【初心者ランナーにこそおすすめ】なぜトレイルランで足が速くなるのか?

書籍紹介

みなさんどうも、こんにちは!

僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。

山道(やまみち)、こういうところで、春は新緑、秋は紅葉、季節の移り変わり、自然を楽しみながら走りましょう。人間本来、それこそ生まれながらのLSDをしていた時代はこういうところを走っていたのではないでしょうか?

この言葉。

日本においてLSD、Long Slow Distanceと呼ばれるゆっくりと長い距離を走るトレーニングを広めた第一人者、箱根駅伝の名門校である東洋大学、NEC陸上部(現在は廃部)の監督を歴任した佐々木功さんの言葉です。

よく聞く、長時間のジョギングやLSDトレーニング。

もしその効果を最大限に引き上げるにはどうすれば良いのでしょうか?

それこそ、やはり原点回帰。つまり、クロスカントリー走と呼ばれる不整地を走ったり、トレイルランと呼ばれる山道を走ることにつきます。

本日はそんなアスファルト以外、つまり大自然の中を走ることで得られる効果を様々な書籍や研究から、個人的な感想ではなく、何が良いのか?どう良いのか?なぜ良いのか?という疑問に対して、根拠を提示しながら解説していきたいと思います。

このブログを最後まで見ると、すぐにでも走りに行きたくなる、そんなクロスカントリー走・トレイルランの魅力がわかる!是非最後までご覧ください!

初心者ランナーにはトレイルランがおすすめ

さきほどの佐々木監督が思い描く効率的なトレーニング。

この本、「ゆっくり走れば速くなる」という名著の中で、佐々木監督はこう言っています。

持久走や持続走的なことをやるならクロスカントリー走をすすめます。アスファルト上を走るより多くの効果を得られます

つまり、佐々木監督は不整地、大自然の中で走ることを特におすすめしているのです。

そうすることで、真面目なランナーが陥りがちな走行距離やペースという概念をいったん外し、カラダと対話出来、数値では現れない自分の体調をつかめる。さらに自然を楽しむことでリフレッシュでき、三日坊主ではなく長い期間にわたって、ランニングを続けることが出来るとも指摘します。

大自然の中で、距離やペースを超えたところで自分と対話しつつ、自然を楽しみながら走る。

だからこそ、「全力の60%くらいを目安にしてみよう」と佐々木監督は具体的なアドバイスもくれます。

こうすることによって、運動によって出来た疲労が運動によって抜けていき、また生まれた疲労がまた抜けていくという好循環が生まれる。

するとマラニックやトライアスロンのように9時間も運動を続けても翌日に疲労が残らないカラダになれる。

これが、LSDが目指すひとつの目的なのです。よりLSDを知りたい方はこちらの動画で詳しく解説しています。

【LSDの生みの親】ゆっくり走れば速くなる 佐々木功監督が教えるマラソン最強トレーニング

初心者ランナーにトレイルランがおすすめな理由①怪我の予防

翻って、ルームランナーやアスファルトでのランニング。

単調な動作を繰り返すと、人間は飽きを感じることからも、意識の仕方に工夫を持たすことが大切です。飽きてしまうと、どうしても疲れを感じやすくなります。何も考えないでだらだら行う練習こそが一番疲労をため込む原因かもしれません。

そう指摘するのが、あの伝説的アスリートであり、現在は東京医科歯科大学教授、室伏広治さんです。

室伏さんが指摘するのは良く陥りがちなルーティンメニューの罠でもあります。

しかも、この指摘は精神的なものだけではありません。なんと単調な動作、同じ動作を長年続けることがひいては怪我に繋がる可能性も示唆されています。

シャーリーサーマン博士

世界的権威のある理学療法士のシャーリー・サーマン博士は、ケガが起こるメカニズムについて、

長年同じ姿勢で運動を繰り返すことで、筋の長さや、強さが変わり、筋肉がアンバランスになる。そしてこれが運動機能障害に結びつく

という仮説を提唱しています。

さらに、スタンフォード大学の生体力学研究者キャサリン・ボイヤー博士は、着地面の固さではなく滑らかさにも注目すべきだと述べています。

一般的に怪我の原因としてよく言われるのが、アスファルトの固さです。固い路面のため加えた力がダイレクトに関節に衝撃として加わり怪我をする。

もちろんそれもありますが、それと同等にボイヤー博士は

「アスファルトのなめらかな平坦さ」というのも怪我の原因となっている

とも指摘しているのです。

ボイヤー博士の指摘はこうです。

舗装された平らな表面ではストライドがほぼ同じになり、ランニング時には筋肉や関節、骨に同じ圧力がくり返しかかります。

このため、トレーニングの強度を急に上げると足の酷使によるケガの発生につながるというのです。まだ解明されていませんが、同じことがルームランナーにも当てはまると考えられています。

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だからこそ、山道が良いのです。ボイヤー博士はこう続けます。

対照的に、未舗装の表面、つまり不整地では、毎回、着地面が微妙に異なるため、身体への衝撃もわずかに変化し、ケガの発生率を低下させます。ただし、あまりにも表面が不均衡な場合には、足首をひねったりする危険もあります。

ボイヤー博士はこうアドバイスをくれます。

ポイントは、まっ平でも、過度に凹凸でもない、不均衡のある表面上を走ることです

以上から山道では、室伏さんが指摘する一番疲労をため込む可能性のある惰性的な、言ってみれば、だらだらと走ることが出来ないため、疲労の蓄積が結果的に少なくなる。

さらに山道では同じ姿勢で運動することはなく、ときにはウォーキングになったり、階段を上ったり、まんべんなくカラダを使うことが出来ます

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さすがに、ボイヤー博士の言うような転ぶ心配や足を捻挫する心配がなく、尚且つ良い感じにアップダウンがある山道はなかなか見つけられませんが、ルームランナーやアスファルトという変化のない道を走り続けるより、長期的に見れば、よほどカラダに良いことが想像できます。

だからこそ佐々木監督の慧眼。LSD、長くゆっくり走るトレーニングこそ、このような大自然の中で行うとより効率的なのです。

ちなみに佐々木監督はボイラー博士が思い描いた理想的な道を見つけ、そこで、ロング走+ヒルトレーニングを組み込むというとても面白いメニューをしていました。

ちなみに場所は関東でした。読み終わった本は図書館に寄贈している関係で詳しい場所を忘れてしまいましたが、この本、「ゆっくり走れば速くなる」の後半に具体的な地名が載っていたように思います。気になる方はチェックしてみてください。

もちろん内容自体もおすすめの一冊です。

初心者ランナーにトレイルランがおすすめな理由②免疫力アップ

さらにこんな興味深い研究もあります。

2008年、千葉大学の宮崎良文博士と共同研究者の李卿(リケイ)博士の研究では、東京在住の中年ビジネスマンの一団を森に連れていき、3日間、2~3時間ほど大自然のなかをハイキングしてもらいました。

3日後に血液検査を実施したところ、ビジネスマンたちのNK細胞というウイルスなどを撃退してくれる細胞が、40%も増大していることがわかり、さらにその後も7日間、NK細胞が増えた状態は持続されました。

そしてなんと、一ヵ月が経過しても、NK細胞の数は森ですごす前よりも23%も多かったと報告され、いっぽう、実験と同様に3日間、都会で散歩してもらったところ、NK細胞の数に変化は見られなかったことがわかりました。

この研究でわかったこと。

それは自然の中で軽い運動をするだけで健康になれる可能性がある、免疫力が向上する可能性が示唆されたことです。

だからこそ、この論文は反響を呼び、学術誌6誌に掲載されました。

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初心者ランナーにトレイルランがおすすめな理由③体調が良くなる

また同じく宮崎博士の2011年の論文では、森のなかをゆっくりと散策すると、都会を歩いているときと比べて、ストレスホルモンと呼ばれているコルチゾール値が12.4%も下がると報告されています。

しかもそれだけではありません。

交感神経の活動が7%、血圧が1.4%、心拍数も5.8%下がり、また心理面についても気分が良くなり、不安感が軽減したという結果も報告されました。

このように大自然の中でトレーニングすることは、都会や室内でトレーニングするより、幅広い恩恵を預かれる可能性があることが明らかになったのです。

自然セラピーの予防医学的効果 | CiNii Research
Five million years has passed since a subset of primates recognizably became human. Because we have already spent more than 99.99% of our evolutionary history i...

作者のミスか?編集者のミスか?翻訳者のミスか?

もともと書籍(Nature fix)に載っていたのをメモしたのですが、元論文にあたってみると全然数値が違いました。NK細胞についても上記の論文の後半に記述があるので、そちらをご参考ください。

本の主題には影響がないですが、参考文献リストもないので「正直、う~ん」という感じです。このレベルの本であれば、原著には文献リストがあるような気がするんだけどな~。英文そのままコピペで良いので巻末にほしい(原著になかったらすみません)。

個人的にはこのような文献をつけるなどの行動が、根拠を確認したり、興味の幅を広げたり、語学力アップに貢献したりと日本人の知識レベルの底上げに繋がっていると思うんですが※個人的な感想※

初心者ランナーにトレイルランがおすすめな理由④創造力アップ

ランニングとは創造の楽しさ、面白さ、喜びだと思っています

この言葉。これも何を隠そう佐々木功監督の言葉です。

創造の楽しさ、この言葉もとても示唆に富みます。

先程の本、Nature fixの中に載っている、ストレイヤー博士の研究によれば、被験者56人の創造性を測定するために、被験者の半分には3日間のハイキングに出発する前に「リモート・アソシエイツ・タスク(RAT)」というテストを受けてもらい、残り半分にはハイキング終えた3日後に同じテストを受けてもらいました。

ちなみにリモート・アソシエイツ・タスクRATとは「直観力」と「創造性」測定できるテストです。

小規模な実験ではあるものの、その結果は科学誌「プロスワン」に掲載され、研究者たちの注目を浴びました。

なぜか?

なんと、ほんの3日間自然のなかですごしただけで、50%も創造性が向上したと報告されたからです。

Creativity in the Wild: Improving Creative Reasoning through Immersion in Natural Settings
Adults and children are spending more time interacting with media and technology and less time participating in activities in nature. This life-style change cle...

以上から、アイデアを生み出すベストな方法は運動+自然、そう、それこそハイキング、登山、トレイルランなのかもしれません。

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初心者ランナーにトレイルランがおすすめな理由⑤ストレスが解消される

また、フィンランド国立自然資源研究所の研究者リサ・トゥルヴァイネンのチームが行った3000人を対象にした研究によると、一ヶ月に5時間、自然のなかですごすと、ストレス軽減にとって最大の効果を得られるという結果が報告されました。

一か月にたった5時間で最大の効果

よって、ストレスが多いこの現代社会において、週末などにトレイルランやハイキング、登山を組み込むことで、

免疫力が高まり、血圧も下がることで健康になり、創造性が高まり、ストレスも軽減できることで仕事や勉強での効率も上がる

というトレーニング以外の側面でも大きな効果を得られる可能性が示唆されました。

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初心者ランナーにトレイルランがおすすめな理由⑥腸内環境の改善・腸内細菌活性化

まさに自然の公園こそ、科学的に正しい「パワースポット」なのです

そう指摘するのが腸内細菌のエキスパート、グラハムロック博士です。

なぜ自然豊かな公園が科学的に正しいパワースポットなのか?

持久系スポーツには不可欠なエネルギーという概念。

おにぎりを一個食べると約179kcal、食パン一枚は約168kcal

これが通常、カラダに吸収されエネルギーとなります。

しかし、「実はこれは間違っているんじゃないか?」と鋭い指摘をするのはハーバード大学のジョンレイティ博士です。

なんと人間はそのカロリーよりはるかに多くのエネルギー、数値にすれば従来のカロリーの10%以上のエネルギーを摂取出来るのです。

ジョンレイティ博士はこう言っています。

わたしたちの体内には今現在、地球上に存在する人間の数より多くの微生物――大方は細菌――が棲んでいる。その細胞数はわたしたち自身の細胞の数をも上回っている。これほどの膨大な情報を自然が利用しないなどということがあるのだろうか?

そしてなんと、いくつかの研究から、体が利用できるカロリーは、消化器系に棲む細菌の種類に左右され、細菌はわたしたちが摂取できるエネルギー量を10%も多くしていることがわかりました。

この考え方をマラソンや持久系スポーツに活用したのが腸内コンディショニング仮説です!

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さらに実験で明らかになった事実として、肥満のマウスの腸内で見つかったある細菌を別のマウスに移すと、そのマウスも肥満になったり、食物からは摂取できないビタミン類を、特定の細菌が人間に与えてくれているという証拠も出てきました。

このように腸内細菌は預かり知れぬところで、確実に私たちのカラダに影響を及ぼしています。

そして、驚くべき事実は、大自然の中にいればそんな腸内細菌の恩恵に預かれる可能性があるということです。

先程のグラハム・ロック博士はこう指摘します。

大気中の微生物は、わたしたちの呼吸器から体内に入って腸へ向かい、免疫システムに影響をあたえます

さらにこうも指摘します。

よって、自然の大気を吸い込むだけでも、腸内環境は改善していきます。だからこそ、自然の中で過ごすと体調が良くなるのは、腸内環境が正常化したおかげも大きいのではないのでしょうか。

これが先程の言葉。まさに自然の公園こそ、科学的に正しい「パワースポット」なのですという言葉の真意です。

以上から、大自然の中を走るクロスカントリー走やトレイルラン、もしくはハイキングや登山などは科学的に見ても、心身ともにとてもカラダに良いと言えるのです。

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まとめ

様々な研究からわかった事実として、免疫力アップ、体調が良くなる、創造性アップ、ストレス解消などなど、森林や大自然は人間にとてつもなく大きな恩恵を与えてくれます。

さらにトレーニングという側面から言えば、LSDと呼ばれるゆっくり長く走るトレーニングこそ大自然の未舗装路で行うことで、長期的な怪我のリスクを下げたり、自分の体調をつかむことが出来たり、何時間動いても疲れ知らずの持久力の向上が見込めるかもしれません。

だからこそ、僕自身、週末はトレーニングメニューにトレイルランを組み込んでいます。まずはハイキングからでも良いので是非、一度みなさんも気軽に大自然の中で運動してみましょう!

心身ともに健康になり、アイデアも湧き出て、尚且つ持久力もアップ出来るという魔法のトレーニング方法です。

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