【千日回峰行の科学】持久力の本質を探る実在するシュレーディンガーの猫

速く走るための方法を考える

みなさんどうも、こんにちは!

僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。

1935年、ノーベル賞を受賞した天才物理学者エルヴィン・シュレーディンガー。彼が発表した思考実験。それがかの有名なシュレーディンガーの猫

これは思考実験。空想上の話のはずでした。

しかし、極東にある島国、日本に1300年前から脈々と受け継がれてきた伝統の中に、このシュレディンガーの猫は実在していたのです。

そう、つまり生きながら死に、死にながら生きているという生きている状態と死んでいる状態が重なり合った特異的な存在。

今回はそんな誰も考えてこなかった視点から、人間の持っている本来の力、持久力の本質を考察していきたいと思います。

シュレーディンガーの猫とは?

母国オーストリアの紙幣にもなった天才物理学者、エルヴィン・シュレーディンガー。彼が言いたかったこと。それは物理学において、その説明はおかしくないのか?という批判です。

では彼は、何を批判したのか?

それは目に見えない小さな世界における物体のあり方・振舞い方についてです。

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箱の中にいる一匹の猫。その箱は50%の確率で毒ガスが発生します。では、箱を開けたとき猫はどうなっているのか?もちろん二択です。生きているか、死んでいるか。箱を開けるまでわかりません。

これを物理学のある分野で説明すると、こうなるのです。

その箱の中にいる猫は生きた状態と死んだ状態が半分半分である。つまり、生きながら死んでおり、死にながら生きている。

一言で言うと、意味不明。そう、だからこそ、エルヴィン・シュレーディンガーはそんな説明はおかしいのではないか?と批判したのです。なぜおかしいのかについては、説明するとかなり難しくなるので、ここでは割愛します。

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ここで知っておいてほしいのが、シュレーディンガーの猫とは生きた状態と死んだ状態が重なり合っているという摩訶不思議な猫であるという点です。

そんな存在この世にいない!

だからこそ思考実験なのです。しかし、しかし、なんとこの日本の連面と続く歴史の中にシュレディンガーの思い描いた猫がまぎれもなく実在するのです。

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実在するシュレーディンガーの猫

では、そんなシュレディンガーの猫はどこにいるのか?

それは関西です。もっと言えば、京都府の比叡山奈良県の吉野です。

この世に実在するシュレディンガーの猫。それこそ、彼ら。大阿闍梨(だいあじゃり)と呼ばれる存在です。

大阿闍梨というのは千日回峰行と呼ばれる過酷な修行を達成した僧侶に与えられる称号です。

この千日回峰行という修行。今風の言葉で言うと、エクストリームトレイルラン。

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千日回峰行とは?

この修行の中身、ざっくりいうと往復30キロ~48キロにも及ぶ険しい山道(やまみち)を毎日、連続100日や連続200日、といった具合でたとえ大雪が積もろうと台風で道が流されようが何があっても休まずに往復し、合算して約700日~1000日程度になるまで続けます。

まさしくこの修行は命がけであり、現在はさすがにそこまではしませんが、大昔では途中で投げ出した場合は自分で自分の首をくくる縄と自害を図るための短刀、その遺体を埋葬してもらうお金を持参していたとのこと。

そんな命を懸けた過酷な修行が終わると、次が堂入りと呼ばれる修行に入ります。これがいわゆるシュレディンガーの猫が入れられた毒ガスが出る箱にあたります。

いったいどういうことなのか?

この修行の内容。それがなんと9日間、飲まず、食べず、寝ず、横にならず、お経をひたすら唱え続けるのです。その数、10万回。

9日間もの間、人間が一切の食事を取らず、さらには生命維持にとって必要不可欠である水分も摂取せず、尚且つ一睡もせず、ひたすらお経を唱え続ける。

9日間じっとしているのなら、生存は可能だと思います。しかし、そうではなく、一切、横にならずに不眠不休でひたすらお経を唱えるという運動をし続けている。

仮に現代のAIを使ってこの環境下でシミュレーションを行えば、はじき出される答えは「死」、もしくはそれに類する言葉だと思います。

そうなんです。普通に考えれば、彼らは死んでもおかしくはない極限状態にいるのです。

しかし、彼らは生きている。生きてこの修行を終えている。

まさしく、シュレディンガーの空想した存在。生きながら死に、死にながら生きている、死んだ状態と生きた状態が重なり合っているそんな存在。それが千日回峰行を達成した僧侶。大阿闍梨。

では、なぜそんなことが可能となるのでしょうか?

【実在するシュレーディンガーの猫】千日回峰行の科学

ここで重要なのが、パラダイムの転換です。いわゆるコペルニクス的転回と呼ばれる、常識をぐるっと180度回転させます。

つまり、従来のエネルギー代謝理論を転換させてみます。

いったいどういうことなのか?

それがケトン体代謝理論です。

人間の当たり前と思われている、糖質と脂肪に頼っているエネルギー代謝ではなく、人間が非常事態、飢餓状態で使われるケトン体代謝。実はこのケトン体代謝こそが人間のメインの代謝であるというパラダイムの転換です。

【解説】糖質制限ダイエットが秘密!?伝説の飛脚の持久力の科学

簡単に説明すると、人間は進化の過程で常に飢餓状態に置かれていた。よって、そんな飢餓状態を生き抜くすべとして獲得したのがケトン体という代謝物質。

その証拠として、お腹の中にいる新生児のエネルギー源は糖質ではなく、このケトン体に依存しているという衝撃の事実です。

そんなはずはない!!

と息まく専門家は是非、こちらの本を読んでみてください。ここには再現性のある数値ベースの事実が載っています

人類が農耕を始めた、つまり糖質に依存し始めたのは今から約1万年前。それまでの200~300万年はケトン体こそが人類のメイン燃料であり、サブ燃料こそが糖質であった。

つまり我々人類と糖質との関係はまだ始まったばかりなのです。

だからこそ、僕たちのDNAにはケトン体を代謝出来るプログラムが組み込まれています。

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周りを見渡してみてください。

現在は糖質がありふれています。しかし、そんな現代こそが特異的で、まさに例外な状況なだけです。

そんな例外を僕たちは常識だと誤認しているのではないのか?

これが人類史を俯瞰することで導き出されるひとつのエネルギー代謝理論仮説です。

もともと人間のベースは飢餓状態。だからこそ、エネルギー効率の良いケトン体をメインエネルギーとして使用していた。

ケトン体はグルコース(糖質)と比べATP(エネルギー)産生比率が25%も高い、つまり燃費効率が著しく良いということがわかっています

これは順天堂大学医学部で教鞭をふるっていた白澤卓二教授の指摘です。

このように我々の人体は合理的に出来ているのです。

以上からこの仮説をわかりやすく説明すれば、こうです。

僕たち一般人はガソリン車。しかし、千日回峰行を達成した大阿闍梨たちはいわば電気自動車か高性能なハイブリット自動車。だからこそ、燃費を最小限に抑えることができるため、超省エネで活動することが出来た。

だからこそ、9日間、一切食べず、一切飲まず、一切寝ず、一切横にならず、お経を読み続けることが可能となった。

そして、重要なのがその起動スイッチです。

それこそが千日回峰行

ケトン体のスイッチをオンにする千日回峰行【シュレーディンガーの猫の秘密】

堂入りの前の何十キロにも及ぶ山道を休みなく毎日往復する世界で一番過酷と言っても過言ではない修行。

少ない食事と長距離の過酷な運動の連続。だからこそ、体は危機反応を起こし、代謝を糖質代謝から本来の人間のあるべきケトン体代謝に変換した。

この回峰行が行われるからこそ、堂入りでは、ある程度ケトン体代謝に慣れた体で行に挑めたのではないのか?

これが実在するシュレディンガーの猫、生きながら死に、死にながら生きている大阿闍梨の科学的な仮説、奇跡と呼ばれる現象の説明です。

と、ここまで聞くとひとつの慣用句にもそのロジックが見て取れます。

みなさんも一度は耳にしたことがないでしょうか?

霞を食うという言葉。

この言葉の意味としては仙人は霞を食って生きているといわれることから、浮世離れして、収入もなしに暮らすことのたとえです。

まさに千日回峰行のメッカである奈良県吉野にゆかりのある文学作品、太平記にもこうあります。

彼の仙人縦ひ霞を喰らひ気を飲て、長生不老の道を得たり

(その仙人は霞を食べて空気を飲み、不死身の道を得た)

この霞こそ、まさにケトン体。ケトン体代謝によって、あまり食物を摂取せずともある程度の活動が出来た。現代の糖質過多の時代ではまさに長生きに直結しそうな考え。

これが霞を食うという言葉に隠された科学的な解釈ではないのか?と僕は考えます。
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【千日回峰行でひも解く】アイアンマントライアスロンでの持久力の謎

https://tomonoura-triathlon.com/2018/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%81%A3%E3%81%A6%E4%BD%95%EF%BC%9F%E3%80%8C%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%80%E9%81%8E%E9%85%B7%E3%80%8D%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%9C%AC%E5%BD%93%EF%BC%9F/

そして、実はアイアンマンレース、鉄人レースと呼ばれる水泳3.8km、自転車180km、ランニング42.195kmの合計226kmを1日で走破する超過酷な競技において、糖質の補給をほとんどしなくても完走した人もこの仮説で説明できると考えています。

ちなみに、この超効率的なエネルギー代謝、ケトン体をスポーツに応用するには条件があります。

詳しく知りたい方はこの動画もしくはブログをご覧ください。

【東海大学と國學院大学】箱根駅伝で起きた最大の悲劇【マラソン×糖質】

まとめ

シュレディンガーの猫、生きた状態と死んだ状態が重なり合っている存在。大阿闍梨と呼ばれる過酷な修行から生還した僧侶たち。点と点が繋がって表れるのが、持久力の源である、エネルギー代謝理論のパラダイムシフト。

これが歴史のはざまで息づく特異点から見出す奇跡の正体だと考えます。

今回は量子物理学に着想を得て、この日本における壮大な奇跡を人類史を俯瞰したエネルギー代謝理論をもとに考察してみました。

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