸素運動を行い、乳製品を摂取して、体温調節能を最大限高める
②水分の経口摂取とプラスして(もしくは経口摂取せずに)点滴等で血漿量だけを増やす
③酷暑でのレースやトレーニングのパフォーマンスアップ?

※コメント※
能勢博士らの上記論文では「この反応(体温調節反応)を促進させるためには暑熱馴化(例:持久性トレーニング)による血液量増加が有効である」とあるので、トレーニングとプラスして物理的に血液量(血漿量)を増やせば良いのではないか?という力技のアイデア。

2021年の東京オリンピックなどの酷暑の場合は有効?というか、もし何かしらのドーピング効果があるのなら規制すべき?知らんけど。

専門家も知らない「ランニングと発汗」についてはこちらで深ぼっています

【おすすめ有酸素運動はこれ!】なぜ人間はランニング・ジョギングが得意なのか?

 

血液ドーピングでは生理食塩水をつかって、血液成分を調整し、約1000ml前後を輸血する方法がとられているとのこと。点滴でこのレベルの血漿量を増やしても副作用がないらしいので、安全のよう。どこかに血液ドーピングの端緒を切った論文(その論文の影響でみんなが血液ドーピングしまくった)があるみたいなので、気になる方は「PubMed」「Google Scholar」等で調べてみてください!

当たり前ですが、ドーピングは絶対ダメ!

※あくまでエンタメ的な仮説です(ツッコミなしでお願いします!)※

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「世界一走りたくなるワンステップ科学から紐解くランニング」

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「介護や病気など様々な理由で在宅でか仕事が出来ない協力者様」のためにこの本を出版します。歩合制なので、面白いと思えば実際に書籍を買って頂ければ幸いです。

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そして面白いことに、実際に持久系トレーニングを行うと血液量が増えます。これは実験から確認されている事実です。このような実験や研究から体力、最大酸素摂取量が向上するのは、実は血液量自体が増えたことも影響していたりするようなのです。

このトレーニングによる血液量の増加。それが体温調節にも関わってきており、先程の論文【運動トレーニングによる暑熱馴化メカニズム:能動性皮膚血管拡張神経の役割】にもある能動性皮膚血管”拡張”神経などの超精密なメカニズムと相まって、結果、熱中症予防、暑さ耐性をつける重要なカギとなります。

これを詳しく説明すると超マニアックかつ長尺になりそうなので泣く泣く割愛します。

能勢博士も本書の中で

なんと賢いシステムだろうか!

と声を上げる能動性皮膚血管”拡張”神経を詳しく知りたい方は是非、ウォーキングの科学を是非、お読みください。

人体の面白さを垣間見れます。

ちなみに暑さに慣れる方法「暑熱順化」に関する生理学なので、アスリートや専門家は知っていて損はない話です。というかこのレベルの知識をもって暑熱順化を語っていれば本物の専門家を自称しても良いのではないかと思うそんな知識です。

ややきつい持久系トレーニングによって、血液量自体が増えて最大酸素摂取量が向上する。

この最大酸素摂取量、この本では「最高酸素消費量」これが次のキーワードです。

実は酸素を使ってエネルギーを生み出すミトコンドリアの機能劣化によって生み出される活性酸素がうつ病や生活習慣病の根本原因のひとつであると考えられています。

よってこのミトコンドリアに直接働きかけるのが、インターバル速歩のようなややきつい運動。

これらの運動によってもたらさせる最大酸素摂取量の改善・向上こそがミトコンドリアの機能改善・向上と同じ意味になるのです。

つまり、インターバル速歩という運動によって根本原因となるミトコンドリアに直接働きかることが出来るため、結果、生活習慣病を20%改善できたり、うつ病を改善できたりする。もちろん最大酸素摂取量が向上することでその指標となる体力も向上します。

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このようなロジックがエビデンスベースで組み込まれているのがインターバル速歩なのです。

インターバル速歩(ややきついウォーキング・早歩き)やトレーニング後に行うおすすめ方法

では、お待たせしました。老若男女に関わらず運動後に行うと効果的に体力を向上させる「ある」ことについて解説します。

そのあることとは、ズバリ、「牛乳を飲む」ことです。トレーニング後30分以内に

こう聞くと、思い浮かぶのはプロテインの摂取です。

が、しかし、これとは別物です。

もちろんプロテインのように筋肉にも良い影響を与えますが、それとは別に、なんと筋肉内のミトコンドリアが活性化し、活性酸素などを抑えるというのです。さらに驚くべきことに先程説明した体力の向上に関わる血液量の増加にも繋がる

これらが実際の能勢博士の研究によって明らかにされたのです。

また、ややきつめの運動、最大酸素摂取量の60%の負荷強度で自転車運動を1日60分、週3日、二ヵ月間行った結果、トレーニング後に乳製品を摂取した場合は頸動脈が柔らかくなることも明らかになりました。これはつまり動脈硬化の予防に繋がると考えられています。

以上を踏まえ、是非、トレーニング後30分以内にコップ1~2杯分の牛乳もしくは乳製品(乳タンパク質12g~23g)を摂取しましょう

すると、ミトコンドリアを活性化でき、さらに血液量がアップし、結果的に最大酸素摂取量、体力が向上する。しかも、これだけではありません。乳製品の摂取により、体温上昇に対する皮膚血流量増加、発汗反応も向上し、暑さにも強くなれます。しかもこの効果は大学の運動部の学生を対象にして、なんと「3倍ほど改善した」と報告されています。

また驚くことに、インターバル速歩とその後の乳製品の摂取。これを5カ月間行うと、がんを引き起こす遺伝子を不活性化させる。

つまり、がんの予防に繋がる可能性も能勢博士は示唆しています。

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まとめ

まとめると、インターバル速歩と呼ばれる最大酸素摂取量の70%以上の運動を週に合計1時間以上実施し、トレーニング後30分以内に乳製品や牛乳を摂取すると、10歳若返って健康になり、アスリートならばややハードな運動と乳製品により血液量が増加し、結果、最大酸素摂取量の向上や体温調節機能自体が改善し、過酷な状況でもハイパフォーマンスが発揮できる。

この本の中には、これらのネットやSNSには落ちていない本物の知識がつめこまれています。

今回はあくまで自分の言葉で簡単にかみ砕き、まとめただけなので、少しでも気になった方は是非、本書をお取り下さい。

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