【HIITトレーニングのメリット】頭が良くなる走り方ハイインパクトランニング

さまざまなもの

みなさんどうも、こんにちは!

僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。

みなさんは走っているでしょうか?

競技志向、健康志向、リフレッシュ、ダイエット、様々な目的でランニングをしている方が多い中、最近は脳科学が発展してきたことで、「学習効率を上げる」という側面でランニングを取り入れている方もよく見かけます。

有名どころではデイリーマイル

毎日1マイル、約1.6キロを走るというもの。

2012年、スコットランドの小学校の校長をしていたエレイン・ワイリーは座りがちのライフスタイルが生徒たちの心身の健康に影響を与えているようだと気がつきました。

よって彼が実施したプログラム。

1日に一度、勉強道具を置き、15分だけ校庭をランニングする

このプログラムの面白いところがいつ実施するかは担任の教師が自由に選べること。たとえば、子どもたちがとくに退屈そうだったり落ちつきがなかったりするときなど。

またこのデイリーマイルはクラス全員が一緒に走り、好きなだけ大騒ぎしながら、ひとりひとりが自分のペースを決められることが特徴。

以来、このデイリー・マイル・プログラムは1万1000校の学校に広がり、200万人を超える子どもたちが参加。国の教育施策に影響を与えるレベルでインパクトを与えた取り組みとなったのです。

気になる方は以下の無料の論文データベースで「daily mile」と検索してみてください。すると数多くの研究結果が表示されるくらい世界中の大学・教育機関でガッツリ研究されているのがこのデイリーマイル。

↓PubMed(パブメド)↓

PubMed
PubMed® comprises more than 36 million citations for biomedical literature from MEDLINE, life science journals, and online books. Citations may include links to...

↓Google Scholar(グーグルスカラー)↓

Google Scholar
Google Scholar では、さまざまな学術文献を簡単に検索できます。多岐にわたる分野と出典の論説、論文、書籍、要約、法律関係資料をお探しいただけます。

なぜなら、1日に1マイル、たった15分走るだけで、生徒の心身の健康が向上し、さらに認知能力がアップし授業に集中できるから。学習効率をアップさせ、学級崩壊を防ぎ、生徒の幸福度を上げるたった15分のランニングという学校運営には欠かせないひとつの切り札。

↓個人的に面白かった研究↓

Exploring the Acute Effects of the Daily Mile™ vs. Shuttle Runs on Children’s Cognitive and Affective Responses
『子どもたちの認知力と情緒的反応におけるデイリーマイルvsシャトルランの即時的効果の探究』

Exploring the Acute Effects of the Daily Mile™ vs. Shuttle Runs on Children’s Cognitive and Affective Responses
Background: This study investigated the acute effects of two physical activity (PA) bouts on children’s cognitive and affective responses. Methods: Twenty-nine ...
※コメント※
時間が経てばシャトルランのほうが効果的らしいです(おもしろ~)。
このデイリーマイルThe Daily Mileは“TDM”と省略され、なんとTM(トレードマーク:商標)にまでなっています。サクッといろいろな論文に目を通したのですが、学習効果(認知力等)↑は正直、思ったほどではない感じ(やらないよりはやったほうが絶対良い)。が、しかし、フィジカルやメンタルには「超」効果的なことが実証されているらしく、研究はその一歩先に進み、学校現場でいかに導入するかという実践的な分野にまで発展しています。
↓教育関係者は調べてみると面白いかもしれません↓
The Daily Mile: What factors are associated with its implementation success?
Background Despite the known benefits of a physically active lifestyle, there are few examples of interventions that have been successfully implemented at a pop...

↓英語が苦手(泣)な人でも英語論文を簡単に読む方法↓

ということで、今回はそんなランニングの「超」面白い側面をいろいろな書籍や研究から紐解いていきたいと思います。

このブログを最後まで見れば、あなたの知らない驚くべきランニングの「なぜ」がわかる。

基本的に一般人のブログやSNSにころがっている情報ではなく、書籍や論文ベースで深ぼりました。詳しい出典元は概要欄に載せたので、そちらも合わせてご覧ください。

【頭が良くなる走り方】ハイインパクトランニングは学習を改善する

いきなりですが、みなさんは学術論文というものを読んだことがあるでしょうか?

読んだことがない方がほとんどだと思います。

そんな学術論文、英語でそのままペーパー(paper)と呼ばれるものの評価法としてこんなものがあります。

それが被引用件数と呼ばれるもの。英語でサイテーション(citation)、複数形でサイテーションズ(citations)と呼ばれるものです。

つまり、実際に引用された数のこと。この引用された数が多いというのが、そのままその研究論文の重要度に繋がります。なぜなら、実際にその研究が使われていることを意味しているから。

最近出た日本の学術レベルが落ちまくっていることを論じたネイチャー誌の論文。その名も「日本の研究はもう世界クラスではない~その理由がこれ~」という日本の凋落ぶりを明らかにした研究。

その中で指摘されているのが、このサイテーション数、つまり被引用件数の少なさです。この衝撃の研究論文は概要欄に貼っておきます。

Japanese research is no longer world class — here’s why『日本の研究はもう世界クラスではない―その理由がこれ』

Japanese research is no longer world class — here’s why
Despite a strong workforce, Japan’s research continues to slide down the indicators of quality.

↓上手くまとまっている記事(日本語)↓
https://gigazine.net/news/20231026-japanese-research-no-longer-world-class/

というような判断基準となるのが被引用件数であり、逆に言えばこの数が多い論文ほどその分野にインパクトを与えた研究とも言えるのです。つまり革新的な研究の可能性が高い。

という事実を知った上でひとつランニングに関わる画期的な研究をご紹介します。

それがこの研究。

その名もHigh impact running improves learning『ハイインパクトランニングは学習を改善する』

この論文の被引用件数が「1173件」※google scholar調べ2024年2月現在※

ランニングに関係する研究論文の中でトップクラスにこすられている研究、言葉を換えるとみんなに使われた研究。

それがこの研究。

では、どんな内容なのか?

それがまさしくこの日本で売れに売れまくったあのベストセラー「運動脳」。このタイトル通り、ランニングをすると頭が良くなることを示唆した研究なのです。この研究の結果は後半である意味どんでん返し的に触れるので、もうしばらくお待ちください。

【ランニングで勉強ができる】効率の良い勉強法と運動脳の作り方

↓【これでOK!】ベストセラー脳を鍛えるには運動しかない↓

【うつ病も治る!?】有酸素運動と高心拍トレーニングはなぜおすすめなのか?

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【ランニング×BDNF】頭を良くする脳由来神経栄養因子とは?

みなさんは「BDNF」というややこしいアルファベット四文字を聞いたことがあるでしょうか?

『Brain-Derived Neurotrophic Factor』

この頭文字をとってBDNF、日本語では「脳由来神経栄養因子」とよばれる物質です。

先程の「1173件」も引用された研究論文で明らかにされたことのひとつがランニングによって20%も単語を覚える暗記力がアップし、それはBDNFのおかげっぽいというもの。本当はカテコールアミンという物質も関係していますが。

Q:カテコールアミンとは?

A:脳内物質で有名なドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン(エピネフリン)の総称

『ドーパミン×ランニング』こそ走る本質かも……「獲物を狩る」という文脈で

↓トレイルランによってADHDの症状が改善する(ドーパミンのすごさ)↓

※コメント※
概要欄にある目次から『【自然の中で注意力アップ】ADHD注意欠如多動性障害が人類にとって必要なわけ』まで飛んでください。ADHDは「知識」で肯定できる!僕が学生時代にずっと探していた答え(大学では発達障害領域を研究していました!)

巷で言われるランニングをすると頭が良くなる、運動をすると頭が良くなると言われるようになったひとつの根拠がおそらくこの論文。

違っていたらすみません。

理解できなくても全然OKなので是非、一次資料に目を通して雰囲気だけでも感じてみてください。

認知神経科学×ランニング

High impact running improves learning『ハイインパクトランニングは学習を改善する』

High impact running improves learning
Regular physical exercise improves cognitive functions and lowers the risk for age-related cognitive decline. Since little is known about the nature a…
※コメント※
結論:(激しい)ランニングで暗記力の学習効率が20%↑↑
BDNFとカテコールアミンのおかげで。被引用件数はなんと「1173件」。そう、よく言われるランニングとBDNF(脳由来神経栄養因子)の関係を深ぼった研究。
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そんな学習能力アップに関係するBDNF、 脳由来神経栄養因子。このイメージが全くつかないよくわからない物質の超面白い真実を本日はみなさんと共有したいと思います。

ちなみに今からのBDNFにまつわる知識はバリバリの専門家でも指摘している方をついぞ見たことがない面白いものです。

まず初めに結論を言うと、BDNFのもともとの役割はハーバード大学の生物学教授の言葉を借りればこういうもの。

BDNFはもともと、哺乳類が身体活動中にエネルギーを得るために進化したもの

もともとはエネルギーを得るためにBDNFは存在していた。より詳細に言えば、このBDNFは持久運動に関わる代謝や血管の伸長などをupregulateさせる、つまり規制の枠を上に押し上げる、いわば増加させるのが本来的なBDNFと呼ばれる物質の働きのようです。

↓ハーバード大学の権威が語るBDNFについては以下の書籍を参照↓

※コメント※
下巻のp213に「BDNF×アルツハイマー病」との関連で語られています。以下でもこの書籍を解説しています
【ジョギングやランニングはするな?】ハーバード大学教授がおすすめするマラソントレーニング方法

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★「超」おすすめのBDNF関連の研究論文★

Linking brains and brawn: exercise and the evolution of human neurobiology

Just a moment...
※コメント※
仮説ベースですが、とても腑に落ちる話と面白い知見が散りばめられています。ここに「BDNFはもともと、哺乳類が身体活動中にエネルギーを得るためにに進化したもの」という斜め上の知識が載っています。「やっぱり進化生物学は「超」面白い!」と実感できる素晴らしい研究論文。最高!

つまり何が言いたいかというと、BDNFとはもともとは身体活動、特に持久運動を強化・促進させるための物質であり、だからこそ専門家はこの物質

BDNFはエネルギーを得るために使われていた

ということを踏まえつつ、現在の知見を見ていきましょう。

現在でのBDNFの主な役割。

それが脳の栄養剤としての役割です。ちなみに先程のハーバード大学の教授の言葉は実はこう続くのです。

BDNFはもともと、哺乳類が身体活動中にエネルギーを得るために進化したものだが、そのあとのある時点で、脳内で新たな役割を担うようになった

現在ではBDNFとは脳のスーパー栄養剤とも呼ばれ、この物質が神経細胞の成長・再生を促します。よって、BDNFを効率よく分泌できれば脳の活性化、イメージで言うと

神経細胞が増えまくり、結果、頭が良くなる

という関係性で語ることができる。

↓京都大学の権威が教えるスロージョギングの効果(BDNFの役割)↓

※コメント※
なぜゆっくり走るスロージョギングが良く?LSD(ロングスローディスタンス)はダメなのか?
上記のブログと動画の中でBDNF(Brain-Derived Neurotrophic Factor)について詳しく解説しています。運動するきっかけはこういうので全然OK!是非、ご覧ください。
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【HIITトレーニング】ハイインパクトランニングとはどのような走り方なのか?

では、どうすればこの頭が良くなるとされるBDNFを効率良く分泌させられるのか?

その手段のひとつがランニングなのです。それが先程の研究論文「ハイインパクトランニング研究」で明らかにされたこと。

ここでこのBDNFを紐解く面白いキーワードが存在します。それがランニングという二本の脚で大地を駆けるという行為です。

BDNFのもともとの役割は持久運動をするためのエネルギーを得るために使われていた。が、しかし、現在では、脳内で新たな役割を担うようになった。

これがBDNFの真の姿(あくまでこのような側面があるという意味で)。

とすれば、やはりキーワードはランニングなどの持久系運動となる。なぜならBDNFは持久系運動を強化するために進化してきたから。と断言したくなるのですが、実は事態はそんな簡単ではないらしいのです。

ここがBDNFなどの脳内物質の面白いところ。

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と、ここでまた最初の研究。『ハイインパクトランニングは学習を改善する』という研究に戻りたいと思います。

実はあえてこの研究の大前提をスルーしてきたので、ここで実験結果とともにもう少し深ぼります。

これまでの話でBDNF分泌においてはランニングなどの持久系運動が効果的なのは理解できたかと思います。

High impact running improves learning『ハイインパクトランニングは学習を改善する』

では、問題となるのがタイトルにあるこの言葉。

High impact running(ハイインパクトランニング)と呼ばれる謎のことばなのです。

「強い衝撃」という意味の「High impact」。これが何を意味しているのか?

この意味することのひとつが運動強度なのです。

実はこの研究では3つの運動で脳内物質の変化が調べられたのですが、それぞれ紹介すると

①高強度無酸素ダッシュ
②低強度有酸素ランニング
③休息、つまりなにもしない

この研究で判明したこと。

それは高強度無酸素ダッシュが他の2つと比べて20%も単語の暗記能力(学習能力)をアップさせた(効率化させた)こと。実は低強度有酸素ランニングではなく高強度無酸素ダッシュがダイレクトに暗記能力をアップさせた。

こう聞くと

ダッシュは有酸素運動、持久運動ではないじゃないか!!

とツッコミを入れたくなります。

そうなんです。この研究のタイトルHigh impact running improves learning『ハイインパクトランニングは学習を改善する』のハイインパクトランニングこそ実は高強度のダッシュだったのです。

そしてここからです。ここからより深ぼっていきます。

【HITTはカフェイン!?】 短時間高強度トレーニングの誰も語っていない裏側

このような研究から激しい運動が即座にそして直接、脳機能を向上させることがわかりましたが、一部の運動の専門家は

短時間集中型のエクササイズは、運動としてはまったくの的外れだ

指摘しているのです。

たとえば、脳画像研究において、記憶に関わる脳領域の厚さと座っている時間の長さに相関性があり、これには一日のどこかの時点で高強度エクササイズをしているかどうかはそこまで関係がないらしいのです。

↓HIITなどの短時間・高強度トレーニングがナンセンス」と指摘している話は以下の書籍から↓

※コメント※
p17を参照。この本の中でもBDNFを含め数多くの研究や知見が触れられています。関係ないですが、p112から登場するダンス心理学者ピーター・ラヴァット博士の生い立ちはとても面白く、文字が読めない状態(勉強したことがない状態)で中学?高校?を卒業して大検→博士号→ケンブリッジ大学教職→バリバリの研究者という話はおすすめ。

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そして、エクササイズをしたあとには気分と集中力が一時的に向上するものの、全体として見ると、お昼の休憩時間にランニングやバイク・エクササイズに全力を費やしたところで、たいした違いは出ない

昼休み前後のそれぞれ4時間を座って過ごす影響は、消えてなくならないとのこと。

よって、一部の運動の専門家はこのような恩恵は即効性・即時性はあるが、イメージ的にはカフェインのようなものであることから、人生レベルで考えると長く続けられる軽いランニングのほうが結果的には脳には良く、一時的に脳機能をハックできる高強度エクササイズはナンセンスと指摘しているようです。

個人的な意見だと、僕もいかにランニングを長い目で捉えられるかが重要だと考えており、特に高強度エクササイズなどにこだわる必要はないと考えています。なぜなら、低強度の運動も即時性や即効性はなくとも確実に脳には良い影響を与えていることが、記憶力が犯される病気、アルツハイマー病の研究からもわかっているからです。

もちろんこの病気でもBDNFが関係しています。

よって、これらの研究から僕がアドバイスをするなら、長い目で見て続けられる持久系運動を楽しく続けるのがベストであり、もし運動による即効性・即時性の効果を得たいのなら、高強度の運動を仕事前、勉強前に行う。より具体的に言えば4分程度で終了するタバタ式トレーニングなんんかがベストだと僕は思います。逆に長時間がんばりすぎると疲労感で元も子もないので、時間コントロールがカギのような気がします。

【マラソン練習にも使えるランニングを使ったHIIT】1日4分 世界標準の科学的トレーニング 今日から始めるタバタトレーニング

↓【徹底解説】戦略的に取り入れるタバタトレーニング↓

※コメント※
ブルーバックスから出た田畑泉教授が書いた「1日4分 世界標準の科学的トレーニング 今日から始めるタバタトレーニング」からその極意を紐解きました。

↓「科学的」に頭をよくする方法↓

※コメント※
『第14章 運動と汗』に運動との効果がエビデンスベースで書かれています。時間帯でも運動の効果の違いが出る!?朝が良いとのこと。タイトルを一見すると胡散臭そうですが、幅広く様々な研究を知れておすすめ!

というように、ベースは長く楽しく体を動かすという本来のBDNFが持っていたであろう機能に焦点を当て、「ここぞ!」というときには激しい運動を戦略的に織り交ぜていくことで、学習能力や仕事の効率化がはかれるかもしれません。

その結果、長い目で見て、認知症のリスクを低下させたり、体重のコントロールをしやすかったり、記憶力がアップしていたりというような恩恵が積もり積もってQOL(Quality of life)と呼ばれる「生活の質」の向上につながる可能性が高いと考えます。

つまり、人生スパンで楽しく体を動かし続けるのがベストというのが僕の現在の結論です。

【HIITトレーニング実践編】ハイインパクトランニングで記憶力アップ

ともう少し実用レベルで補足すると、「激しい運動を戦略的に織り交ぜていく」というライフハック的なランニングの使い方。

激しい運動とはどのレベルなのか?具体的に教えてくれ!

言葉が聞こえてきそうなので、先程のハイインパクトランニング研究から具体的な運動のやり方をご紹介します。研究というのは基本的に再現性が担保されるべきなので、この研究内容と全く同じことをすればおそらく同じ効果を得られるはずです。

このハイインパクトランニング研究では運動強度の測定に血中の乳酸濃度(乳酸値)が使用されました。具体的には10mmol/l以上と2mmol/l以下。つまり、この10mmol/l以上の運動強度が暗記能力アップには求められるのです。

ではこの血中乳酸濃度10mmol/l以上の運動強度とは一体どのくらいのきつさなのか?

↓乳酸値についての知識はこちらから↓

なぜゆっくり走るスロージョギングが良く?LSD(ロングスローディスタンス)はダメなのか?

この運動強度、一般的には1分程度しか続けられないレベルの運動

そう、超ハード。

よってこのハイインパクトランニング研究では3分未満の本気ダッシュを2回被験者に行ってもらっています。この2回の本気ダッシュがゆっくり走る場合、何もしていない場合と比べて学習効率を20%アップさせる。

この結果からも先程ご紹介した短時間トレーニング、タバタ式トレーニングなどが合理的だと僕は考えます。

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【古代ギリシャの暗記法】なぜBDNFが記憶力や学習能力をアップさせるのか?

さいごになぜBDNFが脳機能のアップ、記憶力や学習能力に貢献するのか?僕が好きな進化生物学的視点を使って簡単に解説して終わりにしたいと思います。

記憶に関係している海馬という脳の部位。

実はこの海馬は脳のGPS、空間のナビゲーションにも深く関わっています。よってこれを利用した古代ギリシャの哲学者やソフィストと呼ばれる弁舌家たちが使っていた暗記テクニックのひとつ。

それが場所のイメージと単語を結びつける暗記法。

自分の見知った土地に覚えたい言葉などを配置していき、それを頭の中でトレースすることで場所の記憶を使って単語やエピソードを引っ張り出すという伝統的な記憶方法。この方法なども海馬の役割を知っていればこそ、そこに合理性が生まれます。そしてBDNFはそれを促進させます。

では、なぜこの海馬のように物を覚えることと空間の能力が関係しているのでしょうか?

それは我々の祖先、初期人類が狩りをして獲物を持って帰らなければいけなかったから。帰り道を忘れたら、大切な家族を飢え死にさせてしまう。また、どこにどの動物、獲物や天敵が生息しているのか、どこにどの植物や果物が生えているのか、どこでどのような危険に遭遇したのかなどは生きていく上で必須となる情報。これらは必然的に「場所」と繋がっているのです。よって海馬は空間の情報と暗記に関係しているその記憶を安定させるためにBDNFなどがエネルギーを得るためだけでなく、記憶力アップにも使われるようになったという面白い合理性も実はみてとれるのです。そしてその一番の根底には二本足で長距離を移動するランニングという行為が存在する。

どうでしょうか?

ランニングは人類固有の頭の良さにも結びつき、またその持久力の根幹にもつながる行為でもある。

是非とも、息を切らすようなハードなランニングを戦略的に取り入れつつ、人生スパンで楽しく走っていってください。

【おすすめマッサージガン】ストレッチやマッサージは本当に効果がないのか?

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