元帰宅部ランナー

元帰宅部。
現トライアスロン日本代表(エイジ:アマチュア部門)

【記録】
はじめてのマラソン「10km1時間15分11秒」→奈良マラソン「10km36:15」
はじめてのトライアスロン「3時間36分13秒」→びわ湖トライアスロンin近江八幡「2時間13分05秒」
アイアンマン(スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195km合計226km)完走

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【解説】糖質制限ダイエットが秘密!?伝説の飛脚の持久力の科学

速く走るための方法を考える
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みなさんどうも、こんにちは!

僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。

みなさんは遙か昔に活躍したこの職業をご存じでしょうか?

そう、昔は佐川急便の企業マークにも採用されていた彼ら。

飛脚です

飛脚の仕事は重要な手紙や書類をいち早く遠くの場所にいる受取人に届けること。

現在わかっていることとして、実際はリレー形式で運ぶ、走る速度は遅かったなど、思っているよりすごくないと思われがちな飛脚。

実在した伝説の飛脚

しかし、今回焦点をあててるのは、そんな飛脚の中でも、実在した伝説的な人物

現存している資料によると大阪の堺から江戸までの約500キロを、たった3日で、それもひとりだけで走り切った飛脚

まさに伝説的な飛脚です

なぜ彼はそんな驚異的なスピードとスタミナを維持出来たのか?

この謎を解き明かすことで、もしかすると私たちも驚異的なスピードとスタミナを手に入れるヒントになるかもしれません。

スタミナ・持久力最強!伝説の飛脚の秘密

みなさんはこの白黒写真を見てどう思うでしょうか?

この写真は明治時代初期、山形県の米どころ庄内平野で働くごく普通の女性の写真です。

300キロ

なんと彼女たちが担いでいる米俵の重さは約300キロもあるのです。

伝説の飛脚の秘密

普通の農家の女性が300キロもの重さを担ぐ。常識的に考えて不可能なはず。しかし、実際はこの写真にある通りです。

なぜそんなことが可能となったのか?

常識では説明できないことがある。となれば常識自体を疑い、検証していく必要があります。

後ほど詳しく説明しますが、実は300キロを担ぐ彼女たちの秘密と伝説の飛脚の秘密が、深いところで繋がっていたりします。

果たして、どういうことなのか?

では、さっそく本題に入りましょう。

なぜ現代のような街灯もなく舗装もされていない荒れた道を使って、たった3日で大阪の堺から江戸までの500kmを走破出来たのか?

結論から話します

考えられる可能性はふたつ。

  1. ケトン体によるエネルギー代謝
  2. 究極的なランニングエコノミーの獲得

このふたつです。

今回は誰でも考えられるような説明ではなく、知識ベースで論理的にこの秘密を紐解いていきます。

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ケトン体によるエネルギー代謝仮説【糖質制限効果】

では、ひとつめ。ケトン体によるエネルギー代謝仮説から説明します。

現代の常識。それは糖質です。

どういうことなのか?

糖、いわゆるブドウ糖やグリコーゲンなどの糖質が絶対的エネルギー源ということです。

栄養失調でがりがりに痩せたアフリカの子どもたち

糖質がなければエネルギーを貯蔵する脂肪すら作られません。持久系スポーツに脂肪は必須

持久系のスポーツはいかに脂肪を効率良く使ってエネルギーを作り出すかに懸かっていると言っても過言ではありません

だからこそ、全ての大本である糖質は持久系スポーツにとって、まさに黄金律とも呼べる絶対的な常識。これがなければ体はエネルギーがなくなり、動かなくなります。すなわちパフォーマンスが圧倒的に低下します。この現象を専門用語でハンガーノックと言います。

だからこそ持久系スポーツには糖質が必須なのです。

ほとんど全ての書籍や専門家は必ずそう指摘します

さて、それは本当なのでしょうか?

まずはこの常識を疑っていきましょう。

そうなのです。結論から言えば、糖質は絶対的なエネルギー源ではないです。

では絶対的なエネルギー源とは何なのか?

それこそがケトン体である。これが、現代のスポーツ栄養学や人類史から俯瞰して見えてきた新常識なのです。

では、この聞き慣れないケトン体とはいったい何なのでしょうか?

ケトン体とは脂肪酸を材料に肝臓で作り出されるエネルギー源です。このケトン体は飢餓状態にある場合に多く産生されることで有名な代謝産物です。特に糖質制限ダイエットなどで注目を集める物質。

現在の医学ではこのケトン体が高くなると、ケトアシドーシスと言って体内が酸性に傾くことで、様々な中毒症状が引き起こされると言われています。

だからこそ、ケトン濃度が高い状態は危険な状態であり、処置の対象となります

しかし、

本当にそうなのか?実はその常識は間違っているのでは?ケトン体こそ人間が本来使用していた、もっと言えば本来使用するべきエネルギー源ではないのか?

そう主張するのが、宗田(むねた)マタニティクリニック院長の宗田哲男(むねたてつお)医師です。

宗田先生は自身でも論文を執筆し、その中で驚くべき事実を指摘しています。

それが新生児におけるケトン体濃度の高さです。

宗田先生は実際に数値として、お腹の中にいる新生児のエネルギー源は糖質ではなく、このケトン体であると発表しています。

これは憶測や推量ではなく、厳然たる疑いようのない数値として計測されています

では、この数値、新生児における高濃度のケトン体が意味することとは何なのか?

それが人間は過去からケトン体を代謝して生きていたという事実なのです。つまりDNAにそのようにプログラムされている、だからこそ新生児は出産のときは母子ともにケトン体をエネルギーとして使用しているのです。

ではなぜ糖質ではないのか?

順天堂大学医学部で教鞭を取っていた白澤卓二教授はこう指摘します。

ケトン体はグルコース(糖質)と比べATP(エネルギー)産生比率が25%も高い、つまり燃費効率が著しく良いということがわかっています

そうなのです。ケトン体は燃費が著しく高いエネルギー源なのです。

人類は長い間、ある重大な問題に瀕してきました。それが種の存亡をかけた大問題。飢え、つまり飢餓です。だからこそ、生存上最も有利であるエネルギー源であるケトン体をメインに代謝する進化をしてきた。

これが新生児や出産時に母子ともにケトン体濃度が上昇する理由ではないのか?

宗田先生はそう主張しています。

つまり、人間は飢えた状態がスタンダードであった。だからこそ糖質に依存しなくても生存できる方策を採用したのです。これが人類史から見たケトン体代謝の合理的な位置づけなのです。

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では、江戸時代はどうだったのでしょうか?今のように誰でも大量の糖質を摂取出来たのでしょうか?

もちろん、そんなはずはありません

飢饉が発生したり、今よりよほど飢餓に苦しんでいたことは容易に想像できます。つまり、彼ら飛脚はそもそもがケトン体代謝をメインとしたエンジンを搭載していたと考えるのが妥当なのです。

だからこそ、私たちが想像するより、よっぽど少ない食料、少ない休憩時間で走り続けることが可能であった。つまり現代で言う糖質制限ダイエットをせざるを得ない環境だった。

そう考えられなくはないでしょうか?

そして実際にこの考えは現代のスポーツ科学では常識となりつつある事実でもあるのです。

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オハイオ州立大学のジェフ・ボレックらの実験【ケトン食の有効性】

たとえば、オハイオ州立大学のジェフ・ボレックらは2016年に「メタボリズム」で発表した論文の中で、ケトン食(高脂質食)に順応したランナーは、順応していない対照群より2倍早く脂肪を燃やすことが出来たと報告しています。この結果からボレックは「従来の通説からすると、この脂肪燃焼率は桁外れです」と述べるまでに至っています。

さらに自転車競技のワールドチーム専属のスポーツサイエンティスト、ダニエル・ヒーレーはこう指摘します。

特定のやり方(スリープロ―)で行われる低グリコーゲントレーニングに効果があることについては、反論の余地がありません。うまく利用すれば、何も失わずにコンディションを高めることができます

このように持久系スポーツにも糖質依存からの脱却を図るため、低糖質下でのトレーニングやケトン食の有効性が浸透してきています

まさに江戸時代の飛脚は自動的にこのような状況下に置かれていたため、驚異のスタミナと燃費性能を誇った可能性が高いのです。

究極的なランニングエコノミー獲得仮説

では、二つ目です。二つ目は究極的なランニングエコノミー獲得仮説です。

もう一度この写真をご覧ください。

伝説の飛脚の秘密

庄内平野で働くごく普通の女性が300キロもの米俵を担いでいるこの写真。

これを見ると筋力では説明がつきません

だからこそ、その秘密は筋肉に頼る西洋的な体の使い方とは全く異なる東洋的な独自の体の使い方にあるのではないか?そうは考えられないでしょうか?

では、そんな東洋的な独自の体の使い方とはいったい何なのか?

それは古武術など、筋肉ではなく骨を使った体の使い方である。いわゆる「居着かない」という状態です。

そう指摘するのが、桐生祥秀選手をはじめとして、多くの日本を代表するアスリートを育てた松村卓(まつむらたかし)トレーナーです。

松村さんが指摘するのは、飛脚の走り方は従来の西洋的、つまり私たちの良く知るランニングではないということ。

では、いったい何がどう違うのか?

それは飛脚たちは筋力を使わない、骨を使った、もっと言えば自分の体重を利用した走り方をしていた、ということです。よって、エネルギーをセーブできるため、ランニングエコノミーを極限まで高めることが可能となったという仮説です。

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西洋のランニングと東洋のランニングの大きな違いのひとつ。

それが靴です

江戸時代、飛脚は草鞋や草履を使用していました。これらの履物では足の親指は地面を蹴るのではなく、挟みこんで固定するために使われます。ここがミソなのです。西洋のランニングとは、筋力。つまり、地面を蹴って床反力を得えて進みます。その際に、脚の親指や母指球がさいごの踏ん張りとして重要な役割を果たします。

松村さんはこう指摘しています。

私にいわせれば地面とケンカしているようなものです。こんな動作をくり返していたら、体のほうが地面に負けて、ケガの原因にもなるでしょう。

大事なのは、あくまで重力=体の重さを利用すること――そのためには、筋肉を無用に緊張させてしまう習慣からまず離れなければなりません

だからこそ、松村さんが古武術の知識を使い東洋の走り方を取り入れたのが骨ストレッチランニングです。詳しく知りたい方はこちらの動画で詳しく解説しています。

骨ストレッチランニング 心地よく速く走る骨の使い方

このように草鞋や草履、下駄という日本的な履物のおかげで、筋力に頼らない走り方、いわゆる東洋の走り方が獲得しやすくなったということです。

冒頭でお話した300キロの米俵をかつぐ普通の女性たち。

彼女たちこそ、筋力ではなく骨を使っていた

そのような体の使い方こそ、東洋的、日本にあった伝統的な古武術のような体の操作術にルーツがあるのかもしれません。だからこそ、深いところで彼女と伝説の飛脚は繋がっているのです。

まとめ

なぜ伝説の飛脚がたった3日で大阪の堺から江戸までの約500キロをひとりで行脚できたのか?

という謎を解く鍵は、ふたつ

ひとつ目はケトン体というエネルギーを効率良く代謝できる体であったこと

これによって食事量や休憩が少なくても、長時間ハイパフォーマンスを保つことが可能でした。

ふたつ目は東洋的なランニングフォームを獲得していたから。

日本の古来から続く古武術的な走り方は筋力ではなく、骨、自分の体重を利用した走り方でした。これを可能にしたのが、当時の履物である、草鞋や草履、下駄。これらは親指の動きが地面を蹴るのではなく、固定するために使われるため、自ずと筋力に頼ることが少ないとても効率の良いランニングフォームに繋がっていた。

今回はこの二点の仮説から、伝説の飛脚の驚異的なスタミナとスピードの秘密を考察してみました。

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