みなさんどうも、こんにちは!
僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。
走る以外のトレーニングでよく多くのランナーにおすすめされるのが、やはりこれ。
筋力トレーニング
言わずと知れた筋トレ。
なぜランナーにとって筋トレが推奨されているのか?
その最たる理由をあげると、おそらくこの二つ。
一つ目がランニングエコノミーの向上
もうひとつが今回取り上げるケガの予防、ケガのリスクを減らす
ということで、今回は老若男女問わず、ランナー以外でも知っていれば「超」お得なあるトレーニングについて深ぼっていきたいと思います。
そう聞いて、青山学院大学が取り入れているプランクなどの体幹を鍛えるトレーニングを想像される方が多いと思います。
15万部というベストセラーのランナーのためのトレーニング教則本。箱根駅伝の強豪校青山学院大学が行うトレーニングとストレッチの全貌はこちらを見ればわかります。55分のDVD付き!
が、しかし、今回はより大枠、それらもひっくるめたファンクショナルトレーニング、日本語で「機能的トレーニング」と呼ばれる考え方をざっくりとみなさんと共有したいと思います。
もちろん書籍や最新の研究ベースで。
この知識があればランニングだけでなく、全てのスポーツの基礎となるカラダの機能を効率的に引き出せる。はたまたトレーニングだけでなく老若男女全ての年齢の方にとって有益なカラダの動かし方、日常生活からリハビリまで「生活の質」の向上につながるヒントになる。
あくまで「こうしろ!」というようなトレーニングノウハウではなく、こういうアプローチ方法、選択肢もあるという解決策、問題解決の引き出しのひとつとして軽い気持ちで聞いていただければ幸いです。
そして、もしケガで悩んでいるランナーはその解決につながるひとつのヒントになるかもしれません。
また最後にはおそらく医者やトレーニングの専門家も知らないでろう面白い研究や知見もご紹介します。是非、最後の最後までご覧ください。
目次
【ランナー以外にもおすすめ】体幹トレーニングとバランス能力
早速、ひとつ面白い研究をご紹介します。それがこれ。
疲労を伴ったバランストレーニング:バランストレーニング適応のための疲れた状態での効果を調べるランダム化比較試験
この研究の序文こそこのようなもの。
バランストレーニングはスポーツにおけるケガを予防する有効な手段である
さらにこの研究のイントロでもこのように指摘されています。
バランストレーニングは最適な方法である、足首のケガのリスクを特に減らす方法として
このバランストレーニングこそ、大枠では冒頭のファンクショナルトレーニングと同じであると捉えてください。
また、その名も「良いトレーニング無駄なトレーニング科学が教える新常識」と題されたスポーツ科学を取り扱った書籍でもこのように指摘されています。
オーストラリア、ビクトリア大学の研究者コン・リスモリスは、調査対象の21件の研究はバランストレーニングのポジティブな効果を裏付けるものだと述べています。これらの研究は、バランストレーニングが、ジャンプや敏捷性などの他の「神経筋」のトレーニングと同様、サッカー、バスケットボール、バレーバールなどのスポーツでケガのリスクを減らせることを示しています。また、単純なバランスの訓練によって、年配者が転倒するリスクを減らせるという証拠も示されています。(良いトレーニング無駄なトレーニング科学が教える新常識p88)
このバランス能力についてはこのような面白い研究もあり、老若男女あわせて1280人を対象としてバランス能力を調査。その結果、男性のピークは30歳(20~29歳)、女性は40歳(30~39歳)と判明。
これ以降の年齢ではバランス能力は下がっていき、転倒リスクが高まるということです。実際の論文は以下に貼っておきます。
↓1280人を対象としてバランス能力調査研究↓
Age-related changes in balance performance
動画内では男性のピークが30歳、女性のピークが40歳と言いましたが、より厳密に言うと男性のピークは“the third decade”20~29歳のあいだ、女性のピークは“the fourth decade”30歳~39歳のあいだです。
また、MOVEこの自然な動きが脳と体に効く最新科学が明かす「人間本来の動き」の力ではその他の研究などから
わたしたちが驚くほど若い時期からバランス能力を失いはじめる(p149)
とも書かれています。
よって、中年期以降は、少なくとも体幹を強く保つように努力するほうが賢明であり、ランニングに関係なく人生レベルに必須のトレーニングがこのバランストレーニングかもしれません。
そんなバランス能力は姿勢制御能力、姿勢反射以外にも体幹の強さ・体幹の筋力も重要なファクターのひとつとなっています。
よりランナー目線で言えば、ハーバード大学でランニングを研究している専門家はこう指摘しています。
もう一つの懸念材料は筋力だ。私たちは、体を前に押し出すためにだけでなく、動作を制御し、組織を損傷させるストレスの負荷を軽減するためにも筋肉を使っている
そしてこう続けます。
スタミナが十分であっても、体幹の筋肉や足(部)と脚の筋肉を安定させる筋力の弱いランナーは、膝をはじめ、様々な部位の損傷リスクが高くなる
実際に一歩足を踏み出すたびに膝が内側に倒れて危険な状態になるのを防いでいる股関節の横にある筋肉、股関節外転筋は、「ウィーク・リンク(weak link)」足手まといになるもろい部分として悪名高いとのこと。
ハーバード大学でランニングを研究している専門家の話は以下の書籍から
体幹の筋力とケガの関連性の話はp68を参照。ここにもランニングとケガの関係が深い知見とおもに載っています。日本人研究者がほとんど再現出来ないレベルでエビデンスベースの良著!おすすめ(上巻より下巻のほうが特に)!
【ジョギングやランニングはするな?】ハーバード大学教授がおすすめするマラソントレーニング方法
さらに先程ご紹介した「良いトレーニング無駄なトレーニング科学が教える新常識」でもこう指摘されているくらいです。
腰痛から運動によるケガに至るまで、体幹の筋肉の弱さがその最大の原因であるという点では、多くの研究者の意見が一致しています
科学的トレーニングの常識 良いトレーニング無駄なトレーニング、科学が教える新常識
というわけでバランス強化トレーニング、言葉を換えると体幹トレーニングなどはランナーを含めほぼ全員にとってエビデンスベースで効果的であるということは言えそうです。このバランストレーニングが何を指しているのかは後半で具体例を出してお伝えします。
とここまで聞いて「ふ~ん、そうなのか」で終わってしまうとしっかりとトレーニングの効果を最大限に引き出せないため、なぜバランス強化トレーニングや体幹トレーニングが効果的なのか?その本当の理由をサクッと説明します。なぜなら、何も考えずに行うバランストレーニングほどもったいないことはないから。
【体幹トレーニングのしくみ】そもそもなぜランナーはケガをするのか?
では、なぜこれらのバランストレーニングでケガのリスクが減らせるのか?逆に体幹の筋力がないランナーはケガのリスクが上がるのか?
そもそもケガをすると言うのはどういうことなのか?
その最も根本の話をしていきます。
ケガとの関わりで言えば、運動科学では2つのキーワードが存在します。それがこの2つ。
「可動性」と「安定性」
関節は、想定された方向全部に動ける場合には「可動性を持つ」と言い、想定されたときにだけ想定される動き方のみする場合に「安定性がある」と言うのです。
この「可動性」と「安定性」の両輪。
このどちらかがかけると運動の連鎖が壊れる原因となってしまい、結果ケガにつながります。
よって、可動性の確保と安定性の確保を行うことがすなわちパフォーマンスを最大に発揮できる重要なカギとなると同時にケガの予防にも繋がるという理屈です。
このような考え方が運動科学の最も根本にあるために、ストレッチや体幹トレーニングが大切と声高に叫ばれているのです。
「可動性」と「安定性」
この「安定性」にかかわるのがそれこそバランストレーニングや体幹トレーニング。関節を想定したとおりに動かすための努力なのです。これがあなたが体幹トレーニングをする真の目的。
↓「可動性」と「安定性」の話は以下の書籍から↓
ハードカバー版p186を参照。ケガの根本的な原因についての話で様々な本を読んできた中で一番しっくりくる説明が「可動性」と「安定性」でした。大学教授が書いた本や学術書含む。
アスリートは歳を取るほど強くなる、パフォーマンスのピークに関する最新科学
と知ったとしても、ただ闇雲にバランストレーニングや体幹トレーニングをガンガン行うのはもったいない。もう少し効率的にこれらのトレーニングの恩恵を得られないのか?
ここに素晴らしい示唆を与えてくれるのが冒頭のこの研究。
【体幹トレーニング】疲労を伴ったバランストレーニング:バランストレーニング適応のための疲れた状態での効果を調べるランダム化比較試験
疲労を伴ったバランストレーニング:バランストレーニング適応のための疲れた状態での効果を調べるランダム化比較試験
この研究をざっくり意訳するとこんな感じです。
ケガには疲労の度合も関係する。
よって、従来の疲れていない状態でのバランストレーニングはどうなのか?言葉を換えれば、疲労した状態でのバランストレーニングのほうが効果的なのか?そうではないのか?
ここを調べるために、3つのグループを用意。ひとつ目はバランストレーニングだけを行うグループ、二つ目はトレーニングの前にバランストレーニングを行うグループ、三つ目はトレーニングの後にバランストレーニングを行うグループ。この3つのグループでバランストレーニングが運動のパフォーマンスにどれくらい影響を与えるのか?を信頼性のある実験手法を使って調査。
その結果、バランストレーニングは全てのグループの体の安定性をアップさせた。が、しかし、この研究で初めて明らかとなったのが、疲労した状態でバランストレーニングを行うと適応が低下するということ。以上から、バランストレーニングはトレーニングの最初のセッション、疲労のない状態で行うべきである。
つまり、バランストレーニングは疲労のない状態で行うのがベストである可能性が高いということがこの研究で明らかになったのです。
当たり前が果たして本当に当たり前なのか?に焦点を当てた素晴らしい研究であり、しかもこの研究は2024年2月に発表されたばかりの最新の研究でもあります。
↓2024年2月の最新体幹トレーニング研究↓
『疲労を伴ったバランストレーニング:バランストレーニング適応のための疲れた状態での効果を調べるランダム化比較試験』
「当たり前は本当に当たり前なのか?」という常識にランダム化比較試験という比較的信頼性の高い研究手法を用いて、メスを入れた本研究。結果、がっつりと行うトレーニング前にバランストレーニングを入れたほうが良いことが判明。実際のトレーニング現場でも使える良き知見!
という知識を手に入れたところで、体幹とバランスを同時に鍛えられるおすすめ方法をご紹介したいと思います。
【具体例】おすすめ体幹トレーニングのやり方
実はこの動画を作ろうと思ったひとつのきっかけが、日本の競泳選手の特集で、あるトレーニング器具が写っていたことなのです。
それがTRXとよばれるトレーニング器具。
この器具でトレーニングする姿が写っていたので、改めてバランストレーニングを調べてみようと思ったのです。
もちろん、この動画はプロモーションではございません。だたこのようなアプローチ方法もあるという解決策の提案のひとつ。
と言っても、このTRX。僕がたまたま目にした競泳選手。彼も日本選手権に出るトップレベルの選手。そのような選手が愛用しているくらいのトレーニンググッズ。しかも実は水泳に関わらず本気のアスリートならば一度は聞いたことがあるレベルで有名なのが、このTRXだったりします。
この器具の優れているところは、老若男女、プロ、アマ限らず使えて、体幹とバランスを両方効率的に鍛えることができるのです。
ちなみに僕もこのTRXを持っています。
なぜ僕がこの器具を購入したのかは、実は体幹を鍛えるというよりは、体を上手く操作するトレーニングがこの器具でできるのではないか?という仮説に基づいているからです。
「なぜ体を上手く操作するトレーニングができるのか?」は、体を浮かせたまま、足を自分のイメージ通り動かせる練習ができるからです。この足のコントールには運動科学の「可動性」と「安定性」が同時に要求されており、これをスマホなどで動画にとってフィードバックすれば効率的な体の動かし方をマスターできるかもしれないと僕は考えました。ちなみに効果はまだ不明です。
もちろん、そんなたいそれたことを考えずトレーニングを行ってもケガの予防やランニングエコノミー向上には効果的だと思います。
このTRXは専門性の高いジムなどでも置いているくらいメジャーですが、自宅でも簡単にできるので気になる方はチェックしてみてください。
やり方や詳しい活用方法等に関しては公式YouTubeチャンネルがあるので、そちらでご確認ください。
↓【日本語】TRX公式YouTubeチャンネル↓
体幹とバランスを同時に鍛えられるTRX(PR案件ではございません!)。実は結構トライアスリート(トライアスロン選手)で使っている選手が多く、僕はかなり以前から持っていました。と言っても、購入後、数ヶ月後には飽きてしまい引き出しの奥に笑。とりあえず、このような方法論があると知っているだけでもトレーニングの幅が広がります!実際に予防医療(リハビリ)の現場でも使われているらしい。
↓TRXが活用されている画像↓
↓公式HP↓
そして、結構重要なアドバイスとしては、これらのトレーニングはあくまで「補強」です。
よって、バランストレーニングをおすすめしている書籍ではこのような注意書きもされています。
しかし、節度やバランスをとらないと、他のトレーニングがもたらすメリットを逃してしまう
ということで、あくまでこれらのトレーニングはほどほどに取り入れることをおすすめします。
【おもしろ研究】ストレス解消としての体幹トレーニング
では最後にかなり面白い知見をぶっこんでこの話を締めたいと思います。
みなさんご存じのアドレナリンというホルモン。このアドレナリンは副腎髄質という場所から分泌されます。そして最近の研究の結果、なんと副腎髄質が運動に関係する脳領域(運動野)とつながっていることが判明。しかももっと驚くことにその脳の領域こそ、なんと体幹を動かすコアマッスルに関連する領域とのこと。
コアの活性化は、ほかのどの部位にもまして、副腎髄質に影響を与えます
この言葉は小脳が運動だけでなく感情や認知を担う脳領域との神経的なつながりを最初に発見した研究者、ピーター・ストリック博士の言葉です。
つまりこの発見が示すことこそ、コアと呼ばれる体幹の筋肉を鍛えるとストレスをやわらげられるかもしれないというぶっ飛んだもの。
なんとコアである体幹を鍛えることが実は新しいストレス管理方法になるのではないか?という面白い知見も登場していたりします。
ちなみにあくまで仮説ベースなので、その点だけご理解ください。
「コアの活性化は、ほかのどの部位にもまして、副腎髄質に影響を与えます」は以下の書籍から
体幹トレーニングに関連した面白い知見はp161~162、p282を参照。
また、ストレス解消と関連して、爆笑が体幹トレーニングになるというぶっ飛んだ知見。なんと思いきり笑うとクランチエクササイズ並みに体幹を鍛える効果があるという超面白い研究もあったりします。
↓爆笑はクランチエクササイズ並みに体幹を鍛える!?研究↓
Laughing: a demanding exercise for trunk muscles
laughter yoga(ラフターヨガ:笑いヨガ)という面白いエクササイズの研究。体幹を鍛えたいアスリートなどに適応できるかは正直微妙ですが、発想はかなり面白くて大好きな研究!ですが、このラフターヨガについては、不安とストレスを軽減する効果があることも実証されており、うつ病治療の付加療法としても活用できる可能性を秘めているらしいです。興味深い!
ということで、今回はファクトチェックとしてランナーの当たり前。体幹を鍛えるトレーニングやバランストレーニングはランナーにとってしっかりとエビデンスベースで効果があることを確認しました。
バランストレーニングや体幹トレーニングでストレス解消からリハビリ、転倒リスク予防、パフォーマンスアップ、ケガの予防まで幅広く効果がある!
是非、みんさんもバランストレーニングや体幹トレーニングを楽しく行ってみてください!
↓老若男女!おすすめ体幹トレーニンググッズ↓
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