みなさんどうも、こんにちは!
僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。
スロージョギングで人生が変わる!
大袈裟すぎるほど大袈裟なタイトル。
みなさんは人生が変わる、そんな走り方を知っていますか?
今回はトップレベルの市民ランナーであり、運動生理学者・医学博士である田中宏暁(たなかひろあき)教授のそんな名著をご紹介します。
その名も「スロージョギングで人生が変わる」
目次
スロージョギングで人生が変わる
「スロージョギングで人生が変わる」
田中教授の専門は運動生理学。
福岡大学スポーツ科学部において健康増進・競技力向上に有効な運動処方に関する研究をしています。
そんな田中教授自身もマラソンランナーであり、50歳の時にフルマラソン2時間38分48秒を達成。名実ともに最速の研究者ランナーのひとりです。
そんな運動生理学の専門家がおすすめするのが、スロージョギング。
想像してみてください。
もし50歳でフルマラソン2時間38分48秒で走ることが出来れば、人生観が変わると思いませんか?
それを可能にしたのがスロージョギング。だからこそこの本のタイトルも「人生が変わるスロージョギング」
自分自身の身体で証明したスロージョギングのすごさ。そんな田中教授の言葉に耳を傾けてみましょう。
スロージョギングとは?
スロージョギングのスロー。みなさんはこう思いませんか?
スローとはいったいどれくらいスローなのか?具体的なスピードってどれくらい?
田中教授が指摘するスロージョギングのスピードは歩くくらいのスピードです。
歩くくらいです。時速で言えば、7キロ以下。1キロ8分34秒ペースです。
田中教授は私たちにこのようなアドバイスをくれます。
スロージョギングの最大のポイントは、自分に適した速さでゆっくり走ることです。歩幅は狭く、小刻みに走ります。
歩くより遅いくらいで、ゆっくり走ればいいですよ。
と言っても、
そんなにゆっくり走れません!
と言う人がいます。そういう人はたいてい歩幅が広いまま、ゆっくり走ろうとしています。
通常の歩行では、歩幅が70cm前後ですが、スロージョギングでは歩幅はそれよりずっと狭く、10~40cmです。
その場で足踏みしながら、少しずつ前に出て行くような感覚でいいのです
みなさんはこんな事実をご存じでしょうか?
私たち人間の身体の構造上、走る方が楽な速度は、時速7キロ弱(1キロ8分34秒ペース)以上である。
ですから、なにげなく走ると、普通の人は時速7キロ弱よりも速く走ってしまいます。でも、それでは田中教授が推奨するニコニコペースよりも、きつくて強すぎる運動になってしまいます。スロージョギングは時速7キロより遅いスピードで走る。
より具体的に言えば、
初心者は、時速4~5キロメートルくらいから始めるのが良い!
と田中教授は言います。時速4~5キロというと、1キロを12分から15分くらいの速度です。
皆さんの想像よりも数倍スローなのがわかったと思います。
さて、ここまで聞いて、みなさんはこう思いませんか?そんな遅く走るスロージョギングで果たして本当に走力が上がるのか?
結論から言えば、走力は上がります。具体的には最大酸素摂取量の大幅な向上と歯をくいしばってがんばったときと同程度の心肺機能の向上が明らかとなったのです。
田中教授は大学生と協力し、自転車のエルゴメーターを使い、スロージョギングの運動強度、50%最大酸素摂取量の運動を1回1時間、週に5回行いました。
この最大酸素摂取量の50%という強度は、笑顔を保って走れる速度であり、いわゆるLT(乳酸性作業閾値)にも相当します。
するとどうでしょうか。
週5回で6週間、合計30回のトレーニングをしたあとでは、なんと最大酸素摂取量が体重当たり11.1%増加するという結果が得られたのです。
田中教授はその後もさまざまに対象を変えて研究を続け、最大酸素摂取量の50%でのトレーニングが効果的であることを実証しました。1976年には英語で研究論文も発表しています。
そんなスロージョギングで意識すべきポイント。
田中教授はスロージョギングのポイントを2つ指摘します。
ポイント2つ目は、歩幅は狭くして、足の指の付け根あたり(フォアフット)で着地する
ことです。
スロージョギングはにこにこペースで走ろう
ポイント一つ目のニコニコペースとは最大酸素摂取量の半分、50%での運動強度です。
「えっ、最大酸素摂取量の50%と言われてもな~」とそう思いませんか。
だからこそ、田中教授はより分かりやすい指標として心拍数を導入しました。
ニコニコペースを算出する計算式はこれです。
例えば30歳の人なら138ー30/2で123、40歳なら118、50歳なら113、60歳なら108が目標心拍数になります。
この目標心拍数がボトムラインです。この数値より少しでも超えるような運動を田中教授はおすすめしています。
スロージョギングにはフォアフット走法がおすすめ
ポイント二つ目、田中教授はこう指摘します。
安全に楽に走るためには、フォアフット着地をすることが重要です
またフォアフット走法・フォアフット着地の話かと思われるかもしれませんが、みなさんはこんな事実を知っているでしょうか?
それは、かかと着地はフォアフット着地に比べ3倍の衝撃がかかるという事実です。
走り方の違いだけで3倍もの衝撃の違いが出る。
だからこそ田中教授がこう指摘するのも納得出来ます。
ランニングでよく脚を痛めるのは、実はかかとから着地するからです
フォアフットって何?っと、そう思う方はこちらの動画で詳しく解説しています。
いやいや、現代ではクッション性のすぐれた「ケガをしにくい」と謳われるランニングシューズがあるじゃん??
しかし、ここに落とし穴があるのです。
なんと、ランニングシューズのクッションなんてまったく意味がないことが研究論文として公になってしまったのです。足を守るといわれるクッション、これがまったく意味がないという衝撃の事実が。
2010年、ダニエル・リーバーマンらは、裸足とランニングシューズで走ったときの足の着き方と着地の衝撃について調べ、世界的権威のある科学雑誌「ネイチャー」に論文を発表しました。
そこで発表された事実は次の2点。
二点目、衝撃吸収力のあるランニングシューズを履いても、かかと着地の場合は一切衝撃がなくならない。
これが実際のデータです。
見比べると一目瞭然です。衝撃を吸収すると謳われるクッション性のあるランニングシューズと裸足のフォアフットの着地。波形はほとんど同じであり、衝撃が全く軽減されていないことがわかります。
さらにこのデータを分析した田中教授はこう指摘しています。
裸足でフォアフット着地をすれば、足の裏に力はかかりますが、変化がなめらかなので、衝撃はありません。ランニングシューズでかかと着地した場合の衝撃は、裸足でフォアフット着地した場合の約3倍にもなっています。
クッション性がある厚底のランニングシューズを履いても、ケガをする確率は全く変わりません。それどころか、逆にかかと着地になってしまいケガのリスクは増すばかりというのが真実なのです。
これがかかと着地よりフォアフット着地が良い科学的な根拠です。
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スロージョギングにおすすめのランニングシューズ
だからこそ、田中教授はスロージョギングでのおすすめランニングシューズは
上級者用のかかとの薄いものを選びましょう
と言っています。
スロージョギングというとほとんどのショップ店員は厚底のクッション性のあるランニングシューズをおすすめしてくると思います。
しかし、思い出してください。リーバーマンらの研究結果を。
初心者用厚底ランニグシューズのほうがよりかかと着地になり、フォアフット着地に比べて膝や脚に3倍もの負担が掛かるという悲しくも不都合な真実を。
脚の故障を防ぐためには、出来るだけ薄底のシューズで歩幅を狭くしてフォアフットで走る。だからこそ、薄底の上級者用のランニングシューズを選ぶ。
ちなみに僕が一番おすすめするのはアシックスのソーティマジックシリーズです。コストパフォーマンスもよく、薄底で日本人の足にも合っている人気のランニングシューズです。
もしくは裸足感覚を再現したナイキのフリーランも良い商品です。このランニングシューズはプロ選手でもリカバリーやジョギングで使用しているくらい有名なジョギング用のランニングシューズです。
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スロージョギングの走り方
スロージョギングが良いのはわかった。でも、具体的にどうやって走ったらいいの?
田中教授はスロージョギングについて、このような技術的なアドバイスをくれます。
1本の柱が通っているようにまっすぐの姿勢で立ったら、その場で軽く足踏みをしてみましょう。そのまま前に倒れるように重心を移動します。腰をやや突き出すくらいの感覚でいいでしょう。
地面をわざわざ蹴らなくても、下に踏みしめるだけで楽に前進できます。筋力ではなく、重力を使って前に進むのです。
地面を蹴らず、歩幅を狭くしてピッチを重視して走ることで、頭から脚にかけて一直線の状態を保ちやすくなります。まっすぐの状態で力がかかるので、関節への負担が少なく安全に走れます。
田中教授はさらにこう続けます。
ニコニコペースであれば、いつ走ってもかまいません。昼でも夜でも、自分にとって都合がよくて、走りやすい時間に走ることをおすすめします。
ニコニコペースを守って量をたくさん走れば、自然に速く走れるようになっていきます。
まとめ
スロージョギングはゆっくりと歩くスピード、時速7キロ以下もしくは、目標心拍数の笑顔を保ったまま走れるギリギリの運動強度で走ることを言います。このとき、ランニングシューズは薄底の上級者用のものを使い、歩幅を狭く足踏みするようにピッチを稼ぎつつ、フォアフットで着地します。1回1時間、週5回、これを2ヵ月も続ければ、走力の向上が見られます。
スロージョギングの最大の利点はケガをしないことです。だからこそ、練習が継続出来る。練習が継続出来ると量と質が向上し、自ずと速くなっていきます。何事も継続が大切です。
今回はあくまで自分の言葉で簡単にまとめただけなので、少しでも気になった方は本書をお取り下さい。
いやいやたったこれだけで、さすがに田中教授の記録(2時間38分48秒)フルマラソン2時間40分は切れなくない!?
そんな声が聞こえてくると思います。次回はスロージョギングだけで本当にフルマラソン2時間40分を切れるのか?を深堀して考察したいと思います。
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