【ランニングの仕組み】なぜマラソンランナーはドMと呼ばれるのか?

速く走るための方法を考える

みなさんどうも、こんにちは!

僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。

みなさんはこんなことを聞いたり言われたりしないでしょうか?

それは

なんでマラソンなんて、そんなしんどいことをやっているのか?ドMなのか?

僕自身、かなり言われてきました。

マラソンや持久系スポーツをやっていない人からしたら、そのようなストイックさは変態と映ることは、まぁ、理解できます。

しかし、この現象。つまりランナーがそこまで頑張れる理由、苦痛に耐えられる理由。今回はドMと呼ばれる由縁を科学的に解き明かそう!というコンセプトでちゃんとした根拠を示しつつ、解説していきたい思います。

この記事を最後まで見れば、なぜランナーがドMと言われるかの理由がわかる。

なぜマラソンランナーはドMと呼ばれるのか?

結論から言えば、その原因はふたつ考えられます。

①マラソンランナーたちはドMなのではなく、痛みを感じる閾値が上がっているじゃないか仮説(痛み耐性向上仮説)

②脳内物質ドバドバ運動中毒仮説

大丈夫です。わかりやすく説明していきます。

まずひとつめの仮説から説明します。

【痛み閾値向上仮説】マラソンランナーは痛みに強いからドM!?

マラソンランナーたちはドMなのではなく、痛みを感じる閾値が上がっているんじゃないか。つまり、普通の人が苦痛に感じることも、同じように苦痛とは感じないということです。

なぜそんなことが言えるのか?

2017年イギリスのブルックス大学でマーティン・モリスとトーマス・オリアリーが共同で行った実験。

被験者をふたつのグループに分けます。そしてこのふたグループにエクササイズバイクを使って、ひとつのグループには高強度でインターバルをはさむ形、もう一方には中強度で継続的な形で、自転車漕ぎトレーニングを6週間行ってもらいました

ちなみに運動強度はふたつともほぼ同じようになるように設定されました。

6週間後、運動強度自体が同じように設定されていたため、最大酸素摂取量(VO2MAX)と乳酸性作業閾値は両グループ、ほぼ同等程度の向上が見られました

ここまでは予測が着きます。

おもしろいのがここからです。なんと、この実験で二つの大きな違いが見受けられたのです。

大きな違いとはいったい何なのか?
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ひとつが痛みの耐性です。トレーニング期間の前と後で、痛みの耐性を測る検査をしたところなんとインターバルを取り入れた高強度グループは耐性が41%向上したのに対し、中強度グループには変化がなかったのです。

さらにもうひとつの大きな違い
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それは一定のパワーをどれくらいまで出し続けられるのかという限界を測るTTEテスト(time-to-exhaustion test)で、インターバルを入れた高強度グループは成績の伸びが著しく、自転車をこぐ時間が148%増加したのに対し、中強度のグループは38%の増加にとどまりました。

そして、これらの結果を比べて、研究者は痛みの耐性とTTEテストでの成績の伸びには相関関係があることも発見しました。

つまりこの実験結果が示唆していること。それはトレーニングでの苦痛が痛みへの耐性向上につながり、耐性が向上することで競技成績の伸びが予想される、というもの。

言い換えると、インターバルなどの高強度のトレーニング自体が痛み耐性を引き上げ、痛み耐性が上がったことで限界まで動き続けられる。その結果競技成績も向上する、これがわかったことです。

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さらに2013年、スポーツ科学者のフロイントらは”トランスヨーロッパ・フットレース”に参加したウルトラランナーを対象に、痛みへの耐性を調べた研究結果を発表しました。

その研究結果で示唆されたこと。それは定期的なフィジカルトレーニング、特に高強度の運動を含むものは、痛みへの耐性を高めるというものでした。

またこれらとは別にとても興味深い研究もあります。

スコットランドのスターリング大学の心理学者カレル・ガイズバーズがスコットランド水泳代表チーム30人、クラブレベルのスイマー30人、非アスリート26人を対象にした痛みに関する実験では、競泳シーズンのピークである6月が最も痛みへの耐性が高く、オフシーズン明けの10月が最も低く、通常のトレーニング期間の3月が中間であることを発見しました。

なぜ痛み耐性にこのような時期的な波があるのか?

それは高負荷のトレーニングを行っていると痛み耐性が高く、低負荷では痛み耐性が低くなっているということを示唆しているからです。

そうなのです。運動強度と痛み耐性には明らかに相関関係があるのです。

これらの3つの研究からストイックなランナーがなぜドMと呼ばれるのか説明がつくのです。

そう、それは高強度トレーニングによってドMは作られるという恐るべき真実です。

好記録を狙うランナーはインターバルなどの高負荷トレーニングをします。このようなきついトレーニングによって無自覚的に痛み耐性が上がり、普通の人間がきつくてやめることも耐性がついたために、やり遂げる。傍から見ればドMに映ってしまう、そういうロジックなのです。

これが科学的に見たランナーがドMに見える現象の説明です。

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【脳内物質による運動中毒仮説】マラソンランナーがドMに見えるのは脳内物質のせい!?

では、仮説二つ目。脳内物質ドバドバ運動中毒仮説です。

この仮説の正体。それこそみなさんがご存じの現象。そう、ランナーズハイです。

現在、ランナーズハイの原因はよく聞く脳内物質”エンドルフィン”以外にも内因性カンナビノイドが強く関係していると言われています。

この聞き慣れない物質、内因性カンナビノイドとは一体何なのか?

内因性カンナビノイドとは、脳内物質のひとつであり、大麻やマリファナのように苦痛を緩和し、気分を向上させる作用があります

そしてこの内因性カンナビノイドの最大の特徴は持久系運動、持久力と関連していることです。

マウスを使った実験では、この内因性カンナビノイドをブロックすると、運動をさせたとしてもマウスは不安状態に陥りやすく、痛覚刺激に敏感になる、つまり痛み耐性が低下することが報告されています。

だからこそ、痛みとこれらの脳内物質は関係していてもおかしくないのです。

そもそも、人間は驚異的なスタミナを使い走って走って走りまくって獲物をヘロヘロになるまで追い込み、狩りをしていたのではないかという持久狩猟仮説が存在します。

だからこそ持久力を発揮すると報酬が得られる仕組みになっており、それがランナーズハイと呼ばれる現象の秘密ではないか?

アリゾナ大学の人類学者、デイヴィッド・ライクレン博士はそう指摘しているくらいです。

さらにこのランナーズハイと関係があるとされる内因性カンナビノイドの血中濃度が高くなると、極度の人見知り、社交不安が緩和されることも報告されています。

なぜ、ランナーズハイになれば人見知りが緩和されるのか?これが何を意味しているのか?

それはチームワークの形成です。

走って狩りをする持久狩猟を含め狩りというのはひとりで行うのではなく、集団で行います。だからこそ、チームワーク、人とのつながりや絆が必須となります。

ランナーズハイの原因とされる内因性カンナビノイドには疲れを忘れさせるという現象以外にもそういったチームワークを作り出す作用もある。だからこそ、ランナーズハイになれば人見知りが緩和されるのです。

ここにランナーズハイ、もっと言えば内因性カンナビノイドなどの脳内物質のおもしろくも合理的な意義が見て取れます。

また、脳ではなく筋肉自体から分泌される運動誘発性マイオカインと呼ばれる物質も快感や満足感を与えてくれていることも近年、分かってきました。

運動誘発性マイオカインをいち早く取り上げた科学論文は、それを「希望の分子」と呼ぶほど、運動によって気分が好転する、希望を見出せるのです。この運動誘発性マイオカインはうつ病の患者には運動するのが良いや巷で言われる筋トレがすべてを解決する、その理由を説明できるひとつの根拠でもあるのです。

運動で人生を変える方法とは?ランナーズハイはどうして起こるの?

マラソンやランニングをすると分泌されるこのふたつの物質。内因性カンナビノイドと運動誘発性マイオカイン

これらの物質がランナーを運動中毒にしてドMと呼ばれるようなストイックさに影響を与えている可能性は大いに考えられます。

スタンフォード大学の心理学者ケリー・マクゴニガル博士も著書の中で

厳しいトレーニングを重ねることで、精神力が鍛えられ部分もあるはずだ

とも指摘し、その理由がこれらの脳内物質である可能性も十分に考えられます。

またこれらの物質がたくさん分泌されることで結合部位が増大することも示唆されています。つまり、マラソンやランニングにおいて脳が余計、敏感になるために、さらに喜びを感じやすくなる。これがランナーズハイを含めた運動すればするほど楽しくなる原理、運動中毒になる理由だと考えられています。

詳しくはこちらの動画で解説しています。

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以上、ランナーがドMと呼ばれる理由を痛み閾値の向上と脳内物質による運動中毒という視点で考察してみました。

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