みなさんどうも、こんにちは!
僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。
よく耳にする科学的という謳い文句。
科学と名の付くものはやはり専門家。しっかりと大学院を卒業し、現役で研究者として活躍している人の話こそが正義。
ということで、本日はそんな「科学的」という言葉がついた一冊の本。
その名も50歳からの科学的「筋肉トレーニング」若いときとは違う体をどう鍛えるかから、50歳以下の人でもはたまた初心者の人でも参考になるトレーニングの極意を紐解いていきたいと思います。
このブログを最後まで見ると、何歳からでもより健康になれ、さらに年齢を重ねても最高のパフォーマンスを引き出せるそのノウハウがわかる。
知っていて損はない筋肉トレーニングの世界を是非、最後まで堪能ください。
目次
50歳からの筋肉トレーニングの著者は現役のテストステロン筋トレ研究者
まずはじめに僕がなぜこの本を手に取ったかというと、著者の経歴がなかなか面白かったからです。
この本の著者、フィンク・ジュリウスさんはドイツ人。にも関わらず、日本の大学で博士号を取得し、現在はアメリカの大学で筋トレやテストステロン補充療法などを研究している現役の研究者なのです。
【テストステロン】筋トレを含めすべてのトレーニングで焦点を当てるもの
それはアナボリック・ホルモンです。アナボリックとはタンパク質合成優位という意味で、筋肉をつくるホルモンをアナボリック・ホルモンと呼びます。
このアナボリック・ホルモンのひとつがみなさんも耳にしたことがあるかもしれないこのホルモン。
テストステロンです。
特に40代以降になると、このテストステロンが減少してきます。学生の頃から運動部に所属し、以来、ずっと運動をしているにもかかわらず以前ほどの効果を得られなくなり、太りやすくなったと感じている人の原因のひとつが実はこのテストステロンの減少だったりします。
またハードなトレーニングを続けてきたベテランの選手が停滞期に陥っている場合も実は加齢によるテストステロンの低下がその原因かもしれません。
この状態でハードなトレーニングを続けてもさほど効果は期待できない
とジュリウス博士は指摘します。
よって、中高年になれば一般的、いわゆる若者向けトレーニングとは別のテストステロンの低下を考慮したトレーニングを行う必要があります。
具体的なトレーニング方法は後ほどお伝えするとして、そもそもなぜテストステロンという視点がトレーニングに必須なのでしょうか?
筋肉を作るという最も重要なもの以外に、テストステロンは筋細胞の崩壊(専門用語でアポトーシス)を予防していると考えられているからです。つまり関連する筋萎縮の予防につながる。
また、テストステロンは毛細血管にも影響を与え、筋肉の血管を増加させることも最近の研究から示唆されたりもしています。
加えて、このテストステロンは代謝に大きな影響を与えています。多くの研究において、テストステロンと糖代謝の関係が検証され、それらの研究では、テストステロンの値が低いと糖代謝が悪いと示唆されています。
これはつまりテストステロンは筋肉において、インスリンのような効果をもたらすようなのです。すべてのスポーツに糖質が欠かせませんが、ここにもテストステロンが関係しているのです。
まだあります。テストストロンには直接的に体脂肪を減らす働きもあるのです。
面白いことに、皮下脂肪と比較して内臓脂肪はテストステロンと結合する受容体の密度が高いため、テストステロンは皮下脂肪より腹部の内臓脂肪をより減少させます。
つまり、皮下脂肪や内臓脂肪に関連する体型の維持やトレーニングで痩せるメカニズムの裏にはこのテストステロンの影響も関係しているようなのです。
筋トレに関わるテストステロンの5つの作用
以上、ざっくりまとめるとテストステロンは大きく5つの作用に関係しており、
②筋肉の崩壊や萎縮の予防
③毛細血管の増加
④筋肉においての糖質の代謝促進
⑤体脂肪の減少
これら5つの作用が上手く働かなくなる、つまりパフォーマンスが落ちたり、太りやすくなる原因のひとつが年齢とともに減少していくテストステロンにある。
だからこそ、意図したトレーニングの中にこのテストステロンのようなアナボリック・ホルモンに特化したトレーニングを組み込むことでより健康になったり、パフォーマンスアップが図れたりするのです。
テストステロンを増やすトレーニングのやり方
いくつかの研究によって、ひとつの結論が導き出されています。
それがこんなトレーニング方法です。
これです。
この中ぐらいの負荷で短い休憩時間、尚且つ負荷の総量が多いトレーニングが最も血中のテストステロンを増やせるトレーニングであることが判明したのです。
ちなみにこれはどのようなトレーニング方法、どのような筋トレにも言え、大腿四頭筋やハムストリングスなど大きな筋肉群を対象とした研究からわかった事実です。
よって、本場の多くのボディビルダーが実はそのようなトレーニング方法を用いているとのこと。よく想像するかなり重いウエイトを数回あげて限界にくるようなトレーニング方法ではなく、短い休息時間と中程度の負荷を組み合わせることがテストステロンを最大限分泌させ、筋トレの効果を最高に引き出す。
これが科学的筋肉トレーニングの真骨頂。
【レストフェーズのやり方】おすすめの科学的筋トレ方法
では、より具体的に見ていきます。
この本では著者であるジュリウス博士が実際に自分で効果があった方法を紹介してくれています。
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ちなみに、このトレーニング方法を使って、体脂肪率20%で体重が105kgから、体脂肪率10%で体重が110kg、さらに高重量の筋トレをしていたときは怪我をしたり、階段を上がるだけでも息切れをしていたのが、このテストステロンに焦点を当てたトレーニングを行うことにより軽々と走ることもできるようになり、心身共にかなり良い状態になったとのこと。
そんなジュリウス博士を激変させたトレーニングがこれです。
このレスト・フェーズとは、基本的に中強度の重さを選び、その重さで12回ほどウエイトを持ち上げ、12回動かすとそのままウエイトをおろさずに5秒程度休み、再度12回持ち上げます。これを限界まで繰り返すというトレーニング方法。
このやり方は生化学的ストレスに焦点を当てたトレーニング
トレーニング効果を最大化するための刺激の入れ方は主に二つあります。
②生化学的ストレスを活用したトレーニング
この生化学的アプローチは血液、乳酸、その他様々な代謝物質が目的の部位に蓄積され、アナボリック(タンパク質合成優位)ホルモンがより分泌されることで、筋肥大やパフォーマンスの向上に繋がるという考え方です。よって、中程度のウエイト・負荷を使い、セット間の休息時間を短くする。
これが基本的なトレーニング方針です。
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そしてこの生化学的な筋トレ方法の最大のメリットが怪我のリスクが少ないです。また、同時に
血圧の面においても健康的で、代謝機能も上がるので、中高年には適している
とジュリウス博士は指摘します。
この生化学的ストレスを活用したレスト・フェーズでは1種目が約2~3分で終わるので、各部位につき3種目行うとしても20~30分でトレーニングが終了します。コツとしては短く集中して行うこと。
よって時短トレーニングの側面もあることから
絶対に45分以上は行わないでください
とも言っています。
さらに
限界までレップ数を行うため、動作のフォームが崩れることもあるので、なるべくマシーンで行いましょう
ともアドバイスをくれます。
上級者向けトレーニング:レスト・フェーズ(rest phase)のやり方~補足~
基本的に中強度の重さを選び、その重さで12レップ程度を行ってから、ウエイトをおろさずに5秒くらい待ち、再度限界までのレップ数を行う。
さらにウエイトを持ったまま5秒休んでから、もう1セットを限界まで行うという繰り返し。
このやり方は生化学的ストレスを最大化でき、アナボリック(タンパク質合成優位)効果を最大限味わえる。
ウサインボルトはなぜ速く走れるのか?ランニングと筋肉のひみつ
上級者向けの筋トレ(レストフェーズ)~注意点~
・絶対に45分以上は行わない
・動作のフォームが崩れることもあるので、なるべくマシーンで行う
このやり方でフィンク博士は
アナボリック効果(タンパク質合成優位効果)を最大限引き出せる
と指摘しています。
このような高重量を取り扱わないどちらかと言うと持久力に特化した筋トレを計画的に行うことで、テストステロンを効果的に分泌でき、その他競技のトレーニング効果を倍増できる可能性もあります。
中高年の方におすすめの筋トレのやり方~テストステロンを分泌させる~
中高年の方へのアドバイスとしては、もし筋トレに特化するとしたら70%くらいで持ち上がるウエイトを12回くらいで限界がくるような負荷に設定して、休憩を短くだいたい30秒程度。
これをできればマシーンを使って全身まんべんなく週に5回、できるだけ頻繁に行うのがベストとのこと。高重量は扱わず、負荷・ウエイトは小さくして回数を増やし、休憩を短くしてください。
あくまで乳酸などの生化学的な変化に焦点を当てているため、重さやきつさにこだわるというより、体に耳をすまして筋肉がパンパンに張ってきたらそれで終了すれば良いと思います。
筋トレの原則
・「筋肥大の最大化」は6~12回のレップ数
・「遅筋・持久力の最大化」は12~20回のレップ数
レップ数とは?
レップ数とは、限界までこなせる回数のこと。レップ数が5回なら5回で限界がくる重さ、6回目が持ち上がらない負荷のこと。ただし、中高年は70%くらいの感じでトレーニングすること。
レップ数が少ないトレーニング(高負荷トレーニング)だとケガに繋がる可能性があるため、中高年ではテストステロンも考慮して10~12レップが最適。
※たまに12~15レップのトレーニングや筋力をあげたい人は6~8レップのトレーニングも適宜、追加OK。ただし、やりすぎ注意!※
生化学的反応(テストステロン)を最大限引き出す筋トレ方法
12レップを基本として、30秒くらいの休息時間が最適。ただし6~8レップでトレーニングを行う場合は、30~60秒くらいを目安に。
【足が速くなる呼吸トレーニングの具体的なやり方】トップアスリートが実践 人生が変わる最高の呼吸法
中高年トレーニーの筋トレの優先順位は一番低い
さて、この本ではとても興味深いことが書かれています。
それが、トレーニングの優先順位です。なんとトレーニングこそが一番優先順位が低いのです。
この本での金言はこれです。
中高年では「トレーニングよりも、睡眠と食事が大切」なので、時間がどうしても足りない場合はトレーニングを休みましょう
睡眠と食事が最も大切であり、それらをおろそかにするくらいなら、トレーニングを休めという素晴らしいアドバイス。
このアドバイスに少しだけ踏み込むとすると、睡眠は8~9時間がベストとのこと。これも研究ベースで睡眠と糖代謝、睡眠とテストステロンなどのアナボリックホルモン(タンパク質合成優位ホルモン)の関係からこの長さがおすすめされています。
そして食事。
重要なのは回数です。できれば1日に5回 2~3時間ごとの食事がベスト。そしてこの5回の食事のうち1回あたりタンパク質30gがカギとのこと。
それは代謝機能を最大限ベストな状態に保つことができるからです。結果、変に脂肪がつくことがなく健康でいられる可能性が高まります。
1日に5回の食事と1回で30gのタンパク質摂取
これが筋肉や健康にとってベスト。
また、テストステロンなどのホルモンの材料となるのが、コレステロール。よって、適量のコレステロールは必須なので、脂肪も恐れずに摂りましょう。中高年男性の場合は摂取カロリーの30~40%を脂肪から摂るよう推奨されています。
さらに野菜とフルーツも健康な代謝にはとても重要です。個人的には室伏広治さんがおすすめしているこちらのトマトレシピが最適だと思います。
一度、試してみてください。
【超簡単にできる】室伏広治式おすすめ最強レシピ【夏バテ克服料理】
【現役の研究者が忠告】プロテインは飲むな!
では最後にとても有名なトレーニングのあの常識に忖度なく切り込みたいと思います。
それがプロテインです。
みなさんもトレーニング後に粉プロテインをシェイカーに入れて飲んでいる人を見かけたことがあると思います。
ジュリウス博士はこう指摘します。
粉プロテインは非常に悪い選択肢です
さらにこうも続けます。
膨大な広告で粉プロテインが筋肉にいいと訴えていますが、ただのマーケティングです
なぜ市販のプロテインは飲んではダメなのか?
その理由は代謝率の悪さと副作用にあります。
一般に市販されているホエイプロテインは50g飲んでも、タンパク質はわずか15gしか摂取できない可能性があり、かなりの量が消化されず体外に排泄されてしまう。
と彼は指摘します。
さらに粉プロテインは膨満感と消化不良を引き起こすことでも有名とのこと。
また化学物質も入っているので、それも体に良くありません。
以上から粉プロテインは非常に悪い選択肢であると結論づけています。
粉プロテインはズバリ、商売です。なぜならこのような粉末のプロテインはチーズを作る過程で出る廃棄物。つまり生産コストがほとんどかからない。これで儲けようとするのは、ある意味正解です。
体に良いか悪いか?筋肉に良いか悪いか?ではなく、マーケティングによる商売というのが粉プロテインの実態のようです。
だからこそ、
ちゃんとバランスの取れた食事を小分けに摂る以上の方法はありません
と至極まっとうなアドバイスを筋肉のスペシャリストであるジュリウス博士はしています。
是非、一度良質な食事や睡眠をベースに、テストステロンなどの筋肉をつくるホルモンに焦点を当てたトレーニングを組み込んでみましょう。
今回はあくまで簡単にかみ砕き、まとめただけなので、少しでも気になった方は是非、本書をお取り下さい。より詳しいトレーニングのやり方や具体的なメニューは表や図とともに本書に載っており、日常生活に落とし込めるようになっています。
図表でトレーニング方法やトレーニングメニューが初心者・中級者・上級者別でわかりやすく解説されていますが、基本的にジムで行うトレーニングがあり、その点がハードルです。
しかし、考え方さえ理解できれば自重だけでも応用可能だと思います。
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