元帰宅部ランナー

元帰宅部。
現トライアスロン日本代表(エイジ:アマチュア部門)

【記録】
はじめてのマラソン「10km1時間15分11秒」→奈良マラソン「10km36:15」
はじめてのトライアスロン「3時間36分13秒」→びわ湖トライアスロンin近江八幡「2時間13分05秒」
アイアンマン(スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195km合計226km)完走

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【おすすめランニングソックスはこれだ!】アスリートのための解剖学

書籍紹介
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みなさんどうも、こんにちは!

僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。

身体の弱点、動作の弱点。それを補うために筋トレや補強運動、ストレッチを行う。しかし、最も根本のところ。

弱点を克服するには、弱点を正確に把握しないといけません。

今回はそんな弱点を正確に把握できる本。

その名も「アスリートのための解剖学 トレーニングの効果を最大化する身体の科学」を解説していきたいと思います。

この本の著者は大山 圭吾さん。

筑波大学で機能解剖学を研究している現役の研究者、准教授であり、筑波大学陸上部コーチ、日本陸連医事委員会トレーナーなどを歴任しているプロフェッショナルです。そんな専門家の機能解剖学という視点。

このブログをさいごまで見れば、専門家の視点に立った「あっ」と驚くような身体の合理的な動かし方や弱点、ケガのおどろくべきメカニズムがわかる。是非、最後までご覧ください。

足部の解剖学

足部で起きる大きな問題。ひいてはアキレス腱へのダメージや足底筋膜炎などの原因にも繋がりうる足部のアンバランスさ。

簡単にいえば、そう、足のアーチの低下です。

よく聞く、バネのある走り。このバネというもののひとつに足部のアーチが関係する足底腱膜というものがあります。

ここに炎症が起こって、痛みにつながりランニングが出来ない人も多くいる箇所。それが足底腱膜。そして、それを支える骨組みである3つの骨のアーチ

足の指を天井に向かって伸ばしてみてください。

その時に起こるのが、ウィンドラス機構と呼ばれ、日本語では巻き上げ機構と呼ばれる合理的な働きです。

この足の指を天井へ伸ばす、専門用語で「足指を伸展」させる動作でさきほどの足底腱膜が引っ張られ、結果、足のアーチが持ち上がります。

そうこの動作。歩行やランニングでの地面から足を蹴り出すときの最終局面。足の指が地面から離れるときにまったく同じこと起こります。

簡単に言うと、

足の指を反らすことによって足底筋膜が巻き上げられ、足部の縦アーチが高くなり、それがバネとなって推進力に活かされるという構造です。

いまいちピンとこない人は図をご覧ください。

このように二足歩行をする人類にとってとても合理的に体は作られています。

だからこそ、この足のアーチが低下すると、足を蹴り出しても推進力を得られずに、筋肉を酷使してしまったり、どこかに負担がかかりケガの原因となることは想像出来ると思います。さらにこの足のアーチはクッションのような役割もあり、走るという行為においては特に重要となってくるのです。

よくランニングの専門家が足のアーチを指摘する由縁がここにあります。

そしておもしろいのがここからです。

まず重要な事実は、アーチが低下する、いわば土踏まずが潰れる現象、著者の表現を借りれば、

距骨頭がアーチの支えからはみ出してこぼれ落ちてしまいそうになっている

状態は、構造的に仕方のない現象だということです。

いったいどういうことなのか?

それがスプリング靭帯(底側踵舟靭帯)です。

なんと足のアーチを内側から支える構造はスプリング靭帯と呼ばれる靭帯、ひとつしかないという致命的な構造を足部は持っているのです。

基本的にアーチの低下が問題となるのは、内側の問題です。この図でも示しているとおり、土踏まずが潰れてくるぶしが内側に倒れてしまっている状態。アーチがなくなり平坦化しています。

悲しいかな、先ほども指摘した通り、これは構造的な問題であり、内側アーチの支えはスプリング靭帯のみで、骨による支持がないのです。

よって著者は、

内側縦アーチの問題は構造的に起こるべくして起こっているのだなと感じます

と言っています。

ちなみにいとも簡単に足のアーチが平坦化してしまうにもちゃんと意味があり、

アーチが平坦化することで着地面積が増え、素早いブレーキや方向変換、側方への推進を効率よく行うことができる

と著者は考察しています。

ということから言っても、ひとたび足部にねじれの負荷が加わると、意外なほどアーチの低下は簡単に起ることが理解できると思います。だからこそ接地の際に足がすこしでも捻れてしまうと一気にアーチが潰れ、ウインドラス機構なども効果的使用出来ずに、スピードが落ち、尚且つケガに繋がるという悪循環が発生します。

では、そんな構造上「やわな」言い換えればしなやかな足部のアーチ。

ランニングのときはいったいどうすれば効果的に使えるのでしょうか?

【おすすめランニングソックスはこれだ!】足のアーチを低下させない方法

筆者によると、つま先、小指側へのひねりのコントロールが重要とのこと。

と言われても、かなり難しいと思うので、より簡単な方法をご紹介します。

それがテーピングです。

原理は簡単。スプリング靭帯は土踏まずが潰れないように固定している唯一の機構です。だったらその機構を補強すれば良いのです。

つまり、スプリング靭帯に沿ったテーピングを行うことで、足のアーチを強化できるのです。

これが実際のテーピングです。このように合理的に考えていくのが機能解剖学の真骨頂。

実は足のアーチのサポートを謳う機能的ソックス(特許あり)というのはこのような観点から作られていたりします。

こう考えると合理的だと思いませんか?

ケガを防ぐという観点からも、練習にこそ、これらのソックスを投入すべきだと個人的には考えています。

これだけで少しでもケガのリスクを減らせるのなら、やって損はないはずです。僕が実際に使用しているおすすめのソックスはこれです。※特許あり※

このアーチが下がる原因、くるぶしが内側に倒れ、足部がこぼれる現象。これを専門用語で足部の回内、ややこしいですが同じ意味として、足部の外がえしとも呼びます。

この回内・外がえしによる大きな問題のひとつが、アキレス腱周囲の問題です。

なんと一見関係なさそうなアキレス腱までその影響は波及していると数々の報告があるのです。

ではなぜ足部の回内によりアキレス腱が痛むのか?

それがこの筋、後脛骨筋の過剰な収縮による場合です。著者はアキレス腱に痛みを持つアスリートで、「この後脛骨筋を軽く押すだけでも顔をしかめるような状態であった」と実際の症例を出して説明しています。

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着地時に足がねじれる。

この原因のひとつが後脛骨筋を含む足底の筋肉のアンバランスです。

実際に足裏の筋肉の配置を見てみましょう。

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内くるぶしから足裏に至る後脛骨筋、その反対の外くるぶしから足裏に至る長腓骨筋。このふたつが足裏で重なるように配置されています。

機能解剖学的にはこのふたつの筋肉、後脛骨筋と長腓骨筋によって足部がねじれずバランス良く吊り下げられているイメージが理想的な足部となるのです。

このバランスが崩れると、先ほど見たように後脛骨筋がカチカチになり、その影響で足部が回内、いわゆるこぼれかけた状態、つまり土踏まずが潰れ、結果的にアキレス腱の痛みにまで繋がる

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また、ランナーでは足の使い過ぎ、つまり練習量の多さによって後脛骨筋自体に炎症が起こる後脛骨筋腱炎の発症リスクもあり、足のアーチが低下するだけで、いろいろと不都合が連鎖反応のように繋がることがお判りいただけたと思います。

足部のアーチを低下させないためには、先ほども紹介したアーチをサポートする靴下を履いて練習することや足部のマッサージによって筋の緊張を和らげてバランスを整える、または専門家に見てもらいどちらの筋肉がどうバランスが悪いのか教えてもらい、それに適したトレーニングを実施する。以上のアプローチが適切かと思われます。

どうでしょうか?これが機能解剖学的な捉え方です。かなり奥深く合理的でおもしろくないでしょうか?

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さて、次も面白いトピック。ピッチ走法を機能解剖学的に深ぼっていきます。

ピッチ走法の解剖学

ランニングではピッチ走法という足の回転を速める走法が存在します。このピッチ走法、どちらかというと女性のランナーに多い走り方ですが、とくに女性の長距離ランナーがなりやすいケガ、その代表的なもので恥骨周囲の疲労骨折が挙げられます。

これがとても興味深い。機能解剖学的な視点に立つと、この恥骨から出ている筋肉、そこにこの謎を解くカギが存在しています。

それが長内転筋です。

内転筋という筋肉。読んで字のごとく、足を内側に引きつける筋肉ですが、それだけでなく、足を前方に振りだしたり、足の捻りなどにも関係するランニングにおいて重要な筋肉群のひとつです。

実際にMRIを用いた実験によってわかった事実。それは、

低速のランニングで疲労困憊に至ったとき、平地のランニングと上り坂のランニングのどちらにおいても、大腿の筋群のうち最も活発に動員されていたのは内転筋群であった

という報告です。

この研究を受けて著者は「どうやらランニングでは内転筋群の動員が積極的に行われている」と指摘しています。

また、疾走とハードリング動作にて長内転筋の筋活動に絞った研究では、疾走においては、「長内転筋が脚の後方への流れを止めて屈曲への移行を可能にすることで、より高いピッチの獲得が可能となっていた」と考察されています。

ざっくりと言えば、

長内転筋が脚の動きをきちんとコントロールしてくれることで高回転で脚を回すことが出来る

ということです。

このように内転筋はランニングにとって重要であり、なおかつ高回転のピッチ走法でその真価が発揮される可能性が高いのです。

だからこそ先ほどの長距離の女性ランナーの受傷部位。男性では珍しい恥骨周囲の疲労骨折。その理由のひとつとして考えられるのは、長時間にわたって高回転で動かし続けるピッチ走法が要因として考えられのです。

これが機能解剖学という視点での切り口です。興味深いと思いませんか?

さて、次はランナーにとって欠かせない筋肉、腸腰筋とランニングには欠かせない働き、骨盤前傾について深ぼっていきます。

腸腰筋の解剖学

ヒレ肉

牛や豚において脂肪や腱の組織の少ない高級な部位。それがヒレとよばれる絶品の部位。

このヒレ肉こそ、ランニングで最も重要と言っても過言ではない筋肉。そう、それこそ、人間で言うところの腸腰筋のひとつである大腰筋のことです。

この腸腰筋、ここでは主に大腰筋を取り扱いますが、大腰筋の筋肉の始まり。

それがここ、背骨です。そして興味深いことに背骨の別々の箇所から始まっています

ひとつめの部位、背骨の横に突き出した突起部分、これを専門用語で横突起と言います。この横突起から始まる部位と背骨の本体部分、これを専門用語で椎体と言います。この椎体から始まる部位があるのです。

そしてここからが面白いですが、この2つの筋肉、共に大腰筋ですが、2つとも股関節には屈曲、つまり足を前に蹴り出す動きに関与していますが、背骨に関して言えば、反対の動きをするのです。

いったいどういうことなのか?
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なんと横突起の部分は腰椎の屈曲、背骨を強く曲げる(前弯の増加)に作用します。逆に椎体部は腰椎の伸展、背骨をまっすぐに伸ばす(前弯の減少)に作用します。

つまり、腰椎を前傾させる重要な筋肉は大腰筋の横突起の部位。腰椎を後傾させる重要な筋肉は同じく大腰筋の椎体、本体から出ている筋肉なのです。

だからこそ筆者は前後の動きではなく、横の動き、

側屈が大腰筋を鍛えるには重要な選択肢のひとつ

だと指摘しています。

そんな奥深い腸腰筋、もとい大腰筋。

これらの知識を複合的に使うことで、ランニングでの骨盤のコントロールをこのように説明出来ます。

たとえば、ランニング中の骨盤の過剰な前傾を緩和したいと考えたときの選択肢。

一例として、前傾に作用する筋群に着目し、

腸腰筋の緊張をストレッチングなどで取り除いてみよう

という発想は分かりやすい例です。

しかし、その一方で

腸腰筋の緊張が低下することで股関節屈曲のタイミングが遅れたり、跳ね返りが悪くなることは避けたい

とすれば、どのような解決策があるでしょうか?

今度は前傾を制限する、つまり骨盤の後傾に作用する筋群に着目し、

腹部を締めて腹直筋の緊張を高め骨盤を後傾方向に積極的にコントロールしてみよう

ハムストリングスを作用させるタイミングを速くしてみよう

などという発想が出てくるかもしれません。

これこそが専門家の頭の中にある機能解剖学的視点。

このような構造を見据えたロジックの組み立て方が機能解剖学の真骨頂です。

ハムストリングスの解剖学

そして、さいごにこれまた超興味深いケガのメカニズムを説明して終わります。

それがハムストリングスの肉離れです。

ランニングで出力を出す筋肉として重要なのが、体の後ろにある大きな筋肉。大臀筋とハムストリングスです。

このハムストリングス、略してハムストの肉離れ。特にスプリントなどの強い力が掛かる場面で起こるのがこの傷害の特徴です。

このハムストの肉離れ。これは一言で言えば「しゃーない」のです。

一体どういうことなのか?

それは、このハムストの肉離れの原因こそが、運動依存力だからです。英語で言えば、motion-dependent force。この力によってハムストがぶちっといくのです。

ではそんな聞き慣れない、

運動依存力、motion-dependent forceとは一体何ものなのか?

この図のようにたとえば足の骨、大腿骨を持って、振ると膝関節を中心としたトルク、力が発生します。そう、膝関節を介して勝手に脛の骨が振られる力、かなりざっくりとかみ砕くと遠心力によって、勝手に筋肉が引き伸ばされるときの力

それが運動依存力です。

スプリント、いわゆる全力ダッシュをするときに起こること。

足を振り出してから、地面を蹴るとき、ハムストは力を発揮し股関節を引き戻す、つまり伸展します。そのとき逆説的なことが起きます

それが先ほどの運動依存力です。

言葉で説明するよりこの図を見れば一目瞭然なのですが、この運動依存力によって膝関節を介して脛の骨がハムストの収縮方向と逆の方向に振られるのです。そして悲しいかな、ハムストはこの振られた脛の骨に付着しているため、すごい勢いで引き伸ばされます

この時のハムストの運動は膝を屈曲、つまり折りたたもうとしています。

しかし、どうでしょうか?

実際にはその反対のことが起きている、つまり膝が振りだされる(伸展している)のです。ハムストは収縮しながらすごい力で引き伸ばされるという逆説的な状況下におかれるわけです。

もう、本当にかわいそうです。ハムストリングス。

だからこそ、スプリントでハムストが強い力を出せば出すほど、脛の骨もえぐいスピードで振られ、その結果、自動的に引き伸ばされる、それにともないハムストにかかる力も強くなり、限界がくればぶちっとなるのです。

先ほどの言葉の真意。この運動依存力は意図的にコントロールできないため、「しゃーない」という言葉で表されるのです。

著者はこう言っています。

このようなコントロール上の混乱は、ハムストリングスの肉離れの大きな特徴であり原因であると考えます。

疾走速度が高まれば、関節力(いわゆる運動依存力)の影響はますます大きくなり、コントロールが難しい状況も頻繁に生じる可能性があります。

これがハムストの肉離れの興味深いメカニズムのひとつです。ちなみにこの現象は素早く下肢を操作する場面、つまり足を振りだして引きつけるフェーズ、専門用語で遊脚期で起こるハムストの肉離れです。

足が接地したときの「地面を蹴って推進しようとしている局面」でのハムストの肉離れの話ではないので、そこだけは留意してください。

どうだったでしょうか?とてもおもしろくはないでしょうか?これが機能解剖学です。

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さいごに

ひとつ注意があります。

この書籍は比較的専門性が高く、解剖学や運動学の基礎的な知識がないと読み進めることが難しいつくりとなっています。

わからない専門用語を自分で調べる気力のある人にはおすすめしますが、手軽に読もうとする初心者にはハードルが高い本となっています。

そんな本だからこそ、わかりやすく解説するにあたり、かなりざっくりと自分の言葉で補完しました。知識うんぬんではなく、あくまでロジックの建て方「このような視点があるのだな~」という機能解剖学のおもしろさを知っていただければ幸いです。

僕は、基本的に読み終わった本は図書館に寄贈しているのですが、この本は個人的には手元に置いておきたいと感じるくらい内容は興味深いでした。もし専門的な知識を増やそうとする方であれば是非、本書をおすすめします。

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