【最悪のマラソン】最高のランニングための科学 ケガしない走り方、歩き方【膝の痛みを治す走り方・ジョギング】

書籍紹介

みなさんどうも、こんにちは!

僕は元帰宅部の本気【The VO2 MAX RUN】というYOUTUBEチャンネルでランニング・マラソン情報を発信をしている市民ランナーです。

みなさんはこんな格言をご存じでしょうか?

それが”No pain,no gain”日本語では「痛みなければ、得るものなし」

痛みをともなうハードなトレーニングこそ大正義という根性論的な格言です。

そんな格言を過去の遺物にしよう。それこそ”No pain,thank you”「痛みなければ、ありがとう」

これが自然で、健全なやり方だ

と主張するひとりのランナーがいます。

彼は40歳と44歳のときに、アメリカの空軍マラソンを2時間31分と2時間38分で制覇し、44歳のときにボストンマラソンを2時間34分でゴール。さらには国内屈指のウルトラマラソンJFK50マイルのマスターズ部門で1位になるなど輝かしい成績を残し、尚且つ、フルマラソン3時間切り、通称サブ3を毎年達成すること早30年、サブ3達成連続世界最長記録を保持しているそんな偉大なランナーでもあります。

そんな彼の名前はマーク・ククゼラ博士。

Mark Cucuzzella | Dr. Mark's Desk
Mark Cucuzzella collection of web pages consolidated into one informative view. In addition, you can find out more about Mark Cucuzella in the gallery.

彼の職業こそがウェスト・ヴァージニア大学医学部教授であり現役の医者なのです。

そんな彼が唱えるのは”No pain,thank you”「痛みなければ、ありがとう」であり、彼の友人、運動生理学者のミック・グラント博士の信念でもある”FUN FIRST(楽しさ第一)”でもあるのです。

本日はそんな最高のランニングをこちらの本、その名も「最高のランニングための科学 ケガしない走り方、歩き方」から見ていきたいと思います。

このブログを最後まで見れば、楽しくケガなくランニングができるそのノウハウがわかる。

最後には知っていて損はない研究ベースの超タメになるアドバイスもお伝えするので、是非最後までご覧ください。

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【ケガをしない走り方】膝の痛みを防ぐランニング・ジョギング

ランナーにつきもののケガや痛み。

地元にある高校の代表ランナー、彼は膝の痛みを抱えていました。

彼の膝はなぜ痛むのか?オーバーユース、走りすぎが原因なのか?

ククゼラ博士が見抜いたのは股関節の硬さ。股関節が硬く大臀筋を充分に使えていなかったのです。

よって、股関節を開くエクササイズと大臀筋を活性化させるエクササイズを実施。すると彼は快調に走り出しました。

パッとひらめいたかと思うと、膝の痛みが消えていたんです

と彼は語るくらい症状は改善。

では、なぜ彼の膝の痛みは改善したのでしょうか?

大臀筋とハムストリングスの連携を活性化させると、膝蓋骨、膝の皿の圧縮力が減軽されます。すると膝はショックアブゾーバー、衝撃吸収作用としてではなく、本来の蝶番として機能できる。つまり関節としてしっかりと機能する。

股関節が硬く、うまく大臀筋とハムストリングスを使えなかったことで、筋肉の連携がとれにくく、ここを改善することで、衝撃が膝から分散され快調に走り出せた。

このようなアプローチで

膝のすべての痛みを治せるわけではないが、膝の全面の痛みに効果的なことが多い

とククゼラ博士は指摘しています。

高校の代表になるようなハイレベルなランナー。そんな彼でも体を上手く使えていないのです。趣味ランナーなら余計に体を使えていないことは明白です。

だからこそ、もし膝に痛みがある場合は股関節にアプローチしたエクササイズやフォームローラーなどを使い股関節の硬さを改善し、大臀筋に刺激を入れるチューブトレーニングや深いスクワットなどを取り入れると膝の痛みが改善する可能性があります。

もし膝の痛みで悩んでいる場合は、是非、やってみてください!

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そしてこのエピソードで重要なのが、最良の改善策が安静ではないことです。安静にしたとしてもすぐに痛みはぶり返します。

ククゼラ博士はこう指摘しています。

ランニング関連の痛みに苦しんでいる場合、関節にとって効果があるのは一般に、患部を動かすことであって、固定することではない。正しい方法で走ること、そして歩くことは、間違った走り方による変性損傷の優れた治療法だ。

では、そんな正しい方法とは一体何なのか?

ズバリ、ニュートラルな体勢です。つまり、バランスのとれた良い姿勢のこと。

ククゼラ博士はこう言っています。

痛みやケガの原因は往々にして姿勢の悪さにあります。

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ランニングやジョギングでの痛みのケガの原因は姿勢の悪さにある

痛みやケガの原因は往々にして姿勢の悪さにあります

やはりよく耳にするこの指摘こそが本質のようです。

ということで、まず我々がすべきこと。それは立ち上がることです。「えっ」と思いますが、我々現代人は座りすぎています。

勉強やデスクワークなど座りすぎで股関節の筋肉がアンバランスになる。長時間の座位によって腸腰筋が短くなりハムストリングスが伸びて、さきほどの高校代表ランナーのように股関節の硬さにつながる。

この本に繰り返して出てくるキーワードこそがこの立ち上がり動作なのです。

見るか見ないか、知るか知らないかで人生を左右しかねない、長時間座ることの怖さ「座位フィードバックループ」に関してはこちらを是非ともご覧ください。

【姿勢を良くして腰痛や肩こりを治す方法】おすすめスタンディングデスクの使い方

この座位フィードバックループを断ち切るだけでも、股関節の硬さを防げ、ランニング時の膝の痛みが改善、もっと言えば全てのケガのリスクを減らせる可能性があります。

良い姿勢を再現できる環境作りこそが、ケガや痛みにアプローチする最も根本にあるのかもしれません。

ケガをしない正しいマラソンの走り方

ケガをしない正しい走り方。

この本ではこう指摘されています。

ベストな走りをするとは、リラックスして人体に本来そなわる効率を活かすことにほかならない

このときに重要なのがさきほども出てきた大臀筋

この大臀筋を活性化させたときに生み出されるホッピングの跳ね返りのような、地面からの「弾み」

この弾み、跳ね返りは「弾性リコイル」と呼ばれ、自然に脚を前へ上へと持ち上げてくます。

この脚の「弾性リコイル」は通常、ケイデンスが1分あたり180歩、つまり1秒あたり3歩に近づくにつれて最適になるとのこと。これは地形や勾配、上り下りにかかわらずです。

よってフォームで重要となってくるのが、この「弾性リコイル」をいかに上手く活かす着地が出来るかどうか?

だからこそククゼラ博士はこう指摘します。

足のどの部分から先に着地するかを気にしすぎないこと。肝心なのは着地時の力をどこでどのように吸収するかだ

こう聞いただけではいまいちピンとこないので、さまざまなドリルが紹介されている中で手軽に出来るフォーム改善方法はこれ。

縄跳びしながら前に走る。

これを1日2、3分でいいから行うのが良いとのこと。

このドリルは姿勢、バランス、足の配置、リズムの組み立てに役立ち、自然なケイデンスを見つけやすくしてくれ、足が活性化して接地時間が減り、走りを最適化してくれます。

その他のドリルも本書では詳しく紹介されているので、気になる方はご自身の目でお確かめください。

そしてこんな考え方も存在しています。それがIMB:impact moderating behavior 日本語では「衝撃緩和行動」と呼ばれるテクニックです。

このIMBの研究によると、リアルタイムでフィードバックを受けながら、柔らかく静かに着地したり、歩数を増やすなどのフォームの微調整を行うと、足への衝撃力が大幅に下がり、痛みが軽減され、場合によっては慢性化したケガが解消されるとのこと。

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ゆっくり走ることがおすすめな理由

そしてここに最高のランニングとは何なのか?に関するキーワードがあります。

それが、スピードです。

ククゼラ博士はいかにスピードを出さないか、つまりゆっくりとしたランニングやトレーニングを強調しています。

彼はこう言っています。

逆説的だが、確実にパフォーマンスを向上させるには、ランナーはむしろ減速して、ほどほどの制限速度を守り、努力の最大レベルを下回らなくてはならない

実際に世界最強の走る民族で有名なタラウマラ族のレジェンド、アルヌルフォ・キマーレのトレーニングの大部分が村から村まで歩くことなのです。と言っても、トレーニングの概念すら彼らには存在しません。彼らのランニングのスキルや走り方についてはこちらで考察したので、ケガに悩んでいる人はとてつもなく大きなヒントを得られると思います。

【おすすめランニングシューズはこれ!】ベアフット用ランニングサンダル・ワラーチで走る方法【タラウマラ族から学ぶランニング・ウォーキング】


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では、本当にゆっくりとしたランニングだけでパフォーマンスが向上するのでしょうか?

ククゼラ博士によると、強力な有酸素トレーニング、つまりゆっくり走るトレーニングは

無酸素性作業閾値(AT)走れる限界をも押し上げる。よく発達した有酸素システムは機能できるミトコンドリアが豊富で、酸性度を緩和しやすい

とのこと。

また、博士によれば、常時きついトレーニングばかりすると、心房細動、右心不全、心筋線維症のリスクを高めることがわかってきているとも指摘しています。

さらに充分な回復時間をとらず毎日1時間に及ぶ高強度トレーニングばかりすると心臓に心筋線維化したまだら状の瘢痕組織が残ることもあり、

現代の本格的なマラソンランナーの10%はこれに苦しんでいてもおかしくない

とも指摘しています。

No pain,No gainのようなガソリンがぶ飲み式の高強度ゾーンでトレーニングする時間が初心者からエリートにいたるまで、あまりにも長いと指摘しており、結果的にパフォーマンスが抑制され、体に害が発生し、さらにはペースを落として有酸素性トレーニングをすれば到達できたレベルのはるか下でパフォーマンスの頭打ち(プラトー)になるとも言っています。

お気づきの方もいるかもしれませんが、ジョギングの生みの親とも言われる伝説のランニングコーチ、アーサーリディアードの影響をククゼラ博士は多分に受けています。しかもなんとスロージョギングを提唱した田中博士もこの本の中で言及されているくらい、極力しんどくない有酸素トレーニングに特化した練習スタイルを彼は推奨しています。

【ランニングやマラソン】ケガのリスクを減らすメンタルトレーニング

さらにケガを防ぐ有効な方法として心理面に働きかけることも重要であるとククゼラ博士は指摘します。

なんと、いまでは心理的ストレスさえ筋膜の故障の一因になるとされています。筋膜が感情や精神面の刺激に反応して硬直すると、故障をしやすくなると言うのです。

だからこそこうも言っています。

ことランニングに関しては、メンタル面のアプローチを変えることで奇跡が起こる

ランニングコーチのエリノア・フィッシュの主張によれば、「ランニングのせいでケガと痛みが生じる」この考えから「ランニングのおかげでケガを防げる」この考え方にシフトするだけで、オーバーユースでの障害の発症率が下がるそうです。

ポジティブな考え方をすることです

とエリノアは言います。

笑うことで心に火がつき、痛みを忘れられる。それが笑顔のすばらしさなのです

この言葉こそ、あの世界一のマラソンランナー、エリウド・キプチョゲ選手の言葉です。

是非、心の片隅にこの言葉を刻んでおきましょう!

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最高のランニングを行うにはトレイルランやハイキングがおすすめ

では最後に研究ベースで最高のランニングを行うひとつの方法をご紹介して終わりにしたいと思います。

スタンフォード大学のグレゴリー・ブラットマン博士らによる研究では、自然の中で90分のウォーキングをした参加者と都会の中で同じくウォーキングをした参加者が比較されました。

自然のなかを歩いた人々は繰り返し嫌なこと思い出す後ろ向きの思考が減ると報告し、脳梁膝下野の神経活動が増えることが明らかになりました。

この脳梁膝下野という脳の部位がうまく機能しなくなると、うつ病や精神疾患になる可能性が高まると言われています。

また、フランシス・クオ博士と同僚たちによる研究では、大自然のなかで活動するとADHDの症状が著しく減少し、20分足らずで集中力が増すことも関連の調査から報告されています。

ウルトラマラソンJFK50マイルでのカテゴリー1位のククゼラ博士がトレイルランニングにはまっている理由もここにあります。

つまり、このように大自然の中でのランニングは認知面やメンタル面にポジティブな効果をダイレクトに与えてくれるのです。

【初心者ランナーにこそおすすめ】なぜトレイルランで足が速くなるのか?

そしてそれら全てを含めたランニングの最もすばらしい効果はこれです。

あらゆる原因による死亡率が30%減り、心臓と血管の病気による死亡率も45%減って、平均余命が3年延びるしかもたった1日5~10分程度のランニングによって

このような結論が研究ベースで報告されたのです。

これが人生スパンで見たランニングの素晴らしさです。速さを求める”No pain,no gain”ではなく楽しさを求める”No pain,thank you”。是非、この機会にもう一度走る意味を再発見してみてください。

今回はあくまで簡単にかみ砕き、まとめただけなので、少しでも気になった方は是非、本書をお取り下さい。

なぜジョギングだけでフルマラソン3時間切り(サブ3)を達成できるのか?

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