元帰宅部ランナー

元帰宅部。
現トライアスロン日本代表(エイジ:アマチュア部門)

【記録】
はじめてのマラソン「10km1時間15分11秒」→奈良マラソン「10km36:15」
はじめてのトライアスロン「3時間36分13秒」→びわ湖トライアスロンin近江八幡「2時間13分05秒」
アイアンマン(スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195km合計226km)完走

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【なぜ??】スロージョギングだけでフルマラソン2時間40分切り(サブ40)を達成出来たのか

書籍紹介
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みなさんどうも、こんにちは!

僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。

スロージョギング。歩くほどの遅いペースでピッチを重視して小刻みに走る健康走法。

このスロージョギングを提唱したのが福岡大学スポーツ科学部、田中宏暁(たなかひろあき)教授。

全マラソンランナーの上位0.55%未満。

スロージョギングの大家でもある田中教授がたたき出した記録が、フルマラソン2時間38分48秒。この記録は全マラソンランナーの上位0.55%。そんなトップ中のトップと言っていいほどの記録をなんと50歳という年齢で達成。

まさに化け物。しかもスロージョギングをメインとした練習だけでここまで来た、というのだから、尚更驚きを隠せません。

練習はほぼスロージョギングだけ(と仮定)。

マラソンやランニングを本気でやっている身からすれば、まさに奇跡としか呼べない、そんな存在それが田中教授

果たしてスロージョギングという練習だけで、42.195kmという長い距離を平均ペース1キロ3分45秒で走り続けることが可能なのか?
もし可能であるならなぜ可能になったのか?
スロージョギングで人生が変わる

スロージョギングで本当に速く走れるのか?

みなさんは知っているでしょうか?

この世にはゆっくり走れば速くなると唄う書籍が存在することを。

代表的なものは、田中猛雄さんの「マラソンはゆっくり走れば3時間を切れる!」や元NEC陸上部監督、佐々木功さんの「ゆっくり走れば速くなる」など。

【ジョギングはおすすめ】マラソンはゆっくり走れば3時間を切れる

「ゆっくり走って速くなる」という字面だけで見れば、魔法のような考え方

みなさんはこう思いませんか?

そんなはずないだろうと!!

そうです。ゆっくり走って速くなるという理屈でいけば、ランナー全員が超高速ランナーになっているはずです。

でも、もちろんそんな訳はありません。

しかし田中教授はほとんどスロージョギングだけで速くなった(と仮定します)

なぜ田中教授はスロージョギングだけでフルマラソン2時間40分切り(サブ40)を達成出来たのか?

なぜか?

この秘密を紐解く考察ポイントは次の3点。

①運動歴とマッスルメモリー
②トレーニング量とマラソン遺伝子
③スロージョギングの捉え方と信念

です。

とその前に、田中教授に関して、ひとつだけ前提を共有させてください。

その前提とは、基本的にスロージョギングだけでサブ40を達成。つまりスロージョギングだけでフルマラソン2時間40分を切ったという大前提です。

田中教授はスロージョギングの提唱者であり、日本の高血圧治療ガイドラインにまで影響を与えた人物です。スロージョギングだけでここまで速くなったというのは、聞く人にインパクトを与え、スロージョギングを推進するきっかけになったりと、その効果は計り知れません。

だからこそ、本当は裏でガッツリとハードなトレーニングをしていたというのではなく、ここでは事実として、田中教授はスロージョギングだけで速くなったと仮定します

スロージョギングで速くなった理由①運動歴とマッスルメモリー

では、まず一点目、運動歴です。運動歴は重要です。というのも、筋肉にはマッスルメモリーという生理的機能があり、一度衰えたとしても刺激を入れるとすぐにもとに戻るという性質があることが証明されています。論文(筋肥大に関した後天的な骨格筋記憶プロセス)は下に張っておきます。

Human Skeletal Muscle Possesses an Epigenetic Memory of Hypertrophy - Scientific Reports
It is unknown if adult human skeletal muscle has an epigenetic memory of earlier encounters with growth. We report, for the first time in humans, genome-wide DN...

このマッスルメモリーはまだ詳しく解明されていませんが、運動の記憶を小脳や大脳基底核などの部位以外が担っているという事実は考察に値します。

何が言いたいかというと、幼少の頃や学生時代の運動経験が後々、良い意味で大きな影響を及ぼす。もしくは及ぼす可能性が高いということです。

では、そんな田中教授の運動歴はどうなのか?

田中教授は異色の経歴を持っており、東京教育大学(体育学部)を卒業してから、愛媛大学の医学部に入学しています。

ここでキーワードが登場しました。東京教育大学(体育学部)。そう、東京教育大学は現在の筑波大学(体育専門学群)です。

田中教授はもともとバリバリのアスリートであったという事実。

ちなみに東京教育大学生時には陸上部(駅伝部)に所属していました。しかし、実際はケガが続き、補欠やサポート役としてそこまで目立った活躍はなかったと本人は言っています。

ここからわかることとして、田中教授には人より遙かに豊かな運動歴があった。言い換えれば、少なくともマッスルメモリーや小脳系には普通の人より「走ることに関して」たくさんの情報を記憶していたと言ってよいと思います。

これがスロージョギングだけでフルマラソン2時間40分切りをした秘密のひとつだと考えられます。

スロージョギングで速くなった理由②トレーニング量とマラソン遺伝子

そして次のポイント。ポイント二点目はトレーニングの量です。

私はちょっとした待ち時間などに、背広のまま走っていました

これが田中教授のすごさを垣間見えるエピソードです。

さらに、田中教授はこのように言っています。

主観的運動強度10~12くらいで、ぎりぎりニコニコペースを守って量をたくさん走れば、自然に速く走れるようになっていきます

たくさん走れば、自然に速くなるという一言。

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スロージョギングの最大のメリットはケガをしないことです。ケガをしない、つまりトレーニング量が積める。

ということは、田中教授は質を凌駕する圧倒的な量をカバーしていたという可能性もあります

だからこそ、50歳という年齢がキーワードとなります。

というのも田中教授が推奨する最大酸素摂取量50%でのスロージョギング、通称にこにこペースとは、遅筋繊維を効果的に鍛えるトレーニングだからです。

【徹底解説】ランニングする前に読む本 マラソンの科学的トレーニングとは?

遅筋繊維とは持久力にすぐれた筋肉繊維。年をとってからも鍛えることが可能とされている筋肉です。

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さらに、マラソンにとって必要不可欠なエネルギー。そのエネルギーを生み出す場所がミトコンドリアです。

田中教授はこんな指摘もしています。

高齢者でランニングまたはサイクリングを一時間を週6回、4年以上継続している人たちのミトコンドリア機能はなんと若者よりも高いという研究結果が発表されました。しかも、同等のトレーニングをしている若者の水準にまで達していました

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そしてこう続けます。

有酸素運動は何歳になってもミトコンドリアを活性化させ健康を保つ秘訣となりそうです

スロージョギングを長年続けると遅筋繊維やミトコンドリアと言ったマラソンには必要不可欠な生理的機能は年齢によって衰えるどころか、行えば行うほど強化されます

ほとんどがスロージョギングだけの練習と仮定すると、50歳という年齢に納得が行きます。つまり何十年にも渡って積み重ねた圧倒的なトレーニング量によって、極限まで遅筋繊維やミトコンドリアを鍛え上げ、フルマラソン2時間40分切りを達成したという仮説です。言い換えれば20代や30代ではそこまでのタイムは出なかったということです。

そして圧倒的なトレーニング量を重ねることで、現れるもうひとつの可能性。

それがマラソン遺伝子の発現です。

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みなさんはPGC-1αというタンパク質をご存じでしょうか?

このややこしい名前のタンパク質はマラソンに大きく関係しています。

なんとこのPGC-1αは「ミトコンドリアの機能を規定する遺伝子の発現を活性化するタンパク質」です。

えっ、何を言っているのか意味がわからない?

わかりやすく言うと、ミトコンドリアにある遺伝子のスイッチをオンにするタンパク質がこのPGCー1αということです。

そして、このタンパク質が作用してミトコンドリアの遺伝子がスイッチオンになれば、ミトコンドリアの機能がアップする、ミトコンドリアの機能がアップすると結果的に持久力が高まる、という仕組みです。

そして、田中教授がおすすめするスロージョギングの運動強度、ニコニコペースでのスロージョギングでは、このPGC-1αを活性化出来たと報告しています。

以下の動画(田中教授の著書:ランニングする前に読む本)でも解説しています!

【14分で解説】 ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング 田中宏暁 【フォアフット】

さらにこうも示唆しています。

ニコニコペースはATPが減少し始めるところであり、血漿カテコールアミン濃度が急増し始めるところでもあります。きっとニコニコペースでもたらされるこのような代謝性の刺激が、特有の遺伝子発現を導くのだろうと想定しています

よって、何十年にもわたる最大酸素摂取量50%のスロージョギングによって、何かしらの持久力に関連した遺伝子が発現し、驚異的な記録をたたき出した、このような仮説も考えられます。

スロージョギングで速くなった理由③スロージョギングの捉え方と信念

3点目は、スロージョギングの捉え方と信念です。

どうすれば限界を突破出来るのか?

「限界を突破する」にはメンタルが大切であるというのは有名な話です。

実際に持久系スポーツとメンタルの関係は様々な書籍でも大々的に取り扱われています。

最強のメンタル強化方法とは?勝負で勝つメンタルの作り方

【限界は何が決めるのか?】エンデュア 持久系アスリートのための耐久力の科学【マラソンの科学】

メンタルというとあまりしっくりこないので、ここでは信念という言葉で説明したいと思います。

ひとことで言うと、田中教授にはスロージョギングで速くなれるという信念があった

田中教授は自分自身でスロージョギングの効果を実験データとして実際に計測し、その成果を英語の論文として発表しました。だからこそ絶対的に信頼出来る確信、言い換えれば信念があった、もしくは信念がつくられたと考えられます。

薬の効果を判定する臨床試験。臨床試験での最大の敵は思い込み。プラセボ効果という暗示や思い込みの効果は計り知れない効果を人体に与えます。だからこそ、いかにこの思い込みの効果を排除するか。

この信じる力をトレーニングやマラソンにおいて発揮出来た。

【ケンブリッジ大学卒ランナーが教える】マラソンとプラセボ効果の科学

スロージョギングという信念があるからこそ、限界を突破出来た。つまり50歳でフルマラソン2時間38分48秒をたたき出せたのかもしれません。

マラソンで使える!速くなるプラセボ効果

まとめ

スロージョギングだけでフルマラソン2時間40分切りが可能な理由としては、一点目、運動歴の有無、二点目、トレーニング量の多さ、三点目、スロージョギングの信念

幼少期から本気で運動していれば、その記憶を使い、ある程度歳をとってからも驚異的なパフォーマンスを発揮できる。

さらにトレーニングの量を圧倒的に増やすことで、遅筋繊維やミトコンドリアと言ったマラソンで必要な能力を極限まで引き上げるのと同時に持久力アップに関する遺伝子の発現も促せる。

そして、確固たる信念を持ってトレーニングにあたることで、得られる効果を増幅し、その結果、フルマラソンで2時間40分を切ることができた。

これが田中教授がスロージョギングだけで速くなった秘密だと思います。

だからこそ、スロージョギングこそ野口みずき選手の言葉、「走った距離は裏切らない」という言葉にピッタリの走法なのかもしれません。

スロージョギングだけで【なぜ】フルマラソン2時間40分が切れたのか?

【解説】糖質制限ダイエットが秘密!?伝説の飛脚の持久力の科学

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